山本由伸が語る歴史的死闘の舞台裏「もう、やりきった」「最後、何を投げたかも覚えてない。嬉しさで涙が出ました」

山本由伸 PHOTO:Getty Images
<2025年11月1日(土)(日本時間2日)MLBワールドシリーズ トロント・ブルージェイズ対ロサンゼルス・ドジャース@ロジャース・センター>
この日、誰よりもマウンドで輝いていたのは、前日に96球を投げた男だった。
3勝3敗で迎えたワールドシリーズ最終第7戦、ロサンゼルス・ドジャースの山本由伸投手(27)は、9回裏のマウンドに立った。
疲労を抱えながらも魂の投球を見せ、延長11回まで無失点で投げ抜き、最後は併殺で試合を締めた。
ドジャースは5対4でブルージェイズを破り、球団史上初となる2年連続のワールドシリーズ制覇を達成。山本は今シリーズ3勝、防御率1.02という圧巻の成績でMVPを受賞した。
試合後、興奮冷めやらぬ中で臨んだ会見で、山本は静かに言葉を選びながら戦いの裏側を語った。
「ドジャースがワールドチャンピオンで締めくくることができて、すごくやりきったという達成感があります。本当に全員がギリギリの状態で、できることを全部出した。気持ちがひとつになった結果だと思います」
2日連続の登板という極限の中での投球。ブルペンで肩を作りながらも「本当に投げられるのか」と迷いがあったという。
「ブルペンで作り始めた時はまだ自信がなくて。でも温まっていくうちに"いける"と思えた瞬間がありました。チームが『行けると言わない限り無理はさせない』と言ってくれたので、気持ちに余裕を持って準備できました」
登板のきっかけとなったのは、ドジャースのメディカルスタッフ・矢田トレーナーの一言だった。
「試合後に『1年間ありがとうございました』と伝えたら、『明日ブルペンで投げる姿を見せるだけでも意味がある』と言われて。そこから治療して体を整えていったら、感覚がすごく良くて、気づいたらマウンドにいました」と笑顔を見せた。
9回の満塁、11回の一・三塁と、何度も訪れた危機。だが、山本は冷静に打者を打ち取っていった。
「不用意な投球だけはしないように心がけました。高さ、コース、基本的なことですが、それを徹底しました。あの状況で投げられたのは、自分でも大きな経験です」
試合を締めた瞬間の記憶は、ほとんど残っていないという。
「最後、何を投げたかも覚えてないくらいでした。チームメイトが駆け寄ってきた瞬間、嬉しさで涙が出ました。本当に"やって良かった"という気持ちしかなかったです」
会見では、冗談交じりに「今、何がしたい?」と問われ、「もう、帰りたいです」と苦笑いを浮かべた。
それでも、その顔には充実感がにじむ。
「今まで感じたことのない高揚感があります。限界を超えたというより、新しい自分に出会えた気がします」
そして最後に、MVPのトロフィーについて問われると、少し照れながら答えた。
「重かったです。普通に(笑)。でも、それだけの価値がある。チーム全員でつかんだ賞だと思っています」
プロ入り後初めて経験した"連投"のマウンドで、山本由伸はまた一つ伝説を刻んだ。その姿は、まさに「負けは選択肢にない」という言葉を体現するものだった。
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