五輪「兼任」の森保監督 最終予選後に五輪本番のみ指揮へ
2020.7.11
森保一監督 写真:JFA/アフロ
サッカー日本代表の森保一監督の五輪代表監督との「兼任」継続が7月9日の日本サッカー協会理事会で確認された。「1カテゴリー、2チーム」のコンセプトの下、来年3月と6月はフル代表でワールドカップ最終予選の指揮を執り、7月の東京オリンピック直前から五輪代表チームに合流して本番を迎える。
新型コロナウィルス感染拡大の影響を受けて、フル代表が臨んでいる2022年ワールドカップアジア予選が今年3月、6月、9月の予定分が延期。東京オリンピックも来年7月へ1年延期された。
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これを受けてFIFA(国際サッカー連盟)は先月、フル代表の国際マッチデー(IMD)を変更。今年9月の活動枠を来年6月に移行し、東京五輪の選手出場資格を延期に合わせて従来の23歳以下から24歳以下とすることを決定した。だが、この結果、来年3月と6月には五輪本番と最終予選を控えて2つの代表チームの活動期間が重複。森保監督の兼任が問題となっていた。
同時進行の体制を支えるために、日本サッカー協会はコーチングスタッフの体制を強化。森保監督がフル代表で不在の間、横内昭展コーチが監督として五輪代表を率いてチーム強化を図る。
また、元日本代表でナショナルトレセンコーチとして、これまでにもU-23日本代表に帯同してきた川口能活GKコーチが五輪代表GKコーチに就任。両チーム兼任だった下田崇GKコーチがフル代表に専念し、フィジカルコーチも同様に、それぞれのチームに専念する体制をとることになった。
さらに、本番直前まで五輪代表を率いる横内コーチがフル代表から離れるため、年明けからフル代表に新たにコーチを一人加え、齊藤俊秀コーチとともに森保監督を支えることになる。
日本協会の反町康治技術委員長は、選手、チーム、日本サッカーにとって「なにが一番か」を基本に、昨年の活動内容を見直しながら関係者と協議を重ね、最善の方法を探ってきたと述べた。そして辿り着いたのが「1チーム、2カテゴリー」のコンセプトだった。
U-24はアンダーカテゴリーではない
森保監督はフル代表の監督就任以来、若手と経験のある選手の融合をチームづくりのテーマの一つに掲げて、若手を積極的にフル代表で登用してきた。DF富安健洋選手(ボローニャ)、MF久保建英選手(マジョルカ)、MF堂安律選手(PSVアイントホーフェン)らはその一例だ。
反町委員長は「U-24はもう、アンダーカテゴリーではない」として、各チームで中心選手として活躍する立ち位置であると説く。
フル代表と五輪代表の「活動や試合のタイミングがほとんど同じという中で、U-24の選手がフル代表として招集されてワールドカップ最終予選を戦う形が、オーバーエイジを含めると7~8名になるのでは」とする個人的な予想を披露。フル代表でも戦力になる選手層という2チームの相関性で、大枠で1つという見方を示唆した。
一方、日程重複のためにU-24代表としては五輪本番直前までベストチームを組めない状況になるが、反町委員長はその間に新たな戦力が台頭する可能性を指摘する。
自身が2008年北京五輪で日本を率いた時に、DF吉田麻也選手(サンプドリア)、DF長友佑都選手(ガラタサライ)らが本番直前に頭角を現して五輪メンバー入りした経験を踏まえてのことで、そういう選手の発掘が重要になるという認識と期待を示した。
2つで1つ。基本にあるのは、森保監督の兼任がスタートした当初から横内コーチとの二人三脚で行ってきた歩みだ。それを、より整備して継続性を活かすことで、来年のハードスケジュールを乗り切り、五輪本番とワールドカップ最終予選での成功につなげようとしている。
「(フル代表とU-24代表の)2つの集合体が最終的に合体してオリンピック本大会へいく」と反町委員長は述べる。
「森保監督は縦と横のつながりを広げてやってきた。五輪はその集大成になるが、ワールドカップの最終予選もある。この2つをいい形で終わらせるように、最良の手段を取った。五輪本大会で(森保監督と横内コーチ)の二人がベンチサイドにいるのは力強い。この二人に任せて五輪を戦ってもらいたい」と語った。
取材・文:木ノ原句望