初代タイガーの許可を得て小さな虎を名乗る日本人女性が初めてづくしのONEデビュー
2020.8.20
Little Tiger Photo:ONE Championship
小さな虎が無観客試合で吠える。
Little Tiger(リトルタイガー)は過去6つのムエタイのチャンピオンベルトを腰に巻いた女子キックボクサーだ。Tigerの名は、プロデビューのきっかけを作ってくれた初代タイガーマスクこと佐山聡さんの許可を得たうえでつけたものだという。
女子選手の中でもTigerは身長157cm、体重45kgと小柄ながら、いざ試合開始のゴングが鳴ると気性の激しいファイトを展開する。その姿はプロレスラーとしては決して大型ではなかったが、一時代を築き上げた初代タイガーマスクと重なり合う。
キックボクシングのルールは大きく分けて2種類ある。ヒジ打ちやヒザ蹴りを認めたムエタイルールと、ヒジ打ちを禁止し首相撲からのヒザ蹴りを禁止したRISEやK-1ルールだ。キャリアの途中までTigerはどちらのルールにもトライしたが、次第にムエタイの方に傾倒するようになり、2016年からは練習の拠点をタイに移した。かつて打倒ムエタイを胸に長期間タイを拠点に活動した男子の日本人選手はいたが、女子のそれとなるとTigerが初めてかもしれない。
タイ人の本質を探ろうと、同年7月にはタイで出家までしている。微笑の国で女性の出家は正式には認められていないが、それでも「タイ人にはなれないけれど、同じような生活をすればタイ人の強さの秘密がわかるかもしれない」と思い即行動したTigerの決断には驚くしかない。
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8月21日(現地時間)にはタイで開催される『ONE:NO SURRENDER Ⅲ』でマリー・ルーメット(エストニア)とオープンフィンガーグローブ着用によるムエタイルールで闘う。昨年秋にTigerは東京で開催されたONE育成大会に出場した経験を持つが、今回は満を持しての本戦参戦となる。コロナ禍の中、ずっとタイに滞在していたことでチャンスが巡ってきたのだ。
日本の女子選手がキックやムエタイなどの立ち技に特化したONEスーパーシリーズに出場するのも史上初。初めて尽くしの中、Tigerはどんなファイトを魅せてくれるのか。
(スポーツライター 布施鋼治)