ブルワーズが球団創設58年目で初の世界一に! 低予算球団が見せた緻密な野球 指揮官「執念深さでは負けていなかった」
ブルワーズ PHOTO:Getty Images
<2026年10月28日(日本時間29日) MLBワールドシリーズ第5戦 タンパベイ・レイズ1-4ミルウォーキー・ブルワーズ@トロピカーナ・フィールド>
ナ・リーグ王者のブルワーズが敵地でア・リーグ王者のレイズに快勝、対戦成績を4勝1敗とし球団創設58年目で初の世界一に輝いた。シリーズMVPには、ウィリアム・コントレラス捕手(28)が選ばれた。
最後の打者パラシオスを二ゴロに打ち取ると、守護神メギルが両手を突き上げた。そこへナインが駆け寄り、あっと言う間に歓喜の輪が出来上がった。球団創設58年目で手にした悲願の世界一。まさに圧巻の2026年をブルワーズらしい野球で締めくくった。
“新怪物”ミジオロウスキーが第1戦から中4日で先発マウンドに上がり、5回2/3を2安打無失点の力投を披露。右ふくらはぎの痙攣で緊急降板となったが、急遽登板した左腕ロメロが好救援すると”勝利の方程式”ウリベにスイッチ。
最後は守護神メギルが8回から回またぎで投げ、9回に1点を失うも最後まで投げ切った。
打線は2回に新人プラットが先制点を叩き出すと、5回にもプラット、ミッチェルの連打で一・三塁としハミルトンの右前適時打で1点を追加。
6回にはコントレラスの左越え適時二塁打で1点を加え、さらにプラットの右邪犠飛で4点目をもぎ取った。ノーアーチでの4得点は今シーズンのブルワーズを象徴する戦い方だ。
ブルワーズはレギュラーシーズンで103勝59敗、勝率.636でメジャー30球団トップの成績を記録した。ところが本塁打154本は30球団中28位。であるにもかかわらず、832得点は2位だ。
ちなみにドジャースの204本塁打は7位だが、801得点はブルワーズに及ばない。本塁打が少なくても、得点力が高い。そこに強さの秘密がある。
最も顕著なのが、四球の多さと出塁率の高さだ。四球668個は2位で、出塁率.341はメジャー1位。いかにボール球に手を出さず、出塁する可能性を高めることを大切にしているかが分かる。
そこに得点圏打率の高さ、次の塁を積極的に狙う走塁などを巧みにからめ、本塁打に依存しない得点力を築き上げた。
投手陣の成績も秀逸だ。レギュラーシーズンのチーム防御率3.51、奪三振数1544、セーブ55はいずれも2位。投手力が高いレベルで安定していることで、相手の得点機会を封じてきた。攻撃力と投手力の高さが並立していることが、圧倒的なチーム成績を支えている。
こんなブルワーズも、年俸総額ではメジャー30球団中19位。チーム編成の特徴は、主力選手がFAになる前にトレードし、見返りで獲得した若手を育てて戦力とすることだ。
22年には守護神ヘイズを放出する中で、交換要員をうまく使って後に捕手コントレラスを獲得し、今シリーズのMVPにまで成長させた。
24年に就任したマーフィー監督は、世界一を逃しながら2年連続でナ・リーグ最優秀監督に選出され、3年連続受賞が確実視されている。この指揮官の存在も大きい。
「運だとは言わないが、我々と同じくらい優れたチームはたくさんある。違いと言えば、選手たちが信じ抜いたこと、細部まで注意を払ったことだ。我々は多くの面で”最高”ではなかったかもしれないが、執念深さでは負けていなかった」とナインを称えた。
1982年以来44年ぶりのワールドシリーズ進出でつかみ取った世界一。ナ・リーグ優勝決定戦では大谷擁するドジャースを4連勝で下した。
「私は”ブルワーズ流”とか”我々のやり方”という言い方が好きではない。個人的にピンとこないんだ。自分たちがやるべきやり方でやっているだけだと思っているからだよ」と指揮官。今ポストシーズンの戦いぶりは、低予算球団の”一強時代”を予感させるものとなった。
テレ東リアライブ編集部