神戸がACL8強で水原三星と対戦へ 三浦淳寛監督「気持ちで相手を上回る」
2020.12.10
写真:ロイター/アフロ
カタールで開催されているAFCチャンピオンズリーグ(ACL)2020もノックアウトステージに入り、初出場のヴィッセル神戸が8強に進出。横浜F・マリノスとFC東京が16強止まりで終わり、唯一勝ち進んでいるJクラブとして、12月10日に4強入りをかけて水原三星(韓国)と今大会3度目となる対戦に臨む。神戸の三浦淳寛監督は「気持ちで相手を上回れるように」と話している。
昨年の天皇杯優勝でACLに初めて参戦している神戸は、12月7日のノックアウトステージ1回戦で上海上港(中国)と対戦。2016年の初出場から5大会連続でノックアウトステージに進出し、2017年には4強入りした相手に、躍動感のあるパスゲームを展開して圧倒した。
前半31分にMFアンドレス・イニエスタ選手のゴールで先制すると優勢に試合を進め、後半開始5分で西大伍選手の得点で2-0とした。
イニエスタ選手の得点の場面は、自身の右サイドで動き出しからだったが、流れるようなコンビネーションで生まれた。ボールを味方に預けて自分は前線へすっと上がり、MF山口蛍選手からのパスを受けて再びボールを持つと、相手が寄せてくるところを滑らかに左へ移動してゴール正面に位置し、相手GKの動きを見て冷静に決めた。
イニエスタ選手は「チームの勝利と次のラウンド進出に貢献できて、とても幸せ。まだまだ歴史を作り続けていきたい」とコメントした。
神戸は守備でも、長身で身体の強さや激しさを武器にプレーを試みる上海に対して、DFトーマス・フェルマーレン選手やDF菊池流帆選手、両サイドバックのDF酒井高徳選手とDF山川哲史選手がしっかり対応。素早く攻撃へ転じて相手を押し込んだ。
中でもFW古橋亨梧選手の推進力は効果的なアクセントで、相手陣内深くまで切り込む一方でミドルレンジからも積極的にゴールを狙い、FWドウグラス選手や前線の一画を担った西選手とともに相手の守備を混乱させた。
後半の西選手の追加点は、まさにそういう動きからのもの。左サイドに切り込んだドウグラス選手からペナルティボックス左でパスを受けた古橋選手が、そのまま深い位置まで持ち込んで中へ折り返し、それをゴール前に詰めた西選手が伸ばした右足でゴールに押し込んだ。西選手は今大会初戦の広州恒大戦に続く右ウィングでのプレーだったが、攻撃センスが光った。
神戸の三浦淳寛監督は、西選手の起用について「このACLで結果を出すために、Jリーグの試合で各選手のユーティリティ選手を試してきた」と話したが、入念な準備が奏功した。
コンディション調整も重要な要因の一つだった。
今大会は新型コロナウィルス感染流行による3月からの中断を経て、カタールでの集中開催方式で再開したが、神戸は11月25日の再開初戦の広州恒大(中国)戦でグループ1位での突破を早々に確定。その後、グループステージの残り試合では選手を入れ替えながら戦い、結果は広州とのリターンマッチに0-2、水原に0-2だったが、チームのコンディション作りに充てることができた。
加えて、神戸と同じ組のマレーシアのチームが感染症対策の一環として同国政府から渡航許可が下りずに辞退したことで、他グループより少ない3チーム編成だったことで他グループよりも試合数が少なく、試合間隔が空いた。選手の動きに切れがあり、上海上港とは明らかに違って見えた。
上海上港はH組で横浜F・マリノスに次ぐ2位で勝ち進んできたが、年明けからの感染症拡大の影響を受けて中国勢は2~3月の消化試合がゼロ。そのため、神戸をはじめとした日本勢よりも早い11月18日から中2日で6試合をこなしており、この日の神戸戦は7試合目だった。
取材・文:木ノ原句望