フィギュアスケーター・宇野昌磨 羽生結弦の背中を追って苦しんだ4年間と見せた進化

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2022.1.4



そこに秘められたドラマをあなたはまだ知らない

ある意味、衝撃だった。寝癖をつけたまま平然と町中へ。

それがフィギュアスケーター宇野昌磨との出会いだった。

どうやら無頓着で自由奔放な性格らしい。その証拠にYouTubeでは自宅の様子を惜しげもなくさらし、女性ファンの視線を釘付けにしている。

24歳、独身。愛犬エマちゃんが大好きで野菜は嫌い。

没頭するゲームの世界

スケートと同じくらい本気、と公言しているものがある。それはゲーム。

この日は人気ゲーム、スマッシュブラザースの配信企画に参加。朝10時から夜8時までの10時間連続プレーに挑戦した。



好きな世界には没頭するタイプで、プロゲーマーが舌を巻く腕前だという。

フィギュアもそう。大好きだから追求して4年前には平昌オリンピックの舞台に立った。そして本番に強いと言われるその滑りを世界に見せつけ、銀メダルを獲得した。

並外れた努力家

根性主義とは違うが、宇野は並外れた努力家でもある。コーチが「練習をやめさせる必要がある」と嘆くほどだ。



苦労しらずの天才肌では決してない。足踏みする悔しさもつまずく痛みも身を持って経験してきた。

トリプルアクセルは習得までに6年を要した。

努力が実ったのは17歳のこと。世界ジュニアで初優勝する。

翌年からはシニアで戦い4年間シリーズ12試合、全てで表彰台にのぼった。

羽生結弦の存在

宇野の競技生活でいちばんの冒険は4年前に始まった。

きっかけは尊敬する「ゆづくん」こと羽生結弦だ。羽生のあとを継ぐ跡を継ぐ存在になりたい。芽生えた願いが冒険の始まりだった。

しかし力みと気負いが宇野の歯車を狂わせる。グランプリシリーズで自己最低の8位に沈み、シニアで初めて表彰台を逃した。

落ちたどん底。新時代のアスリートはそこで何を思ったか?

「ゆづくんを目指すのはもうやめよう。」それが宇野の出した結論だった。



練習拠点をスイスに移し、ランビエールコーチと新たに組んで再出発する。かつてのような伸び伸びとしたスケートを取り戻す。たとえ転んでも、経験値になればそれでいい。だってレベル上げはそういうものだから。

北京オリンピックへの道

迎えた今シーズン、始まった北京オリンピックへの挑戦。

4回転ジャンプを5本取り入れた自己最高難度のプログラムでグランプリ・シリーズを2位と1位。ランビエールコーチの指導に応えた。

人は肩の力が抜けた時、いちばん強い。たぶん今の宇野はその状態だ。

その証拠に先日の全日本選手権。宇野の演技は凄かった。北京オリンピック代表を決める大舞台で宇野昌磨のショートプログラムは伸びやかで余裕があった。これが本番に強い、宇野の真骨頂。

ガッツポーズは満足の証。羽生に次いで2位に入った。

苦しんだ4年間。この道が北京に通じていることを証明してみせる。


全日本選手権での宇野昌磨 写真:西村尚己/アフロスポーツ