復調のサッカー日本代表、サウジアラビア戦の勝利で2位キープを目指す

サッカー

2022.2.1


2022 FIFA W杯アジア最終予選前日練習 写真:JFA/アフロ

終盤を迎えているサッカーワールドカップ・アジア最終予選で、日本代表が2月1日に予選グループ首位のサウジアラビア代表と埼玉スタジアムで対戦する。

4連勝で予選自動突破圏内の2位につける日本だが、オーストラリア代表が勝点1差で迫り、結果次第で順位が入れ替わりプレーオフ経由となる3位へ後退する可能性もある。重要な試合だ。

サウジアラビアとの通算対戦成績では日本が9勝1分5敗で、FIFAランクでも相手の51位に対して日本は26位と優位にある。だが、過去の対戦では接戦が多く、今回の最終予選では昨年10月にアウェイで臨んだ対戦で日本が0-1で敗れた苦い経験がある。

サウジアラビアはその対戦を含めて6勝1分の勝点19でグループBの首位。チームを率いるフランス出身のエルヴェ・ルナール監督の下では、ここまで親善試合を含めて18戦して黒星は2020年11月のジャマイカ戦のみの13勝4分1敗で、好調を維持している。

日本戦を「ビッグゲーム」と位置付けるルナール監督は、「予選ではオーストラリアで引き分けただけ、ほかはすべて勝ってきた。我々は安定した戦いができている」とチームのパフォーマンスに自信を見せている。

またフランス人指揮官は、「なにより重要なのは最終的に自動突破できる上位2位以内に入ることだ。まだ3戦あるが、現在いるトップの座をキープすることが重要」と話し、状況次第では引き分けでの勝点1も受け入れる姿勢を匂わせた。

だが日本は、勝ち続けなければならない。

オーストラリアが勝点1差で追い上げ、しかも前節のベトナム戦での4-0勝利で、得失点差も9に加算。勝点が並んだ場合に甲乙を付ける得失点差も+9として、+4の日本を大きくリードしている。3月の残る2戦の第1戦で、日本はアウェイでオーストラリアと対戦することになっている。2位で敵地に乗り込めるか、違いは大きい。

日本は前回のサウジアラビア戦は、調子の上がらないまま、高温多湿の敵地に乗り込んで対戦。日本の選手が鳴れない暑さに体力を奪われる中、サウジアラビアは中盤にプレッシャーをかけて日本のボールロストを誘い、活発に攻め上がるサイドを使ってワイドにプレーを展開して日本のゴールに迫った。

71分に奪われた決勝点の場面も、日本のリスタートでの連携ミスを突いてボールを奪い、カウンターで決めたものだった。

その対戦で中盤での攻防で日本にプレッシャーをかけたMFサレム・アルファルジ選手は今回怪我で不在だが、決勝ゴールを決めたFWフィラス・アルビラカン選手や、ベテランFWサレム・アルドサリ選手らは健在だ。

攻撃の中心となるアルファラジ選手を欠いていても、チームとしての戦い方に大きな変化はないだろう。日本が前回のようなミスで相手に隙を与えれば致命傷になりかねず、鋭いカウンターやミドルシュートで積極的にゴールを狙うサウジアラビアを楽にするだけだ。

だが、原口元気選手(ウニオン・ベルリン)は、前回対戦以降の4連勝と勝点を重ねてきた日本の変化を指摘。「あのあとずっと勝ち続けているし、チームの方向性や戦う姿勢、全てにおいて良くなっている」と話す。

サウジアラビア戦の5日後にホームで戦ったオーストラリア戦では、日本はフォーメーションを変更し、MF田中碧選手(デュッセルドルフ)を最終予選で初めて起用するなど、メンバーにも変化を付けて勝利を掴み、そこからチームは右肩上がりに調子を上げてきた。

前回、累積による出場停止だった伊東純也選手(ヘンク)に代わって右サイドで先発したFW浅野拓磨選手(ボーフム)は、「前回は戦術以前に環境が難しかった」と現地の気温と湿度の高さに苦戦したと言及。

「前回と違う試合としてイメージを合わせることが大事。サイドハーフがガンガン前に出てくる。そういうところをつけばチャンスが生まれる」と話している。「いままでの相手よりボールを握られる時間があると思うが、握られたところで攻守の切り替えで背後を突いていければいい」と、イメージを膨らませている。

伊東選手も、昨年11月の2連戦から中国戦まで3戦連続得点をマーク。右サイドでスピードとキレを活かしてゴールに迫る動きは秀逸で、中国戦では大迫勇也選手(神戸)が決めた前半13分の先制点となったPKを獲得した。

早々のリードで主導権を握った日本は、その後もボールを保持して攻撃を展開。後半15分の伊東選手の追加点は、交代出場したDF中山雄太選手(ズヴォレ)の左サイドからのクロスにヘディングで合わせた。

中山選手とともに直前に投入されたFW前田大然選手(セルティック)が登場とともにスピードで相手をけん制。伊東選手のゴール場面では、中山選手のサイドへ走り込んで相手DFを引き付けてゴール前にスペースを作った。

中山選手と前田選手のほかにも、ここまでの試合でチームに変化と勢いをつけるプレーを披露する若手も増えている。前出の田中碧選手も、11月のアウェイでのオマーン戦で伊東選手のゴールをアシストしたMF三笘薫選手(サンジロワーズ)も然りだ。そこも、前回のサウジアラビア戦とは異なる点だ。


日本代表・長友佑都 Photo by Etsuo Hara/Getty Images

中国戦では、負傷で招集が見送られたDF吉田麻也選手(サンプドリア)とDF冨安健洋選手(アーセナル)の主力センターバック二人に代わって、DF谷口彰悟選手(川崎)とDF板倉滉選手(シャルケ)がフル出場。

最終ラインで守備を安定させながら、フィードで攻撃のビルドアップを助ける好ゲームを展開。日本のシュート14本に対して中国のシュートを2本に抑え、勝点5の中国はW杯出場が絶望的となった。

徐々に好材料が増えている状況に、日本代表の森保一監督は、「選手たちが良いチャレンジをして成長しながら結果を出せている。チームとして力が積み上がってきているし、いいベースができてきている」と話して手ごたえを覚えている。

中国戦で動きの良さを見せたDF酒井宏樹選手(浦和)は、「試合勘も戻っているし、いいコンディションで臨める」と話す。

2014年、2018年のW杯にも出場し、フランスのマルセイユでも活躍してきた酒井選手は、「中国戦よりレベルが高い」というサウジアラビアについて、「彼らのストロングポイントは左サイド。それをどれだけ抑えられるかだが、抑えるための方法は何通り、極端に言えば何十通りもある。それを試合中に何が合うのか確認しながらやっていく必要がある」と話し、冷静な対応でサイドの攻防を制する意欲を見せている。

7大会連続出場を目指す日本の森保監督は、「サウジアラビアは非常に強敵だが、アジアで同じ相手に2度負けられない。我々が持っている力をフルに発揮してホームで勝利を収めたい。我々が勝ってW杯への道を繋げていく。その気持ちを強く持ってプレーすることを選手たちに伝えている」と話した。

サウジアラビア戦を終えると、最終予選は3月下旬の2試合のみ。日本はアウェイでオーストラリアと対戦し、最終戦ではホームにベトナムを迎える。

サウジアラビアはアウェイで中国と対戦し、日本との対戦を終えたオーストラリアとホームでの対戦が待つ。グループ2位以内に入れば自動突破。3位になればアジアのプレーオフを経て、南米とのプレーオフで出場権を競うことになる。

日本は復調の流れを活かしてサウジアラビア戦で勝利を掴み、3月の大一番を迎えたい。


取材・文:木ノ原句望