【大阪杯 みどころ】逆境にいる4歳世代は意地を見せるか
2024.3.31
ソールオリエンス・タスティエーラ 写真:アフロ
明け4歳世代の馬たちが、苦しんでいる。
昨年の10月以降の重賞で古馬勢とぶつかったが、芝1800m以上のレースで勝利したのはわずか5頭。しかも今年に入ってからは牝馬限定戦でしか勝てていない。
大阪杯のプレップレースとしても知られる金鯱賞には昨年の菊花賞馬、ドゥレッツァが出走したが直線で猛然と追い上げるも2着。勝ち馬プログノーシスには5馬身もの差を付けられていた。
2つ上の世代にはエフフォーリアやソダシ、1つ上の世代にはイクイノックスにスターズオンアース、そしてドウデュースなどスターホースが目白押しだったこともあり、明け4歳の馬たちは少々地味な顔ぶれになったのかもしれない。
牝馬三冠を達成したリバティアイランドのような素晴らしいスターもいるが、彼女は昨年のジャパンCでイクイノックスの2着に敗れ、彼の後を追うようにドバイシーマクラシックへとその矛先を向けた。
4歳馬にとって、大阪杯は試練の一戦になっていると昨年もここで書いた。
GⅠ昇格以来、4歳馬の成績は[2・3・5・22]。1番人気に推された馬に限れば[1・1・2・2]と7回中6度も1番人気に推されながら勝ったのは1頭のみとやはり苦戦を強いられている。
ただでさえ4歳馬には苦しいレースとなっている上、今年の4歳馬は対古馬戦で結果を出せていないが......今年の大阪杯ではその4歳馬たちが主役となる。
確かにここまで結果を出せていないのは確か。しかし、大阪杯で1番人気に推され、馬券圏内に入った4歳馬4頭のうち、3頭は後に古馬GⅠを制している。
唯一外れたのが昨年の2着馬スターズオンアースだが、彼女も大阪杯後にヴィクトリアマイル3着、ジャパンC3着、そして有馬記念も2着と、GⅠの大舞台で好走を見せてきた。
つまり、大阪杯で人気になった上で結果を出せた4歳馬には明るい未来が待っている。年長馬たちに苦戦を強いられてきた世代だが、このレースで結果を残せば覇権を握れる――それだけに今年も大阪杯に挑む4歳馬には注目したい。
そんな4歳勢の筆頭格はダービー馬、タスティエーラだ。
サトノクラウンの初年度産駒の中でも大器と評された彼は弥生賞でトップナイフとの競り合いを制して重賞初制覇を飾ると、皐月賞はいったん先頭に立ったにもかかわらずソラを使うという悪癖が出て2着。素質の高さは間違いないが、幼さが目立った。
しかし、ダミアン・レーンと組んで迎えたダービーでは直線早めにスパートを打ち、またもいったん抜け出したが今度は最後まで首をしっかりと下げて走り、見事に勝利。集中した時の強さを見せる形になった。
二冠を目指した菊花賞ではドゥレッツァに敵わず、古馬初挑戦となった有馬記念は6着に終わったが、+18キロの馬体増と直線で不利を受けたという不利があったことを考えると本来の力を出し切れなかっただけかもしれない。
明け4歳緒戦となるこのレースで本来の力を出し切り、苦戦を強いられている明け4歳勢としての意地を見せてくれるだろうか。
タスティエーラと昨年、春のクラシックを争ったのがソールオリエンスだ。
まるで恐竜のような荒々しい走りで幼さばかりが目立ったが、それでも勝ち切るというスケールの大きさを見せてデビューから堂々の2連勝。
迎えた皐月賞はハイペースの流れを後方で追走し、4コーナーを回ったところでは17番手という絶望的な位置取りから大外一気で快勝。
自身初となる重馬場も他頭数のレースも物ともせずに横山武史とともにグングンと伸びてくる迫力満点のフットワークはこの世代を代表する馬にふさわしいモノだった。
しかし、このレースを最後にソールオリエンスは勝ち星から遠ざかる。ダービーではタスティエーラをとらえきれずに2着に敗れると、セントライト記念、菊花賞ともに上がり馬に屈して2着、3着と惜敗。
タスティエーラとともに3歳代表として挑んだ有馬記念は新パートナー・川田将雅を迎え入れての一戦だったが、出遅れが響いて8着。年明け緒戦の中山記念は京成杯を彷彿とさせる大外強襲策を取ったが、4着止まりだった。
皐月賞までのあのパワフルな走りはどうしてしまったのかと言いたくなるような煮え切らない成績が続いているが、今回は鞍上が横山武史に戻る。勝ち方を知っているパートナーとの一戦で久しぶりに勝利を掴みたい。
古馬重賞で苦戦が続いている馬が多い4歳世代で、数少ない古馬重賞勝ち馬のベラジオオペラもこのレースにエントリー。GⅠ初制覇を狙っている。
道悪馬場で行われたスプリングSで外から豪快に伸びてクラシック候補に名乗りを上げたが、皐月賞は10着、ダービーは4着とビッグタイトルには届かず。
ロードカナロア産駒なので距離適性を考えて菊花賞をパスして臨んだチャレンジCでベラジオオペラは力を見せた。
馬体重はダービーのころから20キロも増えていたが、それらはすべて成長分。立派になった馬体で挑んだ一戦は中団から流れに乗ると直線では外から猛然と追い込み、先に動いたボッケリーニ、エピファニーらを退けて勝利。
スプリングSで見せた破壊力満点の末脚は古馬相手でも通用するものだった。
年明け緒戦の京都記念も2着に入るなど、近走の充実度ではクラシックを制した2頭以上。得意の阪神コースでGⅠホースの仲間入りを果たすだろうか。
そんな4歳馬たちを力でねじ伏せようともくろむのは5歳以上の古馬たち。中でも5歳馬プラダリアがその筆頭格だ。
3歳時に青葉賞を制して以来、重賞戦線では毎回掲示板に入るかどうかというレースを繰り返していたが、京都記念で先行策を取ってボッケリーニを退けて久々の勝利を飾ると変身。
有馬記念14着を経て迎えた今年の京都記念ではベラジオオペラとの追い比べとなったが、これを力でねじ伏せた。
これまでの戦績からしてコーナーの大井競馬場は得意なタイプなだけに、4歳馬が体たらくなままならば、最強世代の力を存分に見せてくれるだろう。
未来を担う4歳馬が覇権を握るか、それとも古馬勢が意地を見せるか――今年の大阪杯は例年以上に世代間の争いに目が離せない。
■文/福嶌弘
第68回大阪杯(GI)枠順
2024年3月31日(日)2回阪神4日 発走時刻:15時40分
枠順 馬名(性齢 騎手名)
1-1 ミッキーゴージャス(牝4 M.デムーロ)
1-2 ローシャムパーク(牡5 戸崎圭太)
2-3 タスティエーラ(牡4 松山弘平)
2-4 ハヤヤッコ(牡8 幸英明)
3-5 スタニングローズ(牝5 西村淳也)
3-6 ジオグリフ(牡5 北村宏司)
4-7 ハーパー(牝4 岩田望来)
4-8 プラダリア(牡5 池添謙一)
5-9 ステラヴェローチェ(牡6 酒井学)
5-10 ソールオリエンス(牡4 横山武史)
6-11 ベラジオオペラ(牡4 横山和生)
6-12 キラーアビリティ(牡5 北村友一)
7-13 ルージュエヴァイユ(牝5 菅原明良)
7-14 エピファニー(牡5 杉原誠人)
8-15 リカンカブール(牡5 津村明秀)
8-16 カテドラル(牡8 藤岡康太)
※出馬表・成績・オッズ等は主催者発表のものと照合してください。