なでしこジャパン 五輪メダル獲得へ W杯王者スペインと初戦で激突【パリ五輪 女子サッカー】
2024.7.25
パリオリンピック なでしこジャパンがスペインとの初戦に臨む PHOTO:Getty Images
<2024年7月25日(木)パリ2024オリンピック競技大会 女子サッカー 1次リーグ グループC 日本 - スペイン @ボジョワール競技場>
なでしこジャパン女子日本代表が7月25日(日本時間26日)に始まるパリ・オリンピック女子サッカーで、2012年ロンドン大会以来のメダル獲得に挑む。
フランスのナントで行われるグループステージ初戦は昨年のワールドカップ'(W杯)優勝のスペインが相手で、大会の展開を左右する厳しい戦いになりそうだ。
女子サッカーの出場は12チーム。4チームずつ3グループに分かれてグループステージを戦い、各組上位2チームと3位チームのなかで上位2チームがノックアウトステージの準々決勝へ進出できる。
7月13日に金沢でガーナと親善試合(4-0)を行い、15日からは現地で調整を続けてきた日本は、今回C組で25日(日本時間26日)にスペイン、28日(同29日)に2度の銀メダリストのブラジル、31日(同8月1日)にナイジェリアと対戦する。
このほか、A組では開催国フランス、コロンビア、前回東京大会優勝のカナダ、ニュージーランド、B組では4大会優勝のアメリカ、ザンビア、ドイツ、オーストラリアが顔を合わせる。
日本はC組を1位で突破できれば準々決勝はA組かB組の3位との対戦になるが、2位突破になるとB組1位との対戦になる。
今後を考えると、1位突破で有利に運びたいところで、その意味では初戦のスペインの勝敗は大きな比重を占める。
スペインとの対戦は昨年のW杯グループステージ以来。ボール保持では相手が優位に立ったが、粘り強く守ってプレッシャーをかけてボールを奪い、鋭いカウンター攻撃で4⁻0と勝利。
宮沢ひなたが2ゴール、植木理子、田中美南が1ゴールずつを決めた。勝ち進んで優勝したスペインだったが、日本戦はあの大会で唯一の黒星となった。
FIFAランキングでは日本の7位に対してスペインは1位。前回の対戦で先発したメンバーはほぼ揃っている。
W杯の活躍などを受けてFIFA女子最優秀選手賞を受賞したMFアイタナ・ボンマティ、彼女の前に2年連続で同賞を獲得していたMFアレクシア・プテジャス、ボンマティと最後まで受賞を争ったFWジェニファー・エルモソなど多彩な顔触れは変わらない。
それだけに、今回の日本戦には雪辱を期して臨み、W杯に続いて初のオリンピック金メダル獲得を目指して強い思いで臨んでくることは想像に難くない。
日本は7月13日に金沢でガーナと親善試合(4-0)を行い、15日からは現地で調整を続けてきた。
DF南萌華(ASローマ)は、「W杯と同じスペインと、本当に素晴らしいチームと戦えることはチームとしてのモチベーションも上がる。それが初戦で、チームとしては集中した、いい入りができると思う」と言う。
南はW杯からの積み上げに手ごたえを覚えているという。「メンバーがそこまで大きく変わっていないこともあって、連係の部分ではコミュニケーションも取りやすい。去年のW杯から積み上げてきたものをしっかりと発揮できれば、メダルに手が届くチームだと思うので、そこの自信はある」と話している。
キャプテンのDF熊谷紗希(ASローマ)も、「大会の初戦という意味ではすごく重要な試合になる。やるしかないという感じ。ここで勝ち点を取ることが次につながると思うので、なんとしても勝ち点を取りたい」と意気込む。
2戦目は悲願の金メダルを狙うブラジルと
第2戦はパリに移動してブラジルと対戦する。FIFAランキングで9位とランキングでも日本に近い。オリンピックには8大会連続8度目の出場で、2004年と2008年大会で銀メダルを獲得している。
当時から主力としてチームをけん引し、世界女子最優秀選手に5度輝いたFWマルタは38歳。今年限りでの現役引退を表明しているとされ、オリンピック6度目の挑戦となる今回、金メダル獲得は悲願でもある。彼女以外にもFWアドリアナやFWケロリンら攻撃陣は要注意だろう。
ブラジルは昨年のW杯ではグループステージ敗退だったが、今年3月のCONCACAF女子ゴールドカップでは決勝に進出。アメリカに0-1で競り負けたが手ごたえは得ているようだ。
3戦目は、日本は再びナントに戻ってナイジェリアと対戦する。FIFAランキングでは36位だが昨年のW杯では16強に進出。準優勝したイングランドと延長0-0の末にPK戦(2-4)にもつれる接戦を演じた。
今回、4大会ぶり4度目の出場で、過去には2004年大会でベスト8へ進出した。
FWアシサト・オショアラは現在アメリカでプレーしているが、昨季までバルセロナでプレー。その間にUEFA女子チャンピオンズリーグ優勝も経験している。
アフリカ連盟年間女子最優秀選手賞に6度選出された。チームにはWEリーグでプレーするDFチディンマ・オケケもいる。侮れない相手だろう。
熊谷、選手の経験値アップに手ごたえ
なでしこジャパンはアジア最終予選で北朝鮮に勝利して2大会連続6度目のオリンピック出場を決めた。前回オリンピックでメダルを獲ったのは2012年。コロナ禍で1年遅れて開催された東京2020大会ではグループステージを3位で通過してのベスト8だった。
だがその後、就任した池田太監督の下でチームは強化を重ね、戦い方のバリエーションを増やし、昨年のW杯ではスペイン、ザンビア、コスタリカとの同組のグループステージを1位で抜けてのベスト8入りだった。
熊谷は「海外組も増えてW杯も経験して選手それぞれの経験値は上がっている。個々のコミュニケーションの質にもすごく成長は感じる」と話す。
なでしこキャプテンは、大会で勝ち進むポイントに「対応力」を挙げる。
「(チームの)人数が少ない中で短期決戦。いろんなことが起きて、特には運も必要で、そういうものをどれだけ自分たちに持ってこられるか。そういう意味ではいろいろなところで対応力があれば、いい形にできるので」と語り、こう続けた。
「それだけの経験を持っている選手たちもいるので、あまり心配していない」
取材・文:木ノ原句望