「私は世界でNo.1のパサーだと思っている」ジーコが語る日本サッカー30年の軌跡と鹿島に植えた「献身・誠実・尊重」の精神

サッカー

2025.7.22


    【動画】FOOT×BRAIN+ #720 神様ジーコと紐解く日本サッカー進化の奇跡・前半戦!|https://youtu.be/gPDHydqfEJk

    これまで「日本サッカーが強くなるためにできることのすべて」をコンセプトに2011年4月に始まった『FOOT×BRAIN』。

    番組開始から15年目を迎え、2025年4月に『FOOT×BRAIN+』として新たなコンセプトで生まれ変わった。

    「神様4度目ですからね」と番組MCの勝村政信が高揚した声で語るように、スタジオには特別なオーラを纏った男が再び降臨した。サッカーの神様ことジーコ。彼が日本に初めて訪れてから30年以上の歳月が流れたが、その眼差しには今なお熱い情熱が宿っている。

    15年間の絆、専属通訳・鈴木との再会

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    「1年ぶりぐらいですね」と語るのは、ジーコの専属通訳として15年間彼を支え続けた鈴木國弘。

    19歳の時にブラジルを訪れた鈴木は、当初ペレに会うことを目的としていたが、リオに立ち寄った際に21歳のジーコのプレーを目の当たりにし、「こんな人がいるのが信じられなかった」と魅了された。以来、フラメンゴのファンとなり、ジーコへの異常なほどの敬愛を抱き続けた。

    鹿島にもたらした「ジーコスピリット」

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    1991年、ブラジル代表として輝かしい実績を持つジーコは、当時アマチュアクラブだった住友金属(後の鹿島アントラーズ)に入団する。そこで彼が徹底的に植え付けたのは「プロ意識」と「スピリット」だった。

    「献身」「誠実」「尊重」----この三つの精神は今もなお鹿島アントラーズのDNAとして受け継がれている。チームのために全力を尽くし、約束やルールを守り、年齢や立場を問わず相手を尊重する。この姿勢は、ジーコの言葉と行動を通じて選手たちの心に刻まれていった。

    「彼の考えに心底惚れている」と語る鈴木。91年からジーコと共に歩み始め、その言葉や思想を日本のサッカー界に伝える架け橋となった。

    練習量と基礎の徹底----世界一のパサーの極意

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    「私は世界でNo.1のパサーだと思っている」----この言葉に驕りはない。それは厳しい自己鍛錬の末に辿り着いた自信の表明だ。

    テニス選手が壁に向かってひたすらボールを打つように、ジーコもまた壁にボールを蹴り続けた。そして「パスの精度を高めるには基礎技術の徹底的な反復が必要」と説く。

    「私の大好きなサッカーを続けていくために、人より努力と犠牲を惜しまなかっただけだ」というジーコの言葉には、彼の哲学が凝縮されている。この姿勢こそが、神様と呼ばれる所以なのだろう。

    日本代表監督時代----情熱と課題

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    日本サッカー界への貢献はクラブレベルに留まらなかった。2002年、ジーコは日本代表の監督に就任する。「チームのシステムが基本にあって、その上で選手個人の自由性を認める」という彼の哲学は、日本サッカーに新たな風を吹き込んだ。

    しかし2006年ドイツワールドカップでは、中田英寿、中村俊輔、小野伸二といった「史上最強」と称されたメンバーでありながら、グループリーグ敗退という結果に終わった。

    ジーコはその課題を冷静に分析する。「当時の選手たちは海外でプレーしていても、出場機会が少なかった。代表に集まった時だけ90分間プレーするような状況だった」と振り返る。現在の日本代表選手と大きく異なる点だ。

    さらに「精神的な弱さ」も指摘した。「日本選手は試合中に1点取られると、5分間で2、3点失点するリスクがある。得点を奪われることがあまりにも大きなショックになってしまう」と当時の問題点を分析した。

    次世代への継承----育成への情熱

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    ジーコはこれまで約10万人もの日本の子どもたちにサッカーを教えてきた。

    「鹿島アントラーズの本山雅志選手は、私がスクールで教えた子供たちの一人です」とジーコは誇らしげに語る。彼はジーコが現役時代に付けていた背番号10を継承し、切れ味鋭いドリブルで鹿島のレジェンドとなった。

    3年前には富山にサッカースクールを開校し、次世代の育成にも力を注いでいる。

    「大事なのは"人として"の考え方。常識や人として大切なことを子どもたちに教えていきたい」という言葉からは、単なる技術指導を超えた人間教育への情熱が感じられる。

    平和への祈り----広島でのチャリティマッチ

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    7月27日、広島で「ジーコ主催のチャリティマッチ」が開催される。ブラジルでは20年にわたり行ってきた「スターゲーム」と呼ばれるチャリティ試合を、初めて日本の地で実現させる。

    今年で広島の原爆投下から80年。「サッカーの力で平和を祈りたい」というジーコの思いから、各国のスター選手が集う「ジーコワールドレジェンズ」と元日本代表で結成される「ジーコジャパンレジェンズ」がチャリティマッチを行う。

    日本サッカーへの揺るぎない愛

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    「日本サッカーの発展を信じて来た」と語るジーコ。彼の目には、30年前と比べて飛躍的に成長した日本サッカーの姿が映っている。

    「今や多くの日本人選手がヨーロッパの一流クラブでプレーしている。単なる経験のためではなく、本当にプレーするために彼らは海外に行っている」と、日本サッカーの進化を肯定的に評価する。

    ジーコは今も日本を「家族のような存在」と語り、日本サッカーの発展に尽力し続けている。サッカーの神様の愛情は、これからも日本サッカーを照らし続けるだろう。


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