「野茂さんが言っているならいける」ダルビッシュ有 日米通算204勝達成を支えた野茂英雄への感謝語る

野球

2025.7.31

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    ダルビッシュ有 PHOTO:Getty Images

    <2025年7月30日(日本時間31日)MLB サンディエゴ・パドレス 対 ニューヨーク・メッツ@ペトコ・パーク>

    パドレスのダルビッシュ有投手(38)が30日(日本時間31日)、本拠地ペトコ・パークで行われたメッツ戦に今季5度目の先発登板をし、7回を76球、被安打2、無四球、7奪三振、無失点の好投で今季初勝利(3敗)を飾った。

    この勝利でダルビッシュは、ヤンキース、広島などで活躍した黒田博樹氏が持つ日米通算203勝を上回る、通算204勝目(米国で111勝、日本で94勝)を達成した。

    7回無失点。最後の打者マクニールを左飛に仕留めると、チケットが完売し42,267人のファンで埋め尽くされたスタンドからは、「ユー」の大コールが沸き起こった。

    ダルビッシュは散発2安打、無四球と相手打線を二塁すら踏ませぬ投球であり、それでいて今季最多の7三振を奪うなど、熟練かつ力強いピッチングを披露した。

    昨年9月27日のダイヤモンドバックス戦以来、306日ぶりの今季初勝利は、同時に日米通算204勝という歴代最多記録を打ち立てるものとなった。

    前回登板までの防御率9.18が嘘のような内容。この日はストライク率71%と安定した投球を見せ、1回途中から5回途中まで13者連続アウトを奪うなど、メッツ打線を圧倒した。

    好投の要因としては、右腕を少し下げ、リリースポイントを低くしたこと。投球フォームがしっくりとハマり、本来の投球が蘇り、直球、ツーシーム、スライダー、スイーパー、カーブ、カッター、ナックルカーブと8つの球種を変幻自在に操った。

    最速はツーシームの95マイル(約153キロ)、最遅はカーブの71マイル(約114キロ)と、緩急差39キロというダルビッシュならではの投球術も光った。また、7奪三振は今季最多。

    今季109試合目にして手にした待望の初勝利、そして日米通算204勝という輝かしい記録にも、試合後のダルビッシュは淡々とし、「もちろん嬉しいですけど、黒田さんとか野茂さんのようなピッチャーではまだないと思うので、数字がどうとかでなくて、本質的に近づけるようにこれからもしていけたらと思います」と更なる高みを目指すことを誓った。

    <ダルビッシュ有投手 一問一答>

    ―― 日米通算でトップに立った

    もちろん嬉しいですけど、黒田さんとか野茂さんのようなピッチャーではまだないと思うので、数字がどうとかでなくて、本質的に近づけるようにこれからもしていけたらと思います。

    ―― 今季初勝利について

    もちろん嬉しい気持ちはありますけど、ここまで何もしてないので、嬉しくない部分もあったりとか、複雑ですけど、とりあえず今日の試合、休みのまで7回までいけたので、それは良かったです。

    ―― 前回から良くなったきっかけ、ポイントは

    リリースポイントを一気に下げて、自分ではサイドスローに近いような感じで投げたことで、今日はハマった感じがしました。

    ―― ここまで来れたことへの感謝の気持ちは

    やっぱり本当に自分の根源って両親なので、両親が産んでくれて育ててくれてというところなので、両親が一番ですね。やっぱりずっと妻も支えてくれていますし、他にもいっぱいいるんですけど、あげるとキリがないんで、それだけたくさんの方に支えられてきたということだと思います。

    ―― 先駆者であり、球団アドバイザーである野茂さんへの感謝は

    あります。昨日も珍しくクラブハウスへ来られて、自分はちょっとサイドスローっぽくしようと思っていて不安はあったので、野茂さんにビデオを見せて「どう思いますか」と聞いたら、「ええやん」って言ってくれたんで、そこから自分も野茂さんが言っているならいけるって。結構正直にいつも言ってくださるので、悪い時は悪いと言ってくれますし、その中でビデオを見て「いい」と言ってくださったので、そういうところ含めて細かいところ、スプリングトレーニングもそうですし、たくさんアドバイスをいただけるので、本当に感謝しています。

    ―― 昨年からマイルストーンが続いている。どれが一番と感じるか

    どれも別になんもなかったですね、そこは。特になかったですね。

    ―― 全員が勝利に向かい、ユウのためという雰囲気を感じた

    選手は誰も知らなかったので、そのつもりでは誰もやっていなかったと思いますけど、休みの前に7イニングいけて、マニーもそうですし、シーツもそうですし、クロネンワースもいいプレーありましたし、みんなでデーゲームの中で勝てたことはすごく良かったです。

    ―― 初勝利までの苦しみはあったか

    今までのことをあまり覚えてないので、そんなに。比べられないですけど、帰ってきてから貢献どころか逆効果くらい(笑)のピッチングをしてたので、それが1試合だけですけど、いいピッチングができて、そこはホッとしています。

    ―― 後輩の日本選手も目標としている。こういう先輩でいなければという思いは

    そうやって言ってくれるのはすごくうれしいです。ただ自分のことは自分でわかってますし、そこにいい意味でも悪い意味でも人の言葉にあまり惑わされたくないというのがあるので。ただ同時に若い選手たちに関しては、どういう時でも何か困った時でも何か戦力になれるようにというようにはずっと思ってますし、見てます。ずっとみんなの成功というのは思っているので、ただ言えるのは今の選手たちはみんなすごいので、やっぱり自分も自分が一番良かった時よりも今の若い選手たちの方が上だなと思うことも多々あるので、そこがほんとに刺激になっています。

    ―― 肘を下げるというのは過去の引き出しから出してきたものか

    引き出しというか、なんとなくフォームを見ていてもしっくり来ていなかったので、自分の中でも。なんでいきなり下げようと思ったのかな?ちょっと自分でもわからないですけど、でも過去にもやったことあるフォームというかそういう感じだったので、行けるだろうということです。

    ―― 理想としていた投手に近づいているか

    全然なってないですね。僕が求めていたのはずっと完璧な投手ですし、そう考えると今見ても自分よりも速い球を投げる投手はいっぱいいますし、自分よりもコントロールがいい投手はいっぱいいますし。いろんな球種が投げられるというのは強みではありますけど。1個1個の球種をとったときに自分よりもいい投手はいっぱいいるので。まだほど遠いというところですね。

    ―― もっと良くなれるという原動力になるか

    なったりもしますし、でも同時にもう無理だと思うこともあります。あまりにもみんなすごいですから。でもその狭間でいるという感じですね。

    ―― 復帰した時にスライダーを諦めないといけないかもしれなかったと話していたが

    ラスベガスの後ですね。その後にいろいろ診断とかあった中で、いろんなドクターとも話しながらという中でしたけど、何とかなっているので今のところは。

    ―― その時の心境はどうだったか

    その時に聞いたときは、あんまり。良くも悪くも最近は感情でガッと揺れないので。別にああそうなんだくらいに思いましたし、そこから何ができるかということだけ考えてましたけど。投げだしたら意外と投げられているので。

    ―― 過去を振り返らないスタイルか

    振り返りますよ。いろんなことで。ただそういう自分が苦しかった時の気持ちとかというのは覚えられないというか、いろんな気持ちが日々あるので上書きされていくから。細かく思い出せないというのがあるんですけど。たとえば技術的にいったら振り返ることは多々あるので。日本時代のビデオを見たりとか。2017年のビデオを見たりとか。そういう意味では振り返ります。

    ―― リリースの位置を下げたことでツーシームの動きが大きくなったが

    ある程度、肘を下げて横回転を増やすとツーシームがその分曲がるのは自然ではあるので。そういうことだと思います。

    ―― 狙って肘を下げた

    いやいや、ツーシームがどうとかよりも、全体的に体のフォーム全体のタイミングであったりとか、体の位置とかを見た時にちゃんとしていなかったので、それを肘を下げることで割とコンパクトになったという、自分の中で納得できるフォームになった感じがしたので下げたということです。

    ―― 今日の勝利は204勝目と今季初勝利、どちらの意味合いが大きいか

    今季初勝利ですかね。でもそれもあまり思わないというか、単純に投げました、チームが試合に勝ちましたというだけなので。あんまり個人的な勝利とかは近年はあんまり考えないので。

    ―― ここに来た頃、人間的に成長できていると話していた。野球と人間的な成長はどうつながっているか

    それは両方ちゃんとしてることに越したことはないと思いますけど。一般的に見て、性格があまり良くないとされる人でもすごい投手とか選手たちはいっぱいいるので。そこに相関性があるかはちょっとわからないです。

    ―― 5月のシムゲームのとき、難しかったという表現をしていたが

    やっぱり調整が今までと同じ感じでいくと、うまいこといかなかったので。新しい登板間のルーティンとかをもう一回過去の引き出しから練り直さないといけないというところで難しかった。今もまだ難しいですけど。

    ―― 回復についても今までと違うアプローチで臨んでいるのか

    難しい話になるんですけど。自分は登板の日に筋肉のグリコーゲンとかに水分をちゃんと引き込みたいんですけど、それが内臓とかがあまり強くなくなってくると、腸内環境とかもそうですし、そこでうまく入らないというところが結構あるんですよ。そこで栄養とかをもう一回見直して、どうやったらちゃんと入るのかとか、あと肘のリカバリーもそうですけど。あと筋出力の維持とか、そういうところがすごく難しいです。

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