【ドバイWC】フォーエバーヤングリベンジならず 栄冠までほんのあと少し。日本勢は大健闘も悔しい結果に
2026.3.29
ドバイWC マグニチュードに敗れるフォーエバーヤング PHOTO:Getty Images
追いかけて、追いかけても掴めなかった頂点......日本馬にとってこれがどのレースにも当てはまる形となったドバイWCデー。GⅠ4戦に挑んだ日本馬たちの健闘を振りかってみたい。
まずは日本時間28日の23時10分にスタートした芝1200mで行われるアルクオーツスプリントから。
昨年は当時8歳だったウインカーネリアンが逃げ粘って2着に食い込んだが、今年はルガルが意地を見せた。
国内で行われる高松宮記念ではなく、敢えてのドバイ遠征。しかも慣れない直線競馬という状況だったが、初のドバイ遠征となったルガルは500キロ以上の大きな馬体で堂々と本馬場入場を果たし、万全の状態でレースに挑んでいた。
真ん中寄りのゲートからのスタートとなったこのレース。
ルガルはゲートが開くとすぐに先行集団にとりついていくと、ラエッカ、ネイティブアプローチとともに前へ行った。
外から先行した地元ドバイのネイティブアプローチを見ながらのレースとなったが、残り400mを過ぎてからの直線での攻防は内側にいた1番人気馬、フランスのラザットが追い出しを開始する中でルガルもスパートを掛けると、大きな馬体を揺らしながら徐々にスピードを敢えてなんと先頭に。
残り200mを切ったところでルガルがわずかに先頭に立ち、後続を引き離しにかかる。
ラザットら、後方にいた馬たちが懸命に追い上げていくが、どの馬もルガルについていくことができず、金星を挙げるかと思われたが......敵はルガルの外にいたネイティブアプローチだった。
レース序盤を引っ張ったネイティブアプローチはここから二の脚を使い、もう一度脚を伸ばしていくと残り50mのところでルガルを捕らえて先頭に立つと、そのまま振り切ってゴールイン。
この2頭の競り合いの1馬身ほど後ろにいたラザットが3着に入るという内容だった。
勝ち馬から惜しくも半馬身ほど離れた2着に入ったのがルガル。
惜しくも勝つことはできなったが、好スタートを生かした粘りの競馬は今後に大きく生かされることだろう。
鞍上の鮫島克駿も「しっかり見直して、何が足りなかったのか研究して次につなげたい」とレース後にコメントしたように今後もこのコンビに注目したい。
この勢いのまま迎えたのがダートのスプリント王決定戦ともいえるドバイゴールデンシャヒーン。BCスプリント4着のアメリカンステージがリベンジを目指して出走した。
出走12頭中5頭がGⅠ馬という豪華なメンバーで迎えた一戦は、外からアメリカのダークサフロンと内にいたタズが先行争いを演じ、好スタートを決めたアメリカンステージはハナを切れずに4~5番手に付けるという状況で3コーナーに入ったが、あまりのハイペースからか直線に入るころにはすでに脚色がいっぱいになるという状態だった。
そうして迎えた直線。タズを振り切った昨年のこのレースの勝ち馬ダークサフロンが連覇を狙い、先頭に立っていくとこれを目掛けて追い込んできたのがBCスプリントを制した人気馬ベントルナート。
外から豪快に追い込んできたが、残り200mを切ったところで2馬身ほどのセーフティーリードを取っていたダークサフロンがそこからさらにひと伸びを見せるとそのままゴール。1分10秒68という好時計で逃げ切り見事に連覇を達成した。
それから数等ゴールした後に入線したのがアメリカンステージ。着順としてはシンガリの12着に終わるなど残念ながら不完全燃焼でレースを終えてしまった。
日付が変わり29日の0時35分にスタートしたのがドバイターフ。昨年はソウルラッシュに続いてガイアフォースが日本馬としての連覇を目指した。
出走馬の大半がGⅠ初出走というメンバーの中でスタート直後に逃げの手を打つことになったのが、なんとガイアフォースと坂井瑠星だった。
大外枠からのスタートから好ダッシュを見せたこのコンビが1馬身ほどのリードを保ってレースをリードするという意外な展開になると、エルナジム、フォートジョージらがこれを見てレースを進めて人気のオンブズマンは中団の6番手前後の位置に。
馬群はひと固まりのままで大きく動かずに、3コーナーを回って直線へ。
団子状態のままで先頭をキープしていたガイアフォースがもうひと伸びとばかりに追い出しに入ったが、残り300mを過ぎたところで外に持ち出していたオンブズマンのエンジンがかかり、ここで先頭にオンブズマンが立った。
そこからはオンブズマンのひとり舞台。あっという間に抜けていくと後続をジワジワと話していきそのままゴールへ。
ガイアフォースはそこから懸命に踏ん張るも末脚を生かしたヨーロッパ勢に飲み込まれてしまい6着に。好スタートを決めたことが仇になってしまった。
ここまで苦戦を強いられてきた日本馬たちがこの日最後に挑んだのがドバイワールドC。ここには世界最強ダートホース、サウジC連覇を果たしたフォーエバーヤングが昨年のリベンジを目指した。
断然の1番人気で挑んだこの一戦、フォーエバーヤングは好スタートを切るも最内枠からスタートしたアメリカのマグニチュードの逃げを見る形で2番手に付けて、3番手にタンバランバというポジショニングに。
最初のコーナーを回ったところでマグニチュードがコーナーワークを生かして1馬身ほどのリードを取っての単騎逃げとなった。
フォーエバーヤングはそのマグニチュードを見ながらのレースとなったが、ここまで重賞2連勝中と勢いに乗っていたマグニチュードのペースは落ちず、むしろ3コーナーから4コーナーに入るところでさらにギアを上げて後続を離す形に。
そこで置かれるようになった形のフォーエバーヤングが早めに仕掛けていく形で鞍上の坂井瑠星が手綱を動かしていき、最後の直線へと突入した。
迎えた直線は3馬身ほどのリードを保って逃げるマグニチュードを懸命に追いかけるフォーエバーヤングという構図に。
絶対王者として維持の追い込みを見せるフォーエバーヤングだったが、絶妙なペースで逃げてまだまだ余力十分なマグニチュードを捕らえることができず。気が付けばゴールまで残り100m。この時点で1馬身半ほどの差が付いていた。
そうして迎えたゴール。レース前は伏兵の扱いだったマグニチュードが歓喜の輪の中に包まれる形で先頭のままゴールへ飛び込むと、そのすぐ後ろにフォーエバーヤングが。
その差は1馬身もなく、マグニチュードから半馬身から1馬身ほど離されての2着に終わった。
フォーエバーヤングにとって今年のドバイワールドCは昨年3着からのリベンジを目指した一戦。
それだけにあまりに悔しい結果となったが......100点満点のレースをして勝利を目指したが、勝ち馬マグニチュードが一世一代、120点のパフォーマンスを見せたことに屈してしまった。
日本馬にとってあまりに悔しい結果で終わった今年のドバイWCデーだが、各馬の健闘を心から称えたい。
■文/福嶌弘