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2012年4月2日放送

親日国トルコ・日の丸沸騰プロジェクト

沸騰現場の経済学

常に変化・進化を続ける世界経済。「未来世紀ジパング」取材団は、変化の起きている“沸騰する現場”に直撃取材!日本ビジネスマンが見たことのない世界の今をレポートする。
そして、スタジオでは遠くに思える世界の現場と日本の繋がり、さらには日本の未来にどう影響があるのかを分かりやすく、かつ専門的に解説。

親日国トルコ・日の丸沸騰プロジェクト

"親日国"の代表格ともいえるのが、トルコだ。そのトルコで、ある日本人の姿を写した動画サイトに10万アクセスが殺到した。その日本人とは和歌山県串本町の町長。串本沖で1890年に遭難したトルコ軍艦「エルトゥールル号」の犠牲者の慰霊碑を100年以上たった今でも、月の命日に欠かさず清掃している姿がアップされ、大きな感動を呼んだのだ。そんな古くからのつながりを持つ、日本とトルコだが、今、大きなプロジェクトが現地で進んでいる。
それが、ボスポラス海峡トンネルだ。ヨーロッパ側とアジア側に分かれていて、橋2本だけでつながっているイスタンブールを太くつなぐ、トルコ悲願のトンネル建設プロジェクト。これを手がけているのが、日本の大成建設だ。その現場を取材。壮大なプロジェクトの全貌に迫る。
また、トルコと日本の共通項が、「地震国」、「資源小国」というところ。この分野で日本が培ってきた、「耐震技術」と「省エネ技術」が今、トルコで花を開こうとしている。

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放送内容詳細

世界最深!ボスポラス海峡トンネル

東ローマ帝国の首都コンスタンティノープル、その後オスマントルコの首都として繁栄を極めたイスタンブールは、ボスポラス海峡によって、アジア側とヨーロッパ側に分かれている。近年の経済発展は目覚しく、アジア側は住居地域として、マンションの建設ラッシュが起きている。しかし、オフィスが集中するヨーロッパ側に渡るには、橋が2本しかない。当然、毎朝晩、渋滞が深刻だ。そこで、今、進行しているのが、「ボスポラス海峡横断鉄道トンネル」。海底トンネルを作って、地下鉄を通す計画だ。このトンネル建設に当たっているのが、大成建設。坑道の入り口には、「地図に残る仕事」という標語が掲げられていた。このトンネル建設は、苦難の連続。ボスポラス海峡は深度60メートルで、世界最深のトンネルとなるのだ。ここで海底に作られたのが、「沈埋トンネル」というもの。掘るのではなく、「トンネル管」を海底置くのだ。海流が激しい海峡で、精緻な作業が繰り返された。

震災でもびくともしなかった「日本の奇跡の住宅」

日本とトルコの共通項が、「地震国」であり、「資源小国」であることだ。去年、東日本大震災の半年後に、トルコでも大地震があり、約1000人が犠牲になった。その被災地、ヴァンに行くと、東北の光景と同じように、被災者たちが仮設住宅で暮らしていた。そこで、「日本の奇跡の住宅」が話題となっていた。ビルが崩れ落ち、廃墟となった地区で、たった1棟だけ、びくともせずに残ったマンションがあった。それが、日本の建設会社の耐震技術を使ったものだったのだ。
地震国トルコで、称賛される日本の耐震技術。日本のIHIは、ボスポラス大橋をはじめとしたイスタンブールの橋の補強工事を請け負う。さらに、世界第4位の長さとなる、新たな大橋「イズミット大橋」建設プロジェクトも、中国、韓国との受注合戦を制して落札した。
「省エネ」も、日本企業にとっては大きな武器だ。空調メーカーのダイキンは、去年、トルコの地場メーカーを買収した。建設ラッシュに沸くトルコ市場で、足場を確保したのだ。これまでは高級機だけだったが、今後は普及機の勝負が始まる。その大きな武器が、「インバーター」。資源純輸入国のトルコは、ガソリン代や電気代が驚くほど高い。省エネの盛んな日本では当たり前のインバーターだが、トルコではまだまだこれから…。可能性が広がる。

NAVIGATOR

畑中美樹(国際開発センター エネルギー環境室研究顧問)

1950年東京都生れ。慶應義塾大学経済学部卒業。富士銀行、中東経済研究所カイロ事務所長、国際経済研究所、国際開発センター エネルギー・環境室長などを経て現職。ジェイ・エル・エナジー代表取締役も務める。中東・北アフリカ地域で豊富な人的ネットワークを有する。著書に『「イスラムマネー」がわかると経済の動きが読めてくる!』(すばる舎,2010年)『中東のクール・ジャパニーズ』(同友館,2009年)『中東湾岸ビジネス最新事情』(同友館,2009年)などがある。

【WEB限定】未来世紀ジパング 特別編

未来予測

すべての道はイスタンブールに通ず

トルコは、ヨーロッパ、中央アジア、中東、北アフリカと、経済的に非常に結びつきが深い。加えて、地政学上の重要な場所に位置している。東ローマ帝国、オスマン帝国時代に、物流のハブだったトルコ・イスタンブールが、いまや新しいハブとして生き返ってきているわけだ。
「一粒で4度おいしい」と言える。
つまり、これからトルコを拠点に、4つの大市場が見えてくるのだ。1つ目は、トルコ市場。そして第2が、関税同盟を組むEU。トルコで生産したものを安くヨーロッパに出せる。3つ目は、中央アジア・コーカサス市場。中央アジアにはトルコ民族がたくさんいて、言葉も近くコミュニケーションが楽なのだ。そして第4が、中東市場。やはりイスラム教という共通項があるので、ビジネスをする上では優位に立てる。
日本の企業は、トルコを通じることによって、日本の企業が、なかなか直接出て行けないようなリスクの高い国、例えばイラクのような所に行くことも可能になるだろう。

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