バックナンバー

2012年9月24日放送

"魔の三角地帯"が中国の経済特区に

沸騰現場の経済学

常に変化・進化を続ける世界経済。「未来世紀ジパング」取材団は、変化の起きている“沸騰する現場”に直撃取材!日本ビジネスマンが見たことのない世界の今をレポートする。
そして、スタジオでは遠くに思える世界の現場と日本の繋がり、さらには日本の未来にどう影響があるのかを分かりやすく、かつ専門的に解説。

放送を見逃した方はこちらから!最新の放送回をまるごと配信中! テレビ東京 ビジネス オンデマンド

2015年にASEAN経済共同体(AEC)の設立を目指し、経済が活発化するASEAN諸国。沿海部の成長ぶりは知られているが、ジャングルが広がるインドシナ半島中央部は、かつて "魔のゴールデントライアングル"と呼ばれる世界最大の大麻の産地だった。国際指名手配された麻薬王・クンサーが支配し、世界中に恐れられた地域だったが...そこが今、知られざる経済発展を遂げていた!その背景にあるのが、半島を縦に貫く「南北経済回廊」の開通。そして、その南北回廊で圧倒的な存在感を見せるのが、中国勢だ。タイとラオスにかかる橋を作っているのは、なぜか中国の建設会社、労働者も全員中国人だ。南北回廊沿いでは、小さな商店であっても人民元が通用する。なかでも注目すべきは、"金三角経済特区"。かつてのゴールデントライアングルの中心地で、中国がラオス政府から99年租借で作った経済特区。まるで中国本土さながら、人民元が流通していることはもちろん、看板も話される言語もみな中国語、中国の携帯電波まで入るという。さらには、宮殿のような外観をした巨大カジノまで出現。
そんな中国勢の牙城に、果敢に挑む日本人がいた...。

  • 次回予告画像1
  • 日経スペシャル 未来世紀ジパング(FUTURE CENTURY ZIPANGU) 放送を見逃した方は… テレビ東京 ビジネス オンデマンド 最大1か月無料!詳しくはこちら

放送内容詳細

潜入!金三角経済特区 

メコン川をはさみ、タイ・ラオス・ミャンマーの国境が交わる中心地に、最近、中国人がとんでもないものを作り出した。それはラオス領内に現れた「金三角経済特区」。
金三角とはゴールデントライアングルの事だ。タイの人に話を聞くと「あそこは危ない。
お金がなくなった人が川に落とされているのを見たことがある」という。
一体どうなっているのか?ジパングのカメラが潜入すると、白亜の宮殿で大勢の中国人富裕層が中国で禁止されているカジノを楽しんでいた。勝った人のための宝飾店には国際取引が禁止されている象牙があり、オオトカゲや巨大ネズミなどの珍獣を食するレストランもあるなど、異様な雰囲気の世界。来年には競馬場やスパリゾート、国際空港も誕生するという。客はもちろん、中国内陸から南北回廊を使ってやってくる中国人富裕層だ。
中国の投資家がラオス政府から99年間土地を租借して作った特区はまさに中国人の楽園。
主要通貨は人民元、携帯電話の電波も中国の通信会社が飛ばし、中国公安の姿もあった。
特区トップのインタビュー記事によると、金三角経済特区は、国防・外交・司法権以外はすべて、中国側に自治権と開発権があるというのだ。南北回廊を足場に、中国の東南アジアにおける影響力は高まるばかり。その極めつけの形がこの金三角経済特区なのだ。

未知なる経済沸騰ロードに挑む日本人

中国が圧倒的な影響力を持つ南北回廊。そこに挑む、ひとりの日本人がいた。
国際物流ルート開拓のプロ、双日ロジスティクスの片山光輝さんだ。
片山さんは、東南アジアで最も日系企業が集積するバンコクと中国内陸部の都市(重慶や成都など)を結ぶ「南北回廊物流ルート」の開拓に乗り出した。
従来、バンコクで作られた製品を中国内陸部に運ぶ場合、海上輸送で中国沿岸部から大回りで運んでいた。もし南北回廊ルートを切り開くことができれば、大幅なコスト削減と日数短縮につながる。しかし、南北回廊はこれまで日系の物流企業が入っていないため、道路状況について全く情報がなかった。
そこで片山さんは、バンコク-中国昆明間の道路の実地調査に向かった。
メコン川には橋がなくてトラックが大渋滞、ラオスの山道ではタンクローリーが横転、スコール後は土砂崩れが頻発するなど、多くの困難が待ち受けていた。
しかし、中国に入ると一変、国際標準レベルまで整備された道路が登場。
今後、中国の手で道が整備されていけば可能性はあると確信し、双日ロジスティクスは社の方針として、南北回廊物流の開拓を進めていく事を決定した。

NAVIGATOR

後藤康浩(日本経済新聞社 編集委員)

沸騰ナビゲーターとして6回目の登場。1984年日本経済新聞社入社。バーレーン駐在、欧州総局(ロンドン)駐在、東京本社産業部、北京駐在、論説委員兼編集委員、アジア部長を経て、現在、日本経済新聞社編集企画センター兼アジア部編集委員。 <主な著書>『勝つ工場』、『アジア力』。近著に、『資源・食糧・エネルギーが変える世界』(いずれも日本経済新聞社)。

【WEB限定】未来世紀ジパング 特別編

未来予測

魔のトライアングルから輝くダイヤモンドへ

中国の南下戦略にとって一番重要な道になっている南北回廊。そこを通ってお金と人が押し寄せ、発展するゴールデントライアングル。実はこの地域には、もう一つ、重要な道路がある。日本が中心となって建設した、東西回廊だ。ミャンマーのモーラミャインとベトナムのダナン、この両方の港町を結ぶ自動車専用道だ。そして、縦の南北回廊と横の東西回廊でできる4つの重要都市を結ぶと、ダイヤモンドの形になるのだ。この地域の経済がこのダイヤモンドによって活性化していく。メコン川流域地域には天然ガス、水力発電とか未開発の資源が多く、さらに、人件費と豊富な労働力もある。これから、この地域は生産拠点そして消費市場として沸騰していくだろう。それを期待して日本と中国が進出してきている、まさに日本vs中国の舞台になってきているのだ。
さらに、東西、南北の道路網の整備は日中両国の思惑以上の大きな効果を地域にもたらそうとしている。新たな産業集積だ。中国は一人あたり国内総生産(GDP)が5400ドルに達し、アジアでは人件費が高い国の一角に入った。工場労働者の賃金でみれば、タイとほぼ同等、ベトナムの2.5倍、ラオスの3倍、ミャンマー、カンボジアの4倍といった水準だ。結果として、労働集約型産業の工場は中国を逃げ出し、インドシナ半島に移転する動きが加速している。ゴールデン・トライアングルをヘソとする地域が世界の産業では沸騰地帯になろうとしているのだ。

バックナンバー

ご注意下さい

最近、「未来世紀ジパング」に出演できると持ちかけて、多額の金銭を要求する業者があるとの情報が寄せられました。
「未来世紀ジパング」を始めとした報道番組が、取材対象者から金銭を受け取って番組を制作することはありませんので、ご注意ください。当社では、あくまで報道番組の視点から番組が独自に取材対象の選定にあたっています。
不審な働きかけがあった場合には、テレビ東京までご連絡ください。