総力取材!世界の沸騰現場から...日本の未来が見える
- NAVIGATOR
- 鎌田靖
2013年4月22日放送
常に変化・進化を続ける世界経済。「未来世紀ジパング」取材団は、変化の起きている“沸騰する現場”に直撃取材!日本ビジネスマンが見たことのない世界の今をレポートする。
そして、スタジオでは遠くに思える世界の現場と日本の繋がり、さらには日本の未来にどう影響があるのかを分かりやすく、かつ専門的に解説。
黄砂が中国から飛来する季節。どうしても気になるのは、そこにあの物質が含まれているかどうかだ。微小粒子状物質『PM2.5』。番組では、北京と東京で、同じ掃除機の吸引口にガーゼを括り付け、20分間吸引するという実験を試みた。すると...北京は真っ黒に。この大気汚染物質の大きな元凶は、"石炭"だ。日本では、過去のエネルギー資源といったイメージが強いが、中国は、世界一の石炭消費大国。しかも、この10年で2倍に増えている。その石炭の驚くべき現場をジパング取材班が直撃した。果たして、今後、日本への影響はどうなるのか?
製鉄の街_続く大気汚染
石炭を最も大量に使用するのが、火力発電所。中国では、いまだに発電に使うエネルギー資源の8割が石炭なのだ。その排煙で曇る中国某省。そこでは、何とSL=蒸気機関車が黙々と蒸気を放ちながら、今も現役で走っていた。そして貨車には、発電所で使用済みとなった石炭の灰を満載。そのSLの行き先を追跡すると…町外れの何も無い土地で、すべて廃棄していた。黙々と舞い上がる石炭の灰。しばらくすると、あたりは真っ暗になってしまった。
今でも現役で走るSL
毎年2億トンずつ増える、中国の石炭使用量。そんなに多くの石炭はどこで採掘されているのか?中国有数の石炭産出量を誇る寧夏回族自治区。幹線道路では、幌やビニールシートで覆うこともせず、むき出しの石炭を満載したトラックが、排ガスをもうもうと上げながら行き交っていた。そんな“石炭の都”に、中国最大級の「露天炭坑」がある。炭坑は中国エネルギーの生命線。通常、外国人には一切公開しないが、今回、特別に入る事が許された。
寧夏回族自治区賀欄山_炭坑へ続く道
大気・水・土壌、過去最悪の環境汚染が続く中国が、頼みとしているのが日本の
環境技術だ。新日鉄住金エンジニアリングの現地法人、BE3の中馬総経理は今、
新日鉄の前身である八幡製鉄所で生まれた環境技術を中国に売るため、全土を飛び回っている。かつて八幡製鉄所は、北九州市の大気を汚染し、「死の街」と言わしめた元凶。そこで生まれたCDQと呼ばれるシステムが今、中国の製鉄所で売れに売れているのだ。製鉄所は、火力発電所と並ぶ大気汚染の大元。CDQはコークス炉から出る有害な煙をシャットアウトし、発電まで出来てしまうという一石二鳥の技術。中馬さんに密着すると、未来の50兆円市場、中国環境ビジネスの可能性が見えて来た。
製鉄所プラントにて
沸騰ナビゲーターとして10回目の登場。1984年日本経済新聞社入社。バーレーン駐在、欧州総局(ロンドン)駐在、東京本社産業部、北京駐在、論説委員兼編集委員、アジア部長を経て、現在、日本経済新聞社編集企画センター兼アジア部編集委員。 <主な著書>『勝つ工場』、『アジア力』、『資源・食糧・エネルギーが変える世界』(いずれも日本経済新聞社)。
中国は10年先も、まだまだ経済成長を続ける。そのためには、莫大なエネルギー消費の増加があると予測出来る。それを賄うのはやはり石炭だ。消費量は2030年に、現在の約1.5倍まで増えるというデータもある。石炭の消費が増えれば、環境汚染は深刻化する。つまり、中国が環境を犠牲にして経済成長を続けることをやめて、今の経済成長至上主義を改めないと環境問題は解決しない。残念ながら日本への越境汚染という問題も、今後10年では簡単には解決しないだろう。
ただ、中国は今、環境汚染を止める方向へ緩やかに動き始めている。昨年発足した習近平体制は、「美麗中国」をスローガンに掲げた。これから環境対策に、巨額の資金をつぎ込むとされる。日本の環境省の試算によると、その市場規模は、2030年に42兆円になるという。そこはビジネスチャンスにもなるし、その分だけ中国の環境には良い効果があると期待したい。
最近、「未来世紀ジパング」に出演できると持ちかけて、多額の金銭を要求する業者があるとの情報が寄せられました。
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