総力取材!世界の沸騰現場から...日本の未来が見える
- NAVIGATOR
- 鎌田靖
2014年8月25日放送
常に変化・進化を続ける世界経済。「未来世紀ジパング」取材団は、変化の起きている“沸騰する現場”に直撃取材!日本ビジネスマンが見たことのない世界の今をレポートする。
そして、スタジオでは遠くに思える世界の現場と日本の繋がり、さらには日本の未来にどう影響があるのかを分かりやすく、かつ専門的に解説。
いま、コーヒー豆の争奪戦が起こっている。中国をはじめとする新興国で愛飲されるようになったことが大きな要因だが、日本のコーヒーブームもその一因。取材班は、いま大ヒットしているセブン-イレブンの100円コーヒーの豆を確保するため、ブラジルで奔走する商社マンに密着する。果たして安定調達できるのか?一方、インドネシアで「幻のコーヒー」と呼ばれたトラジャコーヒー。長年の歳月をかけて、これを復活させたのが、日本のキーコーヒーだった。
今、売れに売れているコンビニコーヒー、中でもセブン-イレブンの100円コーヒーは、去年の発売以来、1年で4億5千万杯を売り上げる爆発的ヒットとなっている。ヒットの理由はドリップ式。100円という低価格ながら、その場で機械がドリップしてくれる。もちろん、豆にもこだわっている。その豆を追いかけてたどり着いたのは、世界一のコーヒー大国ブラジルだった。そこでは、日本の大手商社・三井物産がコーヒー専門の会社を作り、想像を絶する厳しさでコーヒーをチェックしていた。さらに、良い豆を安く手に入れるため、コーヒー豆のブローカーとの丁々発止の売り買いが行われていた。
コーヒーを厳しくチェックするブラジルの鑑定士たち
さらに三井物産がブラジルでコーヒーを確保するための秘策があった。それは、巨大農場との専属契約だ。日系二世フクダさんのコーヒー農場は1000ヘクタール、なんと東京ドーム200個分の広さを持つ。30年前、30ヘクタールで始めた農場が今や1000ヘクタールにまで広がった陰に、フクダさんと三井物産の固い絆があった。三井物産は、熟したコーヒーの実が簡単に取れる“収穫マシン”や、乾季でも人工的に水と肥料を与えるパイプを張り巡らせるなど、フクダさんに技術面で協力していたのだ。
日系二世フクダさんと三井物産の及川さん
インドネシア・スラウェシ島の町の中心から車で8時間もかかる秘境にトラジャ族という少数民族が暮らしている。そこに、「幻のコーヒー」と呼ばれるコーヒーがある。その名はトアルコトラジャ・コーヒー。トラジャ族の人たちが、一粒一粒コーヒー豆を丁寧に手で摘む、最高級コーヒーだ。第二次世界大戦以前、インドネシアはオランダ領でトラジャコーヒーはオランダ王室御用達の逸品だった。ところが戦争が終わり、オランダ人が引き上げると、農場は荒れ果て、いつしか「幻のコーヒー」に…。そんなコーヒーを復活させたのは、なんと日本人だった。キーコーヒーの大木さん、当時の副社長だ。「幻のコーヒー」を復活させるために、道路や橋などのインフラ整備から、近代的な栽培技術までをトラジャ族に手取り足取り教えていった。そうやって、「幻のコーヒー」は復活したのだ。
トラジャ族の人々
1960年生まれ。1985年早稲田大学政治経済学部卒、日本経済新聞入社。
1997年欧州総局(ロンドン)駐在特派員、2000年東京本社編集局証券部次長、
2005年日経金融新聞副編集長を経て、2013年より編集委員兼マネー&インベスター(M&I)面編集長。<主な著書>『欧州単一通貨ユーロ』『銀行再編淘汰の時代』(いずれも日本経済新聞社刊、共著)など。
日本はブラジルやインドネシアなどでコーヒー生産者と共生しながら、生産現場を変えてきた。そんな日本、実は「コーヒーの飲み方」を変える力を持っている。例えば、缶コーヒーやコンビニコーヒーなども日本が独自に生み出した新しい飲み方だ。さらに「喫茶店」、注文を受けてからコーヒーを一杯ずつドリップする喫茶店は、まさに日本独自の文化と言える。そんな「喫茶店」が今、アメリカでブームになっている。その名は「ブルーボトルコーヒー」。作ったのはアメリカ人だが、日本の喫茶店に入った経験を参考にしたという。
このように日本は様々なコーヒーの飲み方を提案している。こうして新たな飲み方を広めることで、世界のコーヒー市場がより一層活性化し、コーヒー農家の生活に還元される。そんな良い循環が今後生まれるだろうと鈴木は言う。
最近、「未来世紀ジパング」に出演できると持ちかけて、多額の金銭を要求する業者があるとの情報が寄せられました。
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