総力取材!世界の沸騰現場から...日本の未来が見える
- NAVIGATOR
- 鎌田靖
2015年3月9日放送
常に変化・進化を続ける世界経済。「未来世紀ジパング」取材団は、変化の起きている“沸騰する現場”に直撃取材!日本ビジネスマンが見たことのない世界の今をレポートする。
そして、スタジオでは遠くに思える世界の現場と日本の繋がり、さらには日本の未来にどう影響があるのかを分かりやすく、かつ専門的に解説。
2月中旬、オーストラリアの象徴・オペラハウスが真っ赤にライトアップされた。中国の旧正月を祝ってのものだった。実はいま、オーストラリアで中国の攻勢が続く。不動産を買い占め、「孔子学院」という中国語や文化を学ぶ学校が人気なのだ。いっぽう、80年代以来の関係を続ける日本勢は「食と住」で深く浸透、中国に負けてはいない。サッカーアジア杯で優勝するなど、かつての白豪主義からアジアへとシフトするオーストラリアで日本vs中国を見ていく。
2月、オーストラリアに大挙してやってくる人たちがいた。中国人だ。中国は2月中旬から“春節”いわゆる旧正月、その波がオーストラリアにも押し寄せていた。シドニーのホテルはこの時期、稼働率ほぼ100%近いという。大手ホテルでは、中国人をもてなす方法をみなで勉強していた。さらに驚くべきはシドニーの象徴、オペラハウスを赤い中国カラーに染めてしまうほどの歓迎ぶり、なぜここまでするのか…
光る兵馬俑(へいばよう)に中国人観光客が大喜び
オーストラリアは不動産バブル。メルボルン郊外の静かな住宅地で、ある光景に出合う。売り家の庭先で人だかりが…なんと青空オークションで家を売っているという。これがオーストラリアでは当たり前の光景、購入希望者はオークションに参加して、競り落とさなければならないのだ。購入希望者が次々入札していくが、落札するのはたいてい中国人、しかも投資目的だという。オークションを仕切る不動産担当者は言う。「最後に競うのは、たいてい中国人同士だよ」。不動産だけではない。オーストラリアで勢いを増す中国のソフトパワー戦略とは?
青空オークション
日本も負けてはいない。いまオーストラリアで沸騰しているのが日本酒。その仕掛け人のひとりが、「酒サムライ」と呼ばれるオーストラリア人だ。日本酒への思いが高じて、メルボルンに日本酒バーを開店した日本酒通のアンドレさん。日本酒に興味を持つ地元の人たちを集めて講義し、日本人顔負けの知識を披露、みな興味津々だ。さらに地元のレストランを訪ね、日本でもあまり知られていない日本酒をアピールしていた。
レストランのシェフに日本酒を紹介するアンドレさん
オーストラリアで沸騰しているのは日本酒だけでない。シドニー郊外の広大な敷地で宅地開発が行われていた。これを手がけるのが、ハウスメーカー積水ハウス。500億円の巨大プロジェクトが動き出していた。積水ハウスの売りは日本古来の技術、その名も「木造軸組構法」、プレハブ住宅の手法を使った木造住宅だ。さらに、シドニー中心部に奇妙なデザインの建物が出現。最先端の省エネ技術を生かした画期的なビルを積水ハウスが開発していた。
積水ハウスがつくった画期的なビル
未来世紀ジパングでは中国・韓国をはじめアジア各国を担当し、現地取材を敢行する「アジアの後藤」。1984年日本経済新聞社入社。北京駐在、論説委員兼編集委員、アジア部長などを経て、 現在、日本経済新聞社編集企画センター兼アジア部編集委員。
<主な著書>『ネクスト・アジア』、『資源・食糧・エネルギーが変える世界』
(いずれも日本経済新聞社)。
今、中国のオーストラリアに対する投資には勢いがありブームにもなっている。
しかし、中国経済の陰りが見え始め、いつまで続くかわからない状態だ。
一方、日本も1980年代、オーストラリアへ投資をしたが、それ以降も30年以上に渡り関係を築き上げてきた、「成熟した関係」である。
そんな日本とオーストラリアの関係を象徴するモノが天然ガスだ。
数年後、オーストラリアは天然ガスの輸出で世界一になると言われている。
その天然ガスを巡る日本とオーストラリアの巨大プロジェクト「イクシスLNGプロジェクト」が、1980年代から始まっていた。
最大のポイントは天然ガスの生産から、出荷・販売まで一貫して日本企業が手がけることだ。来年、2016年から生産を開始する予定である。
こうしたプロジェクトが今後も大きな成果として現れて行けば、両国の関係をより強固なものにしていくだろう。
最近、「未来世紀ジパング」に出演できると持ちかけて、多額の金銭を要求する業者があるとの情報が寄せられました。
「未来世紀ジパング」を始めとした報道番組が、取材対象者から金銭を受け取って番組を制作することはありませんので、ご注意ください。当社では、あくまで報道番組の視点から番組が独自に取材対象の選定にあたっています。
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