★カリスマバイヤーが社長に挑む
藤巻社長は伊勢丹時代、若手デザイナーのブランドを集めた「解放区」コーナーや生活提案型コーナー「BPQC」などのヒット売り場を手掛け実績を上げていた。売れるモノ、売れる売り方を知り尽くした小売のプロだ。しかし経営者としては経験が全くない。それでもファンドのスカウトを受け、福助再生に飛び込んだ。
新人社長・藤巻氏をサポートするのは、再生のプロである企業再生ファンド「MKSパートナーズ」の川島隆明代表取締役だ。川島氏は福助の会長に就任し、二人三脚で再生に取り組む。
破たんで自信を失い沈む社員たち、コミュニケーションが少なくバラバラになった組織をいかに再生させるのか、新人社長の奮闘が始まった。
★「福助」に自信を持て!
旧福助が生産してきた商品はほとんどが有名ブランドのライセンス商品。「バーバリー」や「フィラ」などブランドの下請けメーカーになり下がっていた。自社ブランドの開発に挑戦しないうちに、その力も無くなってしまっていた。
そんな中、藤巻社長が最初に取り組んだのは「福助ブランド」の開発。創業以来122年、福助は足袋以外の商品には社名を付けたことがなかった。「福助の名前にブランド力はない」と言い切る社員たちを、藤巻社長は「人形で知られているだけの福助をファッションブランドにしよう」と説得し、靴下、ストッキング、肌着の開発に乗り出した。
客が求める靴下はどんなものなのか?紳士靴下の売れ筋は黒・紺・グレーの無地。購入単価は1足平均365円と、この10年で150円も下がりデフレは続いている。しかし、藤巻社長があえて社員に求めたのは高級靴下。2,000円でもいい、3,000円でもいい、いい靴下なら買ってもらえる。「福助のイメージをアップするようないい靴下を作れ!」、藤巻社長は社員にハッパをかける。
本当に2000円の靴下は客に受け入れられるのか。小売のプロ・藤巻社長の客を見る目は本物なのか。藤巻社長がリードするデザイン、商談、百貨店デビューを追う。
|
|