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2017.12.26

張本智和、「有終の美」に見た今シーズンの進化

張本智和 Photo:Itaru Chiba

 生まれ故郷の仙台で見事、「世界卓球2018スウェーデン(団体)」日本代表入りを果たした張本智和(JOCエリートアカデミー)は、今年の締めくくりに大きな勝利を手にして、「有終の美を飾ることができて良かった」と自身を評した。

 決勝の相手は昨年の同選考会で負けた大島祐哉(木下グループ)だった。大島は現在、男子シングルス世界ランク25位。対する張本は同17位と一見、張本の方が格上だが、大島には中国人選手をしのぐともいわれる強烈なフォアハンドがあり、ロングラリーに持ち込まれれば大島に分があるという見方もあった。

 実際、試合が始まってみると、第1ゲームは大島の気迫あふれる強打が炸裂。お互い1点を奪い合う激しい攻防の末、先に大島が10-8でゲームポイントを握った。だがそこから張本が4連続ポイントで逆転。第2ゲームは大島が奪い返したものの、第3、4ゲームを張本が制し、ゲームカウント3-1(世界卓球団体と同じ5ゲームマッチ)で張本に軍配が上がった。

張本智和 Photo:Itaru Chiba


世界のトップ選手に惜敗した経験が糧に

「2ゲーム目を取られて心が折れそうになった」と話す張本が勝ちきれた理由は何だったのか?

 一番には世界のトップ選手を相手に幾度も競り合って負けたワールドツアーの経験があるようだ。今シーズンの張本は世界卓球2017ドイツ(5月29日~6月5日)の史上最年少ベスト8入りをきっかけに調子を上げ、8月のチェコオープン男子シングルスでツアー史上最年少で初優勝。しかし、シーズン後半は強敵中国の世界ランク4位の許シンや、同3位のオフチャロフ(ドイツ)らを相手にフルゲームまでいくものの、あと一歩のところで惜敗する悔しい試合が続いていた。その度に涙し、「いい試合をしたと言われても勝たなければ意味がない」と唇を噛み締めたあの苦い経験が、競り合いの場面で先に1本を取れる強い精神力につながったのだ。本人も「山あり谷ありの一年でしたけど、ここに来てやっと耐えた結果が実った」と安堵の表情を浮かべていた。

 世界卓球2018スウェーデンの男子代表は、日本卓球協会が定める選考基準によって現在、世界ランク日本人1位の水谷隼(木下グループ)、2017年シーズンの主要国際大会で世界ランク3位以内の中国人選手に1回以上勝った丹羽孝希(スヴェンソン)、そして今回の代表最終選考回で優勝した張本が内定している。残りはあと2枠。1人は年明けに控えた全日本選手権(2018年1月15~21日)の優勝者、もう1人は2017年の主要国際大会で世界ランク30位以内の日本人に6回以上勝った選手の中から選ばれる。なお該当選手がいない場合には日本卓球協会本部推薦となる。引き続き熾烈な代表争いから目が離せない。

(文=高樹ミナ)

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