カンブリア宮殿

村上龍 × 経済人

10001054

テレビ東京系にて放送中

2008825日放送

「レアメタル争奪戦 資源を確保せよ!
"宝の山"を掘り当てる山師」

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アドバンスト マテリアル ジャパン 社長
中村 繁夫(なかむら・しげお)

薄型テレビや自動車、ビール缶、軍事兵器まで、我々が日常的に使うあらゆる製品になくてはならない物質がある。「産業のビタミン」と呼ばれるレアメタル=希少金属だ。資源小国の日本は、レアメタルを中国やロシアなど海外から輸入しているが、新興国の経済成長にともなう需要拡大で価格が高騰。世界的に「レアメタルパニック」が起こっている。
ここに世界中を飛び回り、レアメタルを買いあさる日本人がいる。レアメタル専門商社、アドバンストマテリアルジャパンの中村繁夫社長だ。信条は「人より先に行く、探す、見つける」。中央アジアの奥地やアフリカ、南米など、レアメタルがある場所とあれば世界中どこでも急行。粘り強い交渉で狙いの鉱物を大量に買い付ける。「リスクがあっても信じてやれ。いまの日本人には冒険精神が足りない」と力説する。

誰でもわかる「レアメタル」
ハイテク機器に使用され現代の生活に欠かせないレアメタル。日本は世界のレアメタルの25%を使う世界一の消費国だが、そのほとんどを海外からの輸入に頼っている。日本政府は緊急時などに備え、茨城県高萩市にレアメタルの国家備蓄倉庫を備えている。ニッケル、クロム、タングステン、コバルト、モリブデンなどが3万7000平方メートルに眠る。

中国依存を脱せよ
年々、調達が厳しくなるレアメタル。最大の供給国である中国は、価格の吊り上げや輸出規制などで、日本への供給を絞り始めた。右往左往する日本企業を尻目に、中村は「資源をコントロールできるのは日本人だ」と自信をみせる。打つ手は明快。モンゴルなど周辺国からアメリカ、カナダまで、中国以外の国々を渡り歩き、タフネゴで目当ての鉱物を確実に見つけ出す。日本人拉致事件が起こったキルギスでは、陸路数時間かけて山奥の鉱山に分け入り、実際の採掘現場を目撃。ラスベガス鋼材では、中国以外で世界一というレアアース(希土類)の工場に足を運ぶ。モンゴルとの交渉は最終段階。成功すれば日本企業としては初めての取引となる。

日本は「資源大国」!?
レアメタルとはいえ、金属が地球上から消えたわけではない。実は、地下から地上に在りかを変えただけなのだ。たとえば、携帯電話には金、銀、ニッケル、タングステン、パラジウムが0.8グラム使われている。同量の鉱石から取り出せるレアメタルより多い。日本国内に眠るインジウムの量は、世界の現有埋蔵量の61%を占めると推計される。見方によっては、日本は「世界有数の資源国」とも言える。パソコン、テレビ、携帯電話など、古くなった電気製品を分解してレアメタルを抽出するリサイクルも活発になってきた。これら都市に"埋蔵 "されているレアメタルなどは「都市鉱山」と呼ばれ、新たな資源として注目を集める。

社長の金言

「KY」は個性を否定する

右手に算盤、左手に浪漫、背中に我慢

地球全体で発想せよ

RYU'S EYE

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座右の銘

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JMM Japan Mail Media 編集長 村上龍

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