放送内容詳細
地球を歩いたノウハウでヒット本を連発!
「地球の歩き方」は1979年創刊の老舗海外ガイドブック。世界160の国と地域に対応し、旅行者たちに頼りにされてきた。それまでのガイドブックは、観光スポットの紹介がメインだったが、「地球の歩き方」は地元の交通網情報、現地のマナーなど「手段」にも重点を置き、小さな島の飛行機のフライトスケジュールや現地の独特の風習など圧倒的な情報量で信頼を得てきた。出版不況でも順調に売り上げを伸ばしていた「地球の歩き方」だが、コロナ禍で海外旅行者が激減すると、売り上げは95%減と壊滅的ダメージを受ける。その流れで「地球の歩き方」はダイヤモンド・ビッグ社から学研グループに譲渡され、「株式会社 地球の歩き方」として再スタートを切る。その新会社の社長となったのが学研HD出身の新井邦弘。新井は就任すると海外に特化した「地球の歩き方」の国内版も発行。「東京」「東京多摩地域」「北海道」版などを次々に出版すると、シリーズ累計53万部の大ヒットを記録。海外版同様、売れ筋ネタは追求せず、地域特有の伝統や文化の情報に重きを置く。さらに旅行以外に目を向けたのが「地球の歩き方 図鑑シリーズ」。これまで蓄積された膨大な情報から「世界の墓」「世界の巨像」などテーマを絞った本作りが話題を呼んでいる。そして、本以外の分野にも新たに進出。コンビニとタッグを組んでグミを発売したり、ガシャポンでは実物の約16分の1サイズの豆本「地球の歩き方」を発売など、本にこだわらない挑戦に密着する。
元バックパッカー社長が挑んだ逆転戦略
新井社長は学生時代、バックパッカーとして世界各国を放浪。「地球の歩き方」は欠かすことができない必需品だった。学習研究社(現 学研HD)に入社後の配属先はミステリー雑誌「ムー」編集部。それはUFOや超能力など世界の不可思議な事象を紹介するマニア向けの雑誌だった。その後、グローバル戦略室長に就任など、出世の道を歩む中、突然転機が…それは事業譲渡され新会社として設立する「地球の歩き方」初代社長への打診。学生時代お世話になった本を担当できると新井は社員たちとこれまでにない本作りに動き出す。社員の声に耳を傾け、好きなことや興味があることには、どんどん企画を出させモチベーションアップに繋げた。そして、復活への起爆剤となったのが新井がかつて担当した「ムー」。ミステリー現象と旅を掛けあわせ、両方のこだわりを詰め込んだコラボ本を制作。「地球の歩き方 ムー」は発売前から問い合わせが殺到し13万部の大ヒット。アマゾンの部門別ランキングで1位にも輝いた。その成功が社員たちを勇気づけ、地球の歩き方に新たな価値を見出したのだ。
書籍以外で「地球の歩き方」!ブランドを活かす新展開
大ヒットを連発し売り上げを回復させた地球の歩き方は2022年から海外取材が再開されていく。ハワイの改訂版の取材では1軒1軒探っていくと、約100軒の変更を余儀なくされた。観光ルールも変わり、コロナ前では予約なしで行けたトレッキングスポットなどを取材すると予約制になったことがわかった。
ゲストプロフィール
新井 邦弘
- 1965年埼玉県生まれ
- 1990年東京都立大学卒業後、学習研究社入社
月刊ムー、歴史群像など雑誌編集に従事 - 2015年学研HD グローバル戦略室長就任
- 2020年地球の歩き方 代表取締役に就任
企業プロフィール
- 会社名:地球の歩き方
- 住 所:東京都品川区西五反田2-11-8
- 設 立:2020年
- 従業員:34名
- 売上高:15.6億円(2022年9月期)
村上龍の
編集
後記
1979年創刊の海外ガイドブック。「地球の」というタイトルがまずユニークで、作っている人の自負を感じる。「世界の歩き方」ではない。「地球という惑星」の歩き方なのだ。表紙のイラストは今も続いているらしいが、独特の世界観を示している。イラストに登場する人々に顔がない。目や鼻がなく、「主人公はあなた」ということを言っているのだと思う。新井さんは、コロナ収束後も見越して「子育てで旅行へ行きづらい夫婦や、海外へ出られない高齢者にも寄り添う本」を目指した。ヒットしている。


















