社長の金言
権限移譲は部下との信頼関係で成り立つ
放送内容詳細
躍進を支える“権限委譲”の文化
今年3月にオープンしたMEGAドン・キホーテ成増店。都内最大級の売り場面積を誇り、日用品から生鮮食品までなんでも揃う巨大店舗だ。実はこの店、元々総合スーパー・ダイエーの閉店後、5年ほど空き店舗だった場所にできた店。人気はこだわりの赤酢を使った本格的な寿司や、店舗で焼くピザなど。これまでのドンキには来店が少なかったファミリー層をターゲットに、100種類以上の総菜や弁当を販売している。実はドンキには一つとして同じ店はない。インバウンドをターゲットにした渋谷本店や、駅利用者向けの京急蒲田店など、店ごとに全く違う売り場づくりがされている。それを可能にしているのが、創業者・安田隆夫の時代から脈々と受け継がれてきた大胆な“権限委譲”の文化。各売り場の担当者は、自分の判断で商品の仕入れから値付けまで行っている。中にはアルバイトながら、メーカーと商談を行い、独自の商品を仕入れるスタッフまで。一般的な小売りチェーンとは全く違う“権限委譲”による店づくりが躍進の原動力となっているのだ。
グアムに世界最大級のドンキが誕生!
人気の観光地、グアムに今年4月オープンしたのが大型ショッピングモール「ヴィレッジ・オブ・ドンキ」だ。売り場面積は世界最大規模の1万1000平方メートル。約2万5000商品を販売し、チョコレートやクッキーなど観光客向けの土産物だけでなく、日本産の野菜や果物などの生鮮食品や、日本のドンキで販売しているものと同じ菓子や調味料など、日本の食品が地元の人に人気となっている。実はドンキ、すでに海外に100店舗以上を出店。海外売上高は3000億円を突破。日本の食品輸出の最前線基地の役割を担っている。2019年、名称変更した社名「パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)」の名の通り、アジア・北米地域に出店攻勢を強めているのだ。
ゲストプロフィール
吉田 直樹
- 1964年大阪市生まれ
- 1988年国際基督教大学教養学部卒業
- 1995年INSEAD卒業(経営学修士)
- 1995年マッキンゼー・アンド・カンパニー・インク・ジャパン入社
- 2002年オルタレゴコンサルティング設立 社長就任
- 2007年ドンキホーテホールディングス(現PPIH)入社
- 2013年専務取締役 就任
- 2019年代表取締役社長CEO就任
企業プロフィール
- 本社:渋谷区道玄坂2-25-12道玄坂通
- 創業:1980年
- 資本金:233億5100万円
- 従業者数:17,107名(連結)
(2023年6月30日現在)
村上龍の
編集
後記
20年くらい前の夏、渋谷で夕立が来た。ドンキの店頭にビニール傘が売っていた。マジックで黒々と100円と書いてあった。すぐ買った。夕立が来たのとビニール傘はほぼ同時だった。今考えると誰が用意したのだろうと思う。創業者が書いた『源流』の企業原理は「顧客最優先主義」で、第3条は「現場に大胆な権限委譲をはかり」とある。店のバイトがビニール傘を用意し100円という値段を決めたのだ。このエピソードはドンキの全てを象徴している。売上高は2兆円。その全ての努力は、バイトが用意したビニール傘が担っている。


















