ブリにマグロやカツオ・・・旬の魚が食卓に並ぶ光景は今や当たり前だが、実は戦後に開発され「世界の漁法を変えた」と言われる、ある電子機器がなければ、その当たり前の光景はなかったかもしれない。それが漁船に搭載されている「魚群探知機」だ。魚群探知機はその名の通り、魚群を見つける機器だが、最新のものとなれば魚の体長や種類まで分かってしまう。そんな魚群探知機で圧倒的シェアを誇るのが古野電気だ。1948年に世界で初めて魚群探知機の実用化に成功し、現在はソナーにレーダー、商船用の制御システムなど船舶用電子機器の総合メーカーとして知られる。さらに、船舶機器で培った技術を用いて自動車のETC車載器を開発するなど身近なところでも活躍。ニッチながらも革新的な商品づくりで成長を続ける黒子企業の全貌に迫る。
放送内容詳細
“現場種技”で漁師の声から商品化!
古野電気の社長・古野幸男は1948年の生まれ。大学卒業後に入社した繊維メーカー・帝人時代に、古野電気の創業者の娘と結婚をしたことがきっかけで古野電気に入社。当時の会社は漁船用の電子機器の製造がメインだったが、1990年代に魚の漁獲量が減少したことから商品が売れなくなり、上場以来初の赤字に転落してしまう。そこで古野はタンカーなどの商船市場に向けた制御システムを本格的に開発し海運会社に売り込むと、これが当たり、売り上げの回復に成功。現在は「現場種技」という言葉を掲げ、営業社員が漁師の元を訪ね、商品開発のヒントや改良点を拾い上げている。そうした“現場の声”から、画期的な商品が生み出されていた。
海で培った技術で陸の問題を解決!
実は古野電気の製品は身近なところでも使われている。そのひとつが自動車に搭載されているETC車載器。古野電気がレーダーの開発で培った技術を陸でも活用しようと開発した。現在はその技術を応用し、昨今、問題となっている物流トラックの「待機問題」の解消にも取り組んでいる。
ゲストプロフィール
古野 幸男
- 1948年東京都 生まれ
- 1971年一橋大学卒業
- 1971年帝人入社
- 1984年古野電気入社
- 1987年取締役就任
- 2007年社長就任
企業プロフィール
- 会社名:古野電気
- 創業:1938年
- 所在:兵庫県西宮市芦原町9-52
- 従業員数:3368名(グループ全体)
- 売上高:1269億5300円(グループ連結)
村上龍の
編集
後記
1938年、長崎県口之津町に、ラジオ好きの青年たちによって誕生した。48年に会社設立。魚群探知機の実用化に世界で初めて成功する。古野さんは、一橋大学の社会学部を出て、帝人に入社、日本やイギリスの紡績の歴史を調べた。古野電気に入り、会社を知るために有価証券報告書を20年分くらい並べて目を通した。漁業の市場も調べ、魚料理の本も眺め、魚群探知機については社内の技術屋に聞いた。会社の全体像をつかむには3年かかった。今では、船舶の自動運転など、何を聞いても明確に答える。勉強家なのだ。


















