あらすじ

元禄7年。のちの堀部安兵衛となる中山安兵衛(内野聖陽)は、江戸の道場で師範代を務めながら気楽な長屋暮らしを続けていた。そんなある日、安兵衛は叔父甥の義盟を結んでいる菅野六郎左衛門(綿引勝彦)が高田馬場で果し合いをするとの報せを受け、助太刀に駆けつけ相手方をことごとく討ち取る。

やがてこの一件が「高田馬場の決闘」として江戸中の評判となり、赤穂浅野家の堀部弥兵衛(橋爪功)は、一人娘・ほり(常盤貴子)の婿に迎えようと躍起になる。さらに藩主・浅野内匠頭(市川染五郎)からも仕官を打診されるまでになる。当初は仕官に興味がなかった安兵衛だったが、内匠頭の人柄と風通しの良い家風に惚れこみ仕官を決意。そんな安兵衛を内頭匠も引き立てていく。一方、仕官目当ての立回りと当初は批判的だったほりは、安兵衛の「義」の心に触れるうちに、結婚を決意。順風満帆の安兵衛だったが、やがて大きな波乱の渦に巻き込まれていく…。

元禄14年、勅使饗応役に任命された浅野内匠頭だが、高家筆頭・吉良上野介(柄本明)の度重なる辱めに耐えかね、江戸城・松の廊下で刃傷沙汰を起こしてしまう。この事件は、内匠頭の即日切腹と赤穂浅野家の断絶という厳しい処分によって幕引きが図られた。悲報を受けた赤穂浅野家国家老・大石内蔵助(舘ひろし)は、ある決意を胸に秘めながらも、お家再興のために冷静に動き始める。

一方の安兵衛らは、事件の当事者である吉良家に対してはなんの処分も下されない憤りの中で仇討ちを誓う。一切の指揮を内蔵助に託して討入りの時を待つが、内蔵助が動く様子はなく、次第に江戸の浪士たちは焦り疲弊し始める。

生活苦にあえぐ日々の中で、浪士たちは侍としての苦悩や、家族との葛藤に苛まれ、脱盟者が相次ぐようになる。とうとう浅野内匠頭の一周忌がすぎ、危機感を抱いた安兵衛は、討入りの決行を内蔵助に迫る。しかし、内蔵助は討ち入り時期を内匠頭の弟・大学の処分が決まるまでと再び先延ばしにして、毎夜茶屋遊びにふけるようになるのだった。それを知った安兵衛は、内蔵助を斬る覚悟で単身京へと向かうが…。