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2019年12月3日 放送 第892回
追跡!"マグロ激減"の謎
放送内容詳細
寿司の名店も大間の漁師も頭を抱える…“マグロ激減”

東京、銀座にある日本一有名な寿司屋「すきやばし次郎」。寿司職人・小野二郎さんの顔が最近なぜか浮かない。聞けば、ここ数年、納得のいく本マグロがなかなか手に入らないという。一本釣りのクロマグロの漁獲量でトップクラスの青森県大間町。漁の最盛期を迎えた漁師たちの表情はさらに険しい。ここ最近、マグロの姿を見ることがめっきり少なくなり、2ヵ月に渡って全く獲れない人も・・・。実は日本近海で獲れる太平洋クロマグロは、乱獲などの影響もあってその数が激減し、国際機関から「絶滅危惧種」に指定されている。そこで水産庁は2018年7月から罰則を伴う漁獲規制をスタート。大間の漁師たちはいまどんな日々を送っているのだろうか。
マグロ「まき網漁」の実態は…

実はクロマグロの水揚げ量日本一を誇るのは鳥取県の境港だ。毎年6月のクロマグロの初セリから町は活気づく。実はこのマグロ、産卵のため日本海に集まってきたもの。それをまき網漁で大量に獲るのだ。これが主にスーパーや回転寿司チェーンなどで手頃な値段で販売されていく。水産庁が定めた漁獲枠もこの「まき網漁業」や一本釣り等の「沿岸漁業」などに分けられている。例えば30キロ以上の大型魚では、「まき網」3153トン、「沿岸」が1481トンとなっている。大型のまき網漁船なら1回で数十トンのマグロを捕獲できるという。大間など多くの沿岸漁業者は、まき網が産卵期のマグロや小さな稚魚を大量に漁獲していることが、資源量の減少に影響していると主張する。
そこで取材班は、水産庁や大手漁業会社に取材。その答えは・・・。さらに元まき網船の乗組員のインタビューに成功した。その口から飛び出した驚きの実態とは・・・。
マグロが絶滅の危機から劇的に復活!ヒントは地中海にあり

地中海を回遊する大西洋クロマグロも一時は絶滅危惧種に指定されていた。そこで
2007年からICCAT(大西洋まぐろ類保存国際委員会)主導による厳しい漁獲規制が始まった。2007年には、ヨーロッパ全体で漁獲量を1万3000トンまで削減。30キロ未満のメジマグロ(ヨコワ)の漁獲も原則禁止した。さらに、まき網漁船にはICCATから派遣されたオブザーバーの乗船が義務付けられている。たった一匹でも不正できないように漁獲量を厳格にチェックすることで、規制からおよそ10年でクロマグロの資源量は急回復。今年は漁獲枠をヨーロッパ全体で1万8000トンまで増やしているという。そこには日本に対するヒントが隠されていた。
これからもおいしいマグロを食べるために…
そんななか、太平洋クロマグロの現状に対する危機感から自主規制の動きも出てきた。
グルメ回転寿司「まぐろ問屋 三浦三崎港」は、資源量が回復した大西洋クロマグロを積極的に採用。さらに資源保護のため産卵期に「まき網」で獲ったマグロと30キロ未満の幼魚も使用しないことに決めたのだ。これからもおいしいマグロを食べることができるために・・・。私たちもいま本気で考える時が来ている。
今週のピックアップ曲 ― あの場面でかかっていた名曲は何? ―

アーティスト | 吉田潔 |
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曲名 | 虎異形 |
アルバム | 祭 |
本編2分9秒。
縄文時代から日本人に食べられていたというマグロ。
その中でも一番美味しいと言われるクロマグロに、今異変が起こっているという。
このシーンで使用しているのは「虎異形」
吉田潔氏によるアルバム「祭」に収録されている。
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