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2026年5月29日 放送 第1218回
コクヨが挑む"困りごと"
いま、これまでの商品開発ではターゲットとされてこなかった高齢者や障害者、外国人などを企画開発段階から巻き込むことで、誰もが使いやすい商品を生み出す「インクルーシブデザイン」という手法が注目されている。その「インクルーシブデザイン」に大きく舵を切ろうとしていたのが、文房具やオフィス家具事業を手がける老舗企業「コクヨ」だ。グループ内で働く、障害のある社員を企画開発に参加してもらい、彼らの"困りごと"を解決することで、誰もが使いやすいヒット商品の開発を目指し、2030 年までにコクヨの新商品の50%を「インクルーシブデザイン」にする目標を掲げた。しかし開発現場では、様々な課題が浮き彫りになり、試行錯誤の連続。果たして新たな発想での商品開発は成功するのか――。さらにコクヨは、急増する精神疾患やその予備群への対応が企業に求められるなか、精神障害のある社員の声から、誰もがストレスを抱えずに働ける、新たなオフィスづくりにも挑戦。社員の心の健康を守ろうと生まれたオフィスとはどんなものなのか―――。2026年7月には、障害者の法定雇用率が2.5%から2.7%に引き上げられるなか、障害者の"困りごと"の先に、どんなビジネスチャンスが広がっているのか。コクヨの新戦略の舞台裏に密着した。
内容詳細
“裏表のない衣類”が話題に!ファッション業界を変えるインクルーシブデザイン
兵庫県・神戸市にある大手通販会社「フェリシモ」。ユニークで便利、リーズナブルな価格のアパレルや生活用品が人気を集めている。そんなフェリシモは2023年、“裏表のない衣類”の販売を開始。誰でも簡単に着たり脱いだりできるTシャツや靴下などのほか、片手でボタンを開け閉めできるコートなども展開し、予想以上の売り上げを達成した。これらの製品は、視覚障害や半身麻痺など、さまざまな障害のある人々の“困りごと”を元に開発され、その結果、高齢者や障害者だけでなく、健常者にとっても便利な商品となっていた。「一番困っている人が助かる機能が、実は誰にとっても便利なものだった。ちょっと買ってみたいと思ってもらえることでお客の層がすごく増えるので、そこにビジネスチャンスがある」というフェリシモ担当者。老舗百貨店「髙島屋」でも、視覚障害者とともに「手触り」にこだわった服を集めた売り場をまたつくっている。今、ファッションの世界で、注目されるインクルーシブな服作りを追った。
“困りごと”からヒット商品を生む!コクヨの新戦略 その舞台裏に密着
身近な文房具から、オフィス家具の製造や空間デザインを手がけるコクヨ。障害者など特定のユーザーの“困りごと”に着目し、そこから、ヒット商品を生み出す新たな商品開発に挑んでいた。左利きや手に障害のあるユーザーを含め、誰にとっても使いやすい刃の角度を発見し作り上げた「サクサ」はヒット商品に。さらに、「赤色だと使いにくい」という色覚障害のある人の意見も取り入れながら開発した「青色暗記シート」は、学生たちから「赤よりも集中しやすい」と人気商品になった。そのコクヨが今、オフィス家具事業でもインクルーシブデザインの導入を加速させようとしている。主導するのは、椅子などオフィス家具部門で、数々のヒット商品を作り出してきた開発者の木下洋二郎さん。木下さんたち開発チームは、身体障害のある社員の“困りごと”に着目し、新たな商品開発に挑んでいた。しかし、大手メーカーの新商品ともなれば、障害者の“困りごと”を解決しただけでは、商品化には進めない。障害者だけではなく、誰にも使いやすく、市場に受け入れられる商品を目指し、実証実験を繰り返すことに。試行錯誤の現場を取材する。
オフィスのストレスを減らせ!精神障害・発達障害の視点で商品開発
厚生労働省によると、適応障害やうつなど精神障害は2002年から20年間で約2.3倍に増加。私たちを取り巻くストレスからどう身を守るのかが今、大きな社会的な課題になっている。コクヨは、1940年から聾学校の生徒を印刷工場で雇用、2003年には障害者雇用を促進しようとコクヨKハートを設立し、現在、約100名の障害のある社員が働いている。半数を占めるのは、精神障害の手帳を持つ社員たちだ。そのコクヨが90年ぶりに本社を移転するという巨大プロジェクトが動き出した。移転先は、商業の中心地・梅田に新設されたグラングリーン大阪。誰もが働きやすいオフィスを目指して、インクルーシブデザインも取り入れることになった。その大役を任されたのはオフィス設計一筋、入社20年の卜部奈緒さん。去年6月、コクヨKハートの身体障害や精神障害がある社員たちが集まり、既存オフィスでの“困りごと”についてのヒアリングが行われた。発達障害のある社員からは、「机の前で人の行き来があると集中できない」などの意見。そんな中、特に要望の声が挙がったのが、仕事が集中できる場所だけでなく、メンタルへの負担が少ないオフィスづくり。ストレスに敏感な精神障害のある社員たちとともに、卜部さんはストレスのない、誰もが働きやすい未来のオフィスを完成させることができるのか、その奮闘を追った。
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2025年4月28日










