去年元日、最大震度7を観測し489人の命を奪った能登半島地震は、私たちに改めて住宅の耐震化の必要性を突きつけた。死因の約4割が「圧死」、約2割が「窒息・呼吸不全」。死者の多くが倒壊した家屋の下敷きになったとみられている。住宅の全半壊も3万棟近くにのぼった。そして、多数の住宅が倒壊し、耐震性の不十分さが甚大な被害につながった1995年の阪神・淡路大震災(死者6434人・全半壊約25万棟)。この未曽有の大震災を契機に、国や自治体も耐震診断や改修費の補助など対策の強化に取り組んできた。しかし、今回、被害の大きかった輪島市や珠洲市の耐震化率はいずれも50%程度で、全国平均の約87%を大きく下回っていた。阪神・淡路大震災から30年―、これが地震大国ニッポンの現状だ。
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2025年1月17日(金)放送 第1148回
巨大地震に立ち向かえ!~阪神・淡路大震災から30年~
繰り返し巨大地震に見舞われてきた"地震列島ニッポン"。能登半島地震に熊本地震、東日本大震災...そして、30年前に発生した「阪神・淡路大震災」。地震による未曽有の災害の度に問題になるのが「建物の耐震性」だ。しかし、1年前の能登半島地震でも家屋の倒壊で多くの命が失われてしまった。「安全な住まい」の普及が今も課題として突きつけられているのだ。「ダンロップ」ブランドのタイヤ製造を主軸にする「住友ゴム」は、神戸の本社が30年前の阪神・淡路大震災で被災。それを契機に新築だけでなく中古住宅にも取り付け可能な「制震装置」の開発に力を注いできた。持てる技術と"命を救う使命"を胸に奮闘する姿を追う。
内容詳細
能登半島地震 死因の約6割が家屋倒壊 地震大国ニッポンの現状
住友ゴム工業 阪神・淡路大震災で被災 “特殊なゴム”で揺れを吸収
こうした中、巨大地震に立ち向かう企業がある。神戸市に本社を置く住友ゴム工業だ。タイヤ・スポーツ事業が主で、主力ブランド「ダンロップ」を展開する。そんな住友ゴムに転機をもたらしたのが阪神・淡路大震災だった。神戸工場にあった大煙突は倒壊、周辺一帯は壊滅的被害を受けた。「私たちは地震に対して、何の社会貢献もできなかった」。そう語るのはハイブリッド事業本部・副本部長の松本達治さんだ。そこから松本さんの30年に及ぶ長い闘いが始まった。レース用のタイヤ開発で培った知見を生かし、地震の揺れを熱に変えて放出する「高減衰ゴム」の開発に着手。10年間に及ぶ試行錯誤の末、「高減衰ゴム」を搭載した「制震装置」を完成させた。この装置を住宅の壁に組み込むことで、揺れ幅を最大95%低減し、震度7の揺れに14回まで耐えることに成功した。実際、4万棟以上が全半壊の被害がでた2016年の熊本地震でも、装置を採用した住宅約120棟で全半壊はゼロ。能登半島地震でも採用住宅の約500棟に大きな損傷はなかった。
巨大地震相次ぎ需要拡大 熊本城でも採用 改正建築基準法に向け新たな試み
東日本大震災、熊本地震、能登半島地震を受け、制震装置の需要が拡大している。新築住宅だけでなく、中古住宅のリフォーム等でも取り付けが可能だ。さらに今、熊本城の耐震改修工事の際にも採用されたことなどから、寺社からの問い合わせも急増している。兵庫県たつの市の徳行寺の改修取り付け工事がまもなく始まる。「住宅に比べ屋根が重いため、大変な作業になる」という松本さん。一方、今春、改正建築基準法の施行に伴い、新たな制震装置の開発に乗り出した。「命と暮らしを守りたい」、阪神・淡路大震災から30年―、松本さんの闘いに終わりはない。
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2025年4月28日










