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2025年6月20日(金)放送 第1170回

トランプ関税と日本の製造業

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アメリカのトランプ大統領が打ち出す保護主義的な関税政策は、自由貿易体制の転換点となるのか?トランプ政権は関税政策でアメリカに製造業を取り戻すと主張している。「トランプ関税」の本気度を測りながら、対応に追われる日本の製造業に密着した。自由貿易体制に基づきアメリカ市場で稼いできた日本の大手メーカーは、「トランプ関税」によって衝撃を受けた。中国やアジアで部品を調達し、アメリカ市場で稼ぐというグローバルなサプライチェーンは、今後も持続可能なのか?これまで主に日本で製造し、アメリカに輸出してきた中堅の自動車部品メーカーは、「トランプ関税」を乗り越えることができるのか?約30年前の日米自動車交渉以来のピンチを、再び技術で克服しようとする取り組みを追った。

内容詳細

トランプ関税で、建機大手のコマツはどうする?

建機大手のコマツは、2026年3月期通期のセグメント利益について、「トランプ関税」の影響で943億円のマイナスを見込む。関税によるコスト増が785億円、需要減少に伴う販売量減少が158億円としていて、2026年3月期の連結純利益は前期比で約30%減少する見通しだ。そのコマツの関税対策プロジェクトチームに密着した。関税をめぐる製品需要の急変動に対応するほか、関税政策の長期化も見据えながら、世界中に広がるサプライチェーンの見直しを進める。部品調達先の変更も検討する。石川県にある古くからの協力企業は、部品の供給強化へと舵を切ることはできるのか?一方で、アメリカの部品メーカーは、「トランプ関税」を商機と捉え、コマツに対して供給強化を持ちかける。日米貿易交渉の行方をにらみながら奔走する、コマツの関税対策チームの活動を日米で追った。また、4月に就任したコマツの今吉琢也社長に、今後の展望を聞いた。

関税政策の本気度は? 副大統領の故郷で見えたもの

トランプ大統領の懐刀と言われるJ・D・バンス副大統領。無名の弁護士だった彼を一躍有名にしたのが、『ヒルビリー・エレジー』というタイトルの自伝だ。それはラストベルト(さびた工業地帯)と呼ばれる地域の白人労働者階層の悲哀を描いた物語だ。今回、バンス副大統領の故郷であるアメリカ中西部オハイオ州の町を訪ねると、トランプ政権が関税によって、製造業を取り戻そうとする背景が見えてきた。

日本経済の屋台骨を支える、自動車産業はどうなる?

日本経済の屋台骨を支える自動車産業にも、「トランプ関税」の影響が直撃する。名古屋市に本社を置く大同メタル工業は、自動車のエンジンに欠かせない「軸受け」で、世界シェアの約4割を占める。判治誠吾会長兼CEOは、高いシェアを背景に、関税によるコスト増加は客先との取引価格に転嫁したい考えを示す。一方で、アメリカ現地法人の大倉康裕社長は、もし日米の貿易交渉がまとまらずに24%の関税が課された場合、「我々の規模の会社ではコスト増の影響を吸収できない」として、危機感を示す。アメリカへの輸出を主軸とするSUBARUなどに自動車部品を供給する中堅メーカーの豊田技研は、売り上げの半分以上をアメリカへの輸出で稼ぐ。6月上旬に豊田技研を訪ねると、受注の急増に戸惑っていた。関税率の上昇を見越した駆け込み需要と見られる注文が殺到していたのだ。受注増は良いことに見えるが、先行きの見通しが立たないことが一番困るという。豊田信幸社長は、父の勇三郎さんが裸一貫で立ち上げた会社の2代目。1990年代の日米自動車交渉の時にも会社存続の危機に直面したが、持ち前の技術力で国内製造を維持し、倒産の危機を免れた経験を持つ。「トランプ関税」によって今、再び危機に直面するが、今回のピンチも技術力で克服できるのか?息子で専務の信也さんと二人三脚で難局に立ち向かう様子を追った。

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