ロンドンからのすべての経験が強い自分を作ってきた 【海老沼匡 インタビュー】
──いよいよご自身2回目の挑戦となるオリンピックが迫ってきましたが、心境はいかがですか?
今まではオリンピックから逆算して「この試合は勝たなければいけない」と考えていたんですけど、最近はそうではなくて、「オリンピックのときに絶好調であればいい」と思うようになりました。そういう意味で今年の世界選手権は、自分が進化しきれなかった大会だったので、オリンピックまでにもっと強くなっていきたいと思っています。
──そう思い直したきっかけは何だったのですか?
世界選手権のときは何か吹っ切れないというか、もし世界選手権4連覇したらその次のオリンピックではどれだけの重圧がかかるんだろう、とか、そういうことばかり気にしてしまって…。なぜか「やってやるぞ!」という心の奥から響くような気持ちが出てこなかった。でも、負けたことによって世界選手権王者の証である赤ゼッケンから通常の選手がつける青ゼッケンに戻ったんですけど、それが新鮮でうれしくて「見てろよ」と思えるようになりました。
──ロンドン五輪から振り返ると、いろいろなことを経験されましたね。
初めてのオリンピックは、ただガムシャラに無我夢中で本能のまま、試合をしていました。それから3年経って、少し視野が広がったかなと感じています。もちろんまだベテランの域には達していないんですけど、勝っておごったこともあったし、負けて学んだこともありました。そんなすべての経験が今の僕を作ってきたと思っています。
──ロンドンからの3年半の時間は、長かったですか? 短かったですか?
終わった直後は、まだ4年ある長いかなと感じていたんですけど、僕は先を見ることができないので一つ一つ考えてこなしていった感じがあるので、とくに長いとか短かったとか感じていないですね。一年前にブラジルのリオデジャネイロを訪れたときから、「この地で絶対に金メダルをとるんだ」と強く感じながら、生活をしてきました。
──ロンドン五輪での悔しさも変化していったのですか?
あのロンドン五輪の舞台で勝てなかったのは、何かが足りなかったのか。それをこの3年間探し続けてきたのですが、実は今でも具体的なものがわからないんです。ロンドン五輪の表彰式で3位と呼ばれた自分と、唯一金メダルを獲得した松本(薫・女子57kg級)さんとのメダルの色の違いは何なんだろう? とずっと考えてきました。1位と3位では天と地の差で松本さんはどこがすごいのか。松本さんが本を出したら絶対に本を買って読むというくらい(笑)、金メダルとの差を感じましたね。その差を埋めるためにこの3年があったと思っています。オリンピックの借りはオリンピックでしか返せないし、悔しい気持ちをぶつけるのがリオデジャネイロ五輪だと思っています。
──ロンドン五輪のときとは違って、今回はご家族が増えました。
そうですね。結婚したことで戦う理由が一つ増えました。やっぱり僕が勝つことによって奥さんやその両親であったりが喜んでくれますので、やっぱりがっかりはさせたくない。自分自身、勝つことはうれしいという気持ちよりも安堵感のほうが強いですけど、支えてくれる方たちが喜んでいる姿をみると勝ってよかったなと思いますから。それが僕のエネルギーになっていると思います。
──最後に「柔道グランドスラム東京」に向けて、意気込みをお願いします。
今年の締めくくりとしてグランドスラム東京があるので、海外の選手と組み合って勝つことによって来年へのステップになると思っています。僕にとっては来年のオリンピックで金メダルをとることがすべてなので、それに向けて好スタートが切れるように今年最後の大会も一つ一つ大切に戦っていきたいと思います。
■関連ニュース
「リオデジャネイロ五輪代表選考会 柔道グランドスラム東京2015」
テレビ東京系列で12月4日(金)から3日連続放送!
メインキャスターは6年連続で小泉孝太郎!
【放送日時】
12月4日(金)夜 6:00 放送
12月5日(土)午後 4:35 放送
12月6日(日)午後 4:10 放送
【番組公式HP】
https://www.tv-tokyo.co.jp/judo/judogs2015/
柔道初の試み!カメラアングルを切り替えて楽しめる「マルチアングル動画配信」実施!




