鹿島が監督交代 相馬新監督「強いアントラーズを取り戻す」

サッカー

2021.4.15

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相馬直樹 新監督(c)KASHIMA ANTLERS

 鹿島アントラーズは4月14日、成績不振によるザーゴ監督の解任と後任として相馬直樹コーチの昇格を発表。新指揮官としての初練習を終えてオンライン取材に応じた相馬新監督は、「強いアントラーズを取り戻す」と語った。今週末17日のアウェイでの徳島戦が初陣となる。

 クラブ創設30周年の今季、鹿島はタイトル獲得を大きな目標としているが、チームは開幕からここまで2勝2分4敗で15位に低迷。そのチームの再建を託したのが、クラブOBで川崎フロンターレやJ2の町田ゼルビアなどで指揮を執った経験のある相馬直樹氏だった。昨季から鹿島でコーチに就いていたが、今回、ザーゴ監督の後を受けて監督に昇格となった。

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 相馬新監督は、「この状況になったことは、コーチとして責任も感じている。ただ、止まってはいられない。もう一度、強いアントラーズを取り戻す。非常に重い責任だと思っているが、自分が大事に思っているクラブを前に進めるために力になれれば。鹿島は伝統と実績のあるクラブ。強い信念と覚悟を持ってやらなければいけないと思っている」と語った。

 クラブは2018年こそAFCチャンピオンズリーグで優勝したが、得失点差で川崎に優勝を譲った2017年シーズン以降、2018年と2019年はリーグ戦3位で国内タイトルとは無縁だ。

レベルアップとタイトル獲得を目指して2020年からザーゴ監督体制に切り替えたが、昨季は5位。ブラジル人指揮官の下での新たなサッカーに馴染むまでに時間がかかり、開幕4連敗などシーズン序盤は苦戦したが、半ばから巻き返していた。

今季は昨季の積み上げを活かした飛躍が期待されていたが、チームは開幕戦で清水に1-3の逆転負けを喫し、3月17日からはリーグ戦で3連敗などと振るわず、直近の11日の札幌戦では2-0リードから2失点で同点にされて勝利を逃していた。

中でも4月3日の浦和戦では、相手と競り合う激しさや勝利への執念などの気迫や積極性が感じられないプレーぶりで、チームは1-2で敗れていた。

 鹿島の鈴木満フットボールダイレクターは、開幕戦で主導権を握って1-0とリードを奪いながら、終盤に失速して1-3で敗れたことで「ベースが崩れ、自信を無くして立ち直せなかったのが大きい」と指摘し、「チームは生き物。ちょっとしたことで変わる。正常な競争をもう一度出せれば変わると考えて、今回の決定に至った」と説明した。

 49歳の新指揮官については、「ディフェンスをしっかり組織化するのが得意」と評価。「もともと鹿島の選手。鹿島のベースを分かっていると思う。その上にいろいろなことを積み上げることを期待している」と話した。

相馬新監督は、鹿島でプロデビューした1994年からリーグ戦250試合、天皇杯を含めたカップ戦62試合に出場し、リーグ優勝4回、天皇杯優勝2回、リーグカップ優勝2回などタイトル獲得に貢献。左サイドバックとして鹿島の黄金期を支えた。

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相馬直樹 新監督(c)KASHIMA ANTLERS

相馬新監督は立て直しのカギとして「現実を受け止めてチャレンジャーとしてしっかり戦う」ことを挙げ、自身が選手として戦ったJリーグ発足当時を振り返ってこういった。

「もともと、Jのチームができると思われなかったところにできたチームですから、いろいろな意味でもう一回チャレンジャーとして後ろから上がっていく。これまでいろんな人達が作ってきた実績にふんぞり返ることなく、もう一回足元をしっかり見て...。勝っていても、いつも這いつくばって勝ちを獲りにいっていた。そういうものを、また出していかなければいけない」

決して派手ではないが、そこに鹿島の強さの基盤があると示唆した。

チームは相馬体制初陣となる11日の徳島戦から5月末まで、J1リーグとルヴァンカップで14連戦になる。新指揮官は、「あまり大きく変えることはできない」として、ザーゴ前監督の下で残る良い部分を活かしながら、修正を加えていくことになる。中でも「チームが一つに戦うところはピッチで表現しなければいけない」と、戦う姿勢を求めている。

 鹿島の土台を築いたOBの監督就任で、勝利への執着心を漂わせた激しさと泥臭さというクラブの伝統を取り戻す。


取材・文:木ノ原句望