ジーコ鹿島TD チームの現状打開へ「闘争心を出せ!」

ジーコ テクニカルディレクター 写真:徳原隆元/アフロ
鹿島アントラーズのジーコテクニカルディレクター(TD)が、今季なかなか結果を出せずに苦しんでいるチームの選手たちに、気持ちをプレーに体現することが現状打開へつながるとして「闘争心を出せ、ハートを見せろ」と熱いメッセージを送った。
ジーコTDは定期的な健康チェックのために帰国していたブラジルで、新型コロナウィルス感染の世界的な拡大で国際間の移動制限に直面。望んでいた7月4日のJ1再開までに日本に戻ってくることができなくなっていた。
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だが、その間も練習試合の映像などチームの様子をチェック。7月20日すぎに再来日すると14日間の自主隔離期間を経て、活動を再開。チームの練習や試合に足を運び、今季就任したザーゴ監督の下でクラブが取り組んでいるチーム再建に熱い視線を注ぐ。
鹿島は今季ここまで苦戦が続いている。Jリーグに先立って1月下旬に行われたAFCチャンピオンズリーグプレーオフ、2月中旬のJリーグルヴァンカップ初戦を含めて公式戦6連敗。感染拡大で中断していたリーグ戦が7月から再開したが、初勝利は同18日の第5節のマリノス戦まで待たなければならなかった。
だがその後もアウェイで湘南に敗れ、ホームでFC東京に引き分けるなど、なかなか波に乗れないでいる。8月1日にアウェイでの大分とのリーグ戦をFWエヴェラウド選手のハットトリックなどで4-1と快勝したが、中3日で迎えた5日のルヴァンカップグループステージの川崎戦では、終盤の反撃で2-3と詰めたが敗れ、グループステージ2連敗で大会敗退が決まった。
6日にオンライン取材に応じたジーコTDは、監督交代や昨季から今季へ多くの選手を入れ替えたことに言及し、「監督がクラブやその国の文化・習慣に慣れるには時間がかかるもの。選手たちは監督のスタイルに合わせようと一生懸命に努力している」と理解を示した。
だが一方で、選手たちに戦う姿勢を強く出すことを求めたことを明かし、「選手たちに一番言ったことは、攻撃的サッカーでも守備的サッカーでも、闘うところ、闘争心や最後まであきらめないところを出さなければならない。それはサッカー以前の問題だ。そうでなければ何も成し遂げることはできない」と力説した。
前日の川崎戦での終盤の反撃を例に挙げて、鹿島はハーフタイムを挟んで失点し3点を追う展開になったが、終盤に交代選手を中心に攻撃を畳みかけ、後半途中出場のFW伊藤翔選手が2得点を決めて1点差まで詰めた。ジーコTDは「やる気、負けん気を出した」と評価する。
「サッカーというスポーツは技術、フィジカルがうまければいいというものではない。パッションの部分が大事。絶対に相手に負けたくない、何が何でも勝つというハートがなければ、いくら技術やフィジカルがあっても勝負事には勝つのは難しい」と説く。そして「ハートを出せれば、サッカーセンスや能力も一段と冴える。選手たちがそういう意識を持って臨むことが大事だ」と語った。
リオデジャネイロ生まれの67歳は、選手時代にはブラジル代表では3位に入った1978年ワールドカップを含めて71試合で48得点をマーク。長くフラメンゴで中心選手として活躍し、イタリアのウディネーゼでもプレー。Jリーグ発足に合わせて1991年に加入した鹿島では創設期からチームをけん引し、勝ちにこだわる精神を植え付けてJリーグの常勝軍団と呼ばれる素地を築いた。
ジーコTDは、監督としても日本代表では2004年アジアカップに優勝し、2006年ワールドカップ出場へ導くなど数多くの舞台で指揮を執り成果を挙げてきたが、どの舞台でも負けず嫌いな強い気持ちをプレーに体現することは決して忘れなかった。それだけに、その言葉には説得力を感じる。強い鹿島へ、鍵はハートだ。
取材・文:木ノ原句望