【ジャパンC みどころ】各世代のダービー馬たちの意地とプライドが秋の府中で激突!

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2021.11.28


コントレイル 写真:日刊スポーツ/アフ

 国際レースでありながら、近年は地元である日本馬の活躍が目立つジャパンC。今年も外国馬が3頭やってきてはいるが、主役となるのはやはり日本馬たち。その中でも4頭のダービー馬に大きな注目が集まっている。

2021年ダービー馬:シャフリヤール(牡3)
2020年ダービー馬 コントレイル(牡4)
2018年ダービー馬 ワグネリアン(牡6)
2016年ダービー馬 マカヒキ(牡8)

 ダービー馬が1頭いるだけでも華やかになるが、今年のジャパンCにはなんと4頭がエントリー。これはジャパンCどころかグレード制導入後のGIレースでは史上初のこと。ダービー馬は後の種牡馬として重宝されるため、早くて3歳、遅くとも5歳で現役を去ることが多いだけに4頭も顔をそろえるというのは本当に珍しい。

しかも4頭すべてディープインパクト産駒でダービー親子制覇を果たした馬となると前代未聞のこと。昨年の三冠馬3頭の競演と比べるといささか地味に映るが、今年のジャパンCも大いに盛り上がることは間違いない。

その中でも主役となるのは、やはり昨年のダービー馬であり、無敗の三冠馬となったコントレイルだ。

父ディープインパクト同様、無敗でクラシック三冠を制し、今や大種牡馬ディープインパクトの最高傑作とさえ称される彼だが、昨年の菊花賞を最後に勝ち星から遠ざかり、今年に入ってからはまさかの2連敗。

大阪杯では道悪馬場に泣かされての3着、天皇賞(秋)はゲートでチャカついての2着と不利ややアクシデントがありながらも馬券圏内にしっかりと入ってきていることは素直に評価できるが、無敗の三冠馬であることを考えるとそんな評価は慰めにしかならない。

 しかも今回のジャパンCはかねてから宣言していたコントレイルの現役最終戦。慣れ親しんだ府中の馬場を最後に彼は現役生活に別れを告げる。しかもレース後には引退式まで予定されているという。こうなると当然必要なのは「勝利」の二文字のみ。

史上初の親子無敗三冠制覇・コントレイル 父ディープの最高傑作 最強馬の称号へ


4歳まで現役を続け、古馬GI未勝利のまま現役を去った三冠馬がこれまでいないということを考えても、コントレイルにはいつも以上のプレッシャーがかかっていることは間違いないだろう。

だが、コントレイルはそうしたプレッシャーがかかった時にこそ神がかり的な強さを見せてきた馬でもある。

例えば昨年の菊花賞。無敗の三冠を期待された中で迎えた最後の直線、徹底的にマークされてきたアリストテレスに最後迫られても、脚色劣勢なコントレイルは自身の意地とプライドだけで踏ん張って、三冠馬の称号を手にした。

 言うなれば追い詰められた時にこそ大輪の花を咲かせるのがコントレイルの真骨頂。前走以上の強敵を迎えての引退レースであるジャパンCで飛行機雲のごとく突き抜けてラストランを華々しく飾ることだって十分考えられる。

新型コロナウイルスが蔓延し、日本中が沈み切った中に突如として現れたスターホースなだけに、それにふさわしい走りを見せて現役最後の一戦を迎えたい。


2021日本ダービー シャフリヤールが優勝 写真:日刊スポーツ/アフロ


コントレイルの大団円を阻むものがいるとすれば、若い力か。その中でも筆頭格となるのが1つ下のダービー馬、シャフリヤールだろう。

 皐月賞馬アルアインの弟として期待されて迎えた春のクラシックではあくまで伏兵の扱いだったが、4番人気で迎えたダービーでは先に抜け出したエフフォーリアを猛然と追い込んでハナ差だけ捕らえて勝利。

若武者・横山武史に競馬の厳しさを教える形となった。直線に入れば抜群キレる脚は世代屈指のもので、当然古馬相手でも通用することだろう。

そんなシャフリヤールも秋緒戦となった神戸新聞杯はまさかの4着に躓いた。ただしこれは不良馬場での一戦で末脚のキレが鈍ってしまった。

敗因が明らかなだけに評価を下げる必要はなく、むしろ良馬馬開催が濃厚で得意の府中にコースが替わり、さらに3歳馬だけに斤量も2キロ軽いというプラスしかない条件で迎えるジャパンCはシャフリヤールにとって反撃必至の一戦。

今年の3歳馬たちが古馬GIで暴れ回っているのを見てきただけに世代の頂点に立ったダービー馬が無様な競馬を見せることはないはずだ。

ダービー馬ばかりに目がいくが、それ以外の馬にだって当然チャンスはある。遅れてきた大物、オーソリティがその筆頭格か。

コントレイルと同期の4歳馬だが、青葉賞勝利でクラシックに手が届きかけたが、故障で無念の戦線離脱。それでもメゲずに長距離重賞で牙を磨き続け、今年はアルゼンチン共和国杯の連覇を達成して、中2週でジャパンCの舞台へ。

ここまで騎乗時2戦2勝とベストパートナーとも言えるクリストフ・ルメールとのコンビで同期の大物喰いをジャパンCという晴れの舞台で魅せたい。

ジャパンCの歴史を振り返れば、過去10年で6勝を挙げている牝馬の存在も恐ろしい。そうなると今年のオークス馬、ユーバーレーベンにだって勝機はある。

父ゴールドシップ譲りの長くいい脚を使える個性が直線の長い府中で炸裂するかが見もの。父同様にポカのあるタイプでもあるので、秋華賞の大敗を気にせずに突っ込んでくる可能性もある。

4頭のダービー馬だけでなく、多士済々なキャラクターが揃った今年のジャパンC。昨年以上の名レースになることは間違いないだけに各馬の一挙手一投足に注目したい。


■文/福嶌弘