【日本ダービー】武豊の挑戦 前人未到の6勝目へ「上手く乗ればチャンスはある」
2022.5.26
日本ダービー2022 ~HEROになるために~
3歳馬7522頭の頂点であり、競馬界最高の栄誉である『日本ダービー(GI)』。
このタイトルを手にするために今年も人馬ともに熱い戦いを繰り広げる。
その熾烈な戦いを勝ち抜いて夢の舞台へエントリーしてきた各馬に秘められたエピソードや関係者たちの知られざる想いに迫った。
歴代最多となるダービー5勝を誇るレジェンド・武豊騎手。ドウデュースとともに6度目のダービー制覇を目指すレジェンドの胸の内は果たして...
「クラシックが楽しみになった」2歳王者との出会い
「キズナで勝って以来、ダービーを勝っていないし、こういう気持ちでダービーに出るのは久しぶりだなって感じがする」
―― ダービーを目前に控えたインタビューで武豊はそう答えた。
今年、武豊とパートナーを組むことになったのはドウデュース。
昨年の朝日杯FS(GI)を制したコンビだが、このレースは武豊が何度も挑戦しても勝てなかったレース。そんな鬼門とも言うべき一戦を勝利した馬だけに大きな話題にもなった。
「このレース自体、初めての制覇だったので嬉しかったけれど、同時にクラシックが楽しみになってワクワクした」と、当時を振り返る武豊。
パートナーのドウデュースについては「すごく頭がいい馬で無駄なことをしない。スピードに乗った時もすごく気持ちがいい」と数々の名馬を知る男が惚れ込んでいる様子がよくわかる。
そんなドウデュースのオーナーはキーファーズの代表である松島正昭氏。
武豊とは20年来の付き合いとなり、所有馬の鞍上のほとんどを武豊に依頼しているほどだが、国内のGIを制したのはこれが初めて。
そんな松島の夢はズバリ「自分の所有馬で武豊とともに凱旋門賞を勝つ」こと。
その夢の実現に向けて、武豊も日々のトレーニングに余念がない。すでに50を優に超えているが、1年でも長く騎手を続けられるようにとハードなトレーニングを積み重ねている。
そして皐月賞の直前、「ドウデュース、凱旋門賞に登録」というニュースが流れた。
「(凱旋門賞は)世界中のホースマンが目指しているところ。ダービーでいい結果、いい内容を見せないとただ行くだけになってしまう。期待して凱旋門賞に行けるだけの走りをダービーで見せなければいけない」と、武豊も静かに闘志を燃やしている。
ダービーの先にある、見果てぬ夢
武豊6度目のダービー制覇、そして凱旋門賞挑戦に向けて、ドウデュースを管理する友道康夫調教師はこう語る。
「(ドウデュースは)とにかくカッコイイ。3歳にして古馬の風格すらある」
現役調教師として最多タイ記録となるダービー2勝を誇る名伯楽にそこまで言わしめたドウデュースだが、普段は馬房でリラックスしていることが多いという。
「走る馬の特徴」とも言われる賢そうな表情が印象に残り、その立ち振る舞いもすでにカッコよさに溢れている。
「弥生賞、皐月賞と右肩上がりでよくなっている」というコンディションに加え、過去2勝した時と同様に皐月賞で敗れてからの参戦ということに対し、ゲンを担ぐ意味でも楽しみにしている様子が友道からもうかがえた。
友道曰く「日本で一番心強い騎手」である武豊をパートナーに迎えることも好材料と語り、「6勝目を目指して頑張ってほしい」とこれ以上ないエールを送った。
前人未到となる6度目のダービー制覇を果たした先にあるのが、世界のホースマンたちの夢でもある凱旋門賞。
武豊はそんな果て無き夢をドウデュースとともに今年も追いかける。
■文/福嶌 弘