斉藤和巳が解説!根尾昂、二度目の登板から見る”ピッチャーとして必要なボール”とは?衝撃を受けた投手は「野茂英雄」
2022.5.30
29日のオリックス戦(京セラドーム大阪)で、今シーズン2度目の1軍マウンドに立った中日・根尾昂選手(22)。
沢村賞に2度輝いた斉藤和巳が語る根尾二刀流の現在地とは?投手と野手のストレートの違いとは?
斉藤和巳氏 インタビュー
ー根尾昂選手のピッチングを見てどう思った?
甲子園でも見ていたので、投球フォームは綺麗な投げ方をしていて能力は高いなと。もしかしたらピッチャーとしてもできるんじゃないかと周りが可能性を感じてしまうだろうなと思いました。
ー球速150キロを計測したことについては?
彼の持って生まれた能力だと思います。ただ、この2試合は1イニングずつ投げましたが、ヒットを1本ずつ打たれています。ピッチャーでいくのであれば、まだまだ練習して試行錯誤していかないといけないと思います。
ー投手としての根尾選手の課題は?
投球フォームはオーソドックスで、正直バッターから見ると怖さはないと思います。ピッチャーとしての体の使い方、バッターがタイミングを取りづらい投球フォームだとか、真っ直ぐ以外の変化球も駆使しながらやっていかないと中々抑えることはできないと思います。
そのあたりをしっかり時間を作ってやらないと、そんなに甘い世界ではないので簡単なものではないと思います。
ー野手と投手のスピードボール、一番の違いは?
やっぱり投球フォームじゃないですかね。ただ速いボールを投げるだけでは(いけない)。ピッチャーの中にもスピードボールを投げる割にはバッターにタイミングを合わせられやすいピッチャーもいます。
例えば、ソフトバンクの和田毅投手は150キロや160キロの球を投げるわけではないのに、140キロ前半から中盤の球で空振りが取れます。そういうボールがピッチャーとして必要なボールなんだと思います。
それはキレだったり、バッターがタイミングを取りづらかったり、真っ直ぐと分かっていてもなぜか差し込まれてしまうとか。そういった部分は投球フォームが絶対に関わってくると思います。
ーキレのある真っ直ぐを投げるには?
まず体が強くないとね。ピッチャーにとってはバランスが一番大事です。線が細くてもいいので、自分に合った強さは絶対に必要だと思います。
その中で投球フォームのバランスが必要になってきますし、もっと必要なのは柔軟性です。肩甲骨や股関節の柔軟性はピッチャーにとってはより大事になってきます。
ーこの速球はすごいと思った投手は?
ここ最近は間違いなく野球のレベルが上がっていると思います。そうなるとやっぱり佐々木朗希投手(ロッテ)のストレートは質が違うなと思いますし、メジャーに行った大谷翔平選手が日本で投げている時もそう思いました。
ですが、自分が実際にピッチャーとしてやっている中で、「あの投げ方でこのボールを投げられる、このボールを投げる為にこの体の使い方をする、誰もが真似できない」と衝撃を受けたのは、野茂(英雄)さんです。
野茂さんのあの投げ方はただただ体を捻っている訳ではないので。あれだけ体を捻って、あれだけの投球フォームをするには相当な体の強さが必要です。野茂さんの投球フォームとあの真っ直ぐは、子どもながらにすごく衝撃でした。
体を捻れば捻るほど、最初に体を開かないと投げられなくて、開くということは止める、閉じる動作も必ず必要になってきます。下半身や体幹がしっかりその動きを受け止めないと、あそこまでの捻れを我慢して最後のリリースまで持っていくことはできません。中々難しいと思います。