【サウジカップ みどころ】日本ダート界のトップホースたちが砂漠の国で輝くか

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2024.2.24


ウシュバテソーロ Photo by Sajad Imanian ATPImages/Getty Images

今年も砂漠の国・サウジアラビアに世界の精鋭がやってくる。サウジCデーの開催がもう間もなくに迫ってきた。

2020年にサウジアラビアジョッキークラブが国際競走としてサウジCを創設。1着賞金は1000万ドル、レースの総賞金はなんと2000万ドルという世界最高額のレースとして話題を集め、当日にはサウジCを含めて8つの競走が行われ、うち6つは国際競走。

世界最高峰の実力馬たちがシーズン開幕緒戦として挑み、そして3月のドバイWCへと進む。

日本馬たちも創設から毎年のようにサウジCデー開催に参戦し、今年は22頭がエントリー。そのうち6頭がサウジCに挑む。(メイショウハリオが出走取消)

世界最高峰のダートGⅠ、勝てば世界最高額の賞金が得られるだけでなく、1ヶ月後に行われるドバイWCへの前哨戦としても重要な一戦だけに年々注目度が増加した。

昨年はパンサラッサが逃げ切って日本調教馬として初制覇の偉業を成し遂げた。そして今年からはJRAでサウジCの馬券発売が開始。競馬ファンにとっても大切な一戦となったサウジC。今回は、世界最高峰の一戦に挑む5頭を中心に紹介したい。

ちょうど1週間前、東京競馬場でフェブラリーSが行われ、混戦を切り開くかのようにペプチドナイルが抜け出して新たなダート王の座に就いた。その激走はこれまでダート界を制圧してきた馬たちに対する挑戦状にも思えた。

「ダート界の先代王者たち、サウジCではどんなレースを見せてくれるんですか?」と言わんばかりに。

そんな挑戦状を突き付けられた日本馬5頭。昨年のダートGⅠ界を盛り上げた実力馬たちが国内のフェブラリーSを蹴ってまで挑んだこの舞台。当然だが、その誇りを懸けた走りに期待したい。

そんな今年のサウジC、注目すべきはレモンポップだろう。

思えば昨年のレモンポップは年明け直後、ダートGⅠどころか重賞すら勝っていなかった無名の存在だった。

そんな彼が根岸Sで重賞初制覇を遂げると、フェブラリーSでは先行策から抜け出して危なげなく勝利。ダート馬らしからぬどこか清涼感すら感じさせたその走りはそう遠くない未来を明るく照らすものだった。

フェブラリーS制覇で勢いに乗ったレモンポップはそのスピードを生かすべく、ドバイゴールデンシャヒーンに挑戦。

初めての遠征となった一戦は持ち味を生かすことができずに10着に終わったが、そこからじっくりと立て直し、帰国緒戦となったマイルCS南部杯では軽快に逃げていくと、2着馬に10馬身以上の大差を付ける圧勝でドバイゴールデンシャヒーン大敗のショックを払しょくしてみせた。

そして迎えたチャンピオンズCでは自身初となる1800m戦が不安視されたが、終わってみればスタートから軽快に逃げていくとそのまま後続に捕まることなく逃げ切り勝ち。

終わってみればGⅠ3勝を含む5戦4勝、国内では無敗という素晴らしい成績で2023年の最優秀ダート馬に輝いてみせた。

文句なしの現役最強のダート王に就いて挑む、サウジCの舞台。直近2走のようにスタートから逃げの手を打てれば、レモンポップにビッグタイトルが近づいてくるはずだ。

デビューから22戦、一貫して芝で使われて3勝と一介の条件馬でしかなかったウシュバテソーロが目覚めたのは2年前の横浜S。

初ダートで馬が目を覚ましたのか、そこから連勝街道を驀進。毎回のように上がり最速を記録する黄金の末脚を武器に気が付けば東京大賞典、川崎記念を連勝。

そしてドバイWCでも世界の強豪馬を相手にシンガリ一気を決めて快勝。12年ぶりとなる日本馬の優勝を果たし、1年前からは考えられないような高みに上り詰めた。

秋はブリーダーズCクラシック制覇を目指し、日本テレビ盃をステップに臨んだが、小回りコースのサンタアニタパーク競馬場のコースレイアウトが合わずに5着完敗。

だが、暮れの大一番となった東京大賞典では後方待機策から突き抜けて、堂々の連覇を達成した。

末脚の破壊力はメンバーでも随一のものがあるだけに、438mもあるキングアブドゥルアジーズ競馬場の直線でも輝きを放つことだろう。

ブリーダーズCで敗れたホワイトアバリオへのリベンジとともに、意外にもこれが初対戦となるレモンポップとのガチンコ対決からは目が離せない。

海外での活躍も目立った2023年の日本ダート界。その中に勝ち星こそ挙げられなかったが、世界を拠点に活動してきた馬もいる。それがデルマソトガケだ。

ダート2戦目となった全日本2歳優駿を制覇したことで、同世代のダート馬たちにはもう敵はないとばかりに挑んだのが世界の舞台。

3歳緒戦はサウジダービー3着を経て、UAEダービーでは逃げて5馬身半もの大差を付けて楽勝。出遅れたケンタッキーダービーでは6着に終わったが、秋のブリーダーズCクラシックでは先行策を取ったことが功を奏し、直線でしぶとく伸びて2着。ウシュバテソーロにも先着してみせた。

前に付けていければしぶといレースを見せること、そして昨年、キングアブドゥルアジーズの馬場を経験しているというのは大きなポイント。遠征慣れしているところも強みとなるだろう。

このほか、昨年のサウジC5着に入ったクラウンプライドもサウジCに出走を予定している。

そんな日本馬たちにとって、最大のライバルとなるのはアメリカのホワイトアバリオだろう。

3歳時にフロリダダービーを制した実力馬ながら、その後精彩を欠くも、昨年ダドローJr.に転厩したことで馬が変身。昨年8月にホイットニーSで2着馬に6馬身1/4もの大差を付けて押し切ると、その勢いのままブリーダーズCクラシックも勝利。

スタートからスッと前に付けていける素軽いスピード、そしてパワフルな走りは日本馬への脅威となるだろう。

日本ダート界の精鋭たちがこぞって挑む今年のサウジC。昨年同様、日本の競馬ファンを熱狂させることができるだろうか。


■文/福嶌弘

<サウジカップ(G1)>
第9レース 1,800メートル(ダート)
JRA発売レース(日本時間 2月25日(日)2時40分(現地時間 2月24日(土)20時40分)発走予定)
賞金総額 20,000,000米ドル/1着賞金 10,000,000米ドル

馬番-ゲート番 馬名(性齢・調教国)騎乗予定騎手
1-14 カーメルロード(牡4・沙) C.オスピーナ
2-6 クラウンプライド(牡5・日)J.モレイラ
3-9 ディファンデッド(セ6・沙)L.サエス
4-13 デルマソトガケ(牡4・日)C.ルメール
5-8 ホイストザゴールド(牡5・米)J.ヴェラスケス
6-2 アイソレート(牡6・首)J.ロザリオ
7-3 レモンポップ(牡6・日)坂井瑠星
9-7 ナショナルトレジャー(牡4・米)F.プラ
10-10 パワーインナンバーズ(牡4・沙)A.アルファライディ
11-5 サウジクラウン(牡4・米)F.ジェルー
12-4 セニョールバスカドール(牡6・米)J.アルバラード
13-11 ウシュバテソーロ(牡7・日)川田将雅
14-1 ホワイトアバリオ(牡5・米)I.オルティスJr.
15-12 スコットランドヤード(牡5・沙)L.モラレス
※8番メイショウハリオ出走取消