【サッカー】J1優勝争いは最終節決着へ 首位の鹿島アントラーズか2位柏レイソルの逆転か

サッカー

2025.12.6


鹿島アントラーズ 写真:松尾/アフロスポーツ

今季のJ1リーグ首位の鹿島アントラーズか、勝ち点1差で追う2位の柏レイソルか。混戦が続いてきたJ1リーグ優勝戦いはシーズン最後まで続き、12月6日の最終節で決着する。

鹿島は横浜F・マリノスと、柏は町田ゼルビアと、いずれもホームで対戦する。

鹿島が勝てば2016年以来通算9回目、柏は2011年以来2度目のリーグ制覇となる。勝ち点1差でリードする鹿島は勝てば無条件で、引き分け以下でも柏の結果次第で優勝が決まる。

一方の柏は勝利した上で鹿島が引き分け以下なら逆転優勝となる。引き分けた場合でも鹿島の結果次第で優勝の可能性がある。

鹿島も鹿島もリーグ制覇への両者の思いは強い。それは前節11月30日のそれぞれの試合にもよく表れていた。

前節、鹿島は勝って柏の結果次第で優勝が決まる可能性もあったが、一方で、落とせば最終節を前に首位を柏に明け渡す可能性もあった。

その状況に、東京ヴェルディとのアウェイ戦では、「見えないプレッシャーがあったのかも」(鹿島・鬼木達監督)という苦しい前半だったが、GK早川友基の好セーブと後半の交代選手の活躍で1-0の勝利を挙げた。

試合の流れを変えたのは、「圧力、迫力を持たせるのは自分の武器」というMF松村優太の途中出場。54分からピッチに入るとスピードと推進力を活かして攻撃のテンポを作り、その後投入されたMF荒木遼太郎とMF舩橋佑とともに攻撃をけん引した。

そして74分、投入直後の荒木が相手のパスミスを逃さずに回収して前線へ送り、FWレオ・セアラがシュート。相手GKに当たったリバウンドに松村が飛び込んで押し込み、これが決勝点になった。

その後はヴェルディのDF谷口栄斗のミドルシュートがポストに弾かれる運もGK早川の好セーブもあってゴールを死守。勝ち点3を重ねて首位を堅守した。

鹿島MF三竿健斗は、「自分たちがうまくいかない中でも前半をゼロで折り返すところは、みんなで揃えてやれていた。我慢強く、粘り強くとみんなで話していたし、どこを守るかみんな分かっていた」と言った。

今季の鹿島には自分たちの流れではない試合でも、崩れずに耐えきる守備力があり、徹底した共通理解を感じられる。松村のように、後半から投入されて試合を変える戦力の存在も大きい。

鹿島はここまで22勝7分け8敗。そのうち1点差での勝利は18試合ある。総得点56はリーグ4位だが、総失点30は広島の27に次ぐリーグ2番目の少なさだ。

今季の戦いについてGK早川は、「失点しない部分が大きい。それがあるから、『1点獲って勝つ』というゲームが多い。点を獲れる選手がいるので、そこにうまく繋げられているかと思う」と指摘した。


横浜F・マリノス(c)SANKEI

鹿島は最終節、好調マリノスと

最終戦に鹿島がホームで対戦するマリノスは現在4連勝中だ。

今季は結果を出せずに低迷し、J2降格の危機に直面して2度の監督交代を行うなど、苦しいシーズンを送ってきた。だが、10月の代表ウィークでの中断を経て攻守に積極的で安定したプレーを披露。

11月9日のアウェイ京都戦では3-0で圧勝してJ1残留を決定づけたが、今季優勝争いを繰り広げてきた京都に全く見劣りしない試合運びを見せた。現在は14位まで順位を上げている。

マリノスは鹿島戦には中盤で攻守に貢献度の大きいMFジャン・クルードが警告の累積で不在だが、鹿島にとって気の抜けない相手であることは間違いない。今季前半戦の5月の対戦ではマリノスが3-1で勝利した。

優勝がかかる最後の一戦へ、鹿島GK早川は「勝つだけ。そこにどれだけ力を注げるか」と話し、松村も「優勝への思いが強い方が勝つと思うので、全員で迫力を持ってやりたい。強い鹿島を思う存分見せつけて、最後に笑えればいい」と話している。


柏レイソル 写真:森田直樹/アフロスポーツ

5連勝の柏、ホームで天皇杯Vの町田と

柏は前節、アウェイでアルビレックス新潟と対戦して3-1で勝利して、勝ち点を鹿島の73に対して72として2位をキープ。

6試合ぶりに先発したFW細谷真大が「ゴールでチームを勝たせる仕事をしたい」と前半で2得点、後半に1得点を決めてプロ初というハットトリックでチームの勝利に貢献し、逆転優勝へ望みをつないだ。

柏のリカルド・ロドリゲス監督は、「とても価値のあるポジティブな勝利だ」と話し、相手のかけてきたプレスに対して思うようなビルドアップができない中、「攻撃的に戦って複数ゴールを獲ることができた」と選手たちの働きを評価。最も重要な勝ち点3を手にしたことを喜んだ。

新潟戦の勝利で柏は5連勝。8月22日の第27節から11戦負けなし(7勝4分け)と好調を維持している。しかも、この試合の3得点で柏の総得点は59でリーグ2位タイの成績で鹿島の56を上回った。得失点差は25で、鹿島の26に1差だ。

柏は最終節、勝って鹿島の結果待ちとなるが、引き分けた場合でも、鹿島が2点差以上で敗れるか、鹿島が1点差での敗戦の場合柏が総得点で鹿島を上回る必要がある。前節加えた3得点1失点が最後に影響しないとも限らない。

また、ケガで戦列を離れていたMF久保藤次郎が途中出場ながら8試合ぶりにピッチに戻ってきたのは朗報だ。

最終節で柏がホームに迎えるのは町田。現在は6位だが今季途中まで優勝争いに絡んでいた。

10月4日からリーグ戦は4試合連続で未勝利(2分け2敗)だったが、11月22日の天皇杯決勝で連覇を狙っていた神戸を3-1で下すと、その後のAFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)の試合でも自信溢れるパフォーマンスでアウェイ戦に勝利。

30日のリーグ戦でも名古屋に3-1で勝って波に乗っている。

攻守に高さのある選手を揃え、トレードマークのロングスローも健在だ。柏には今季前半の5月のホームでの対戦で3-0と勝利している。柏にとって手強い相手と言えそうだ。

細谷は、「負けたら終わり。しっかり自分たちのプレーをして勝って優勝したい」と言った。

取材・文:木ノ原句望