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2016.12.09

対照的だった張本の成長と 「みうみま」の困惑【卓球・世界ジュニア選手権大会】

6種目で計7個のメダルを持ち帰った日本代表選手団|写真:高樹ミナ

 今年の世界ジュニア選手権が終わった。日本は男女団体がアベック優勝。男子シングルスでも弱冠13歳の張本智和(JOC エリートアカデミー)が大会最年少記録で優勝の快挙を果たした。

 一昨年(2014年)の上海大会、男女団体で銀メダルを獲得した日本は、翌2015年のヴァンデ大会で打倒中国に燃えていた。ところが大会直前に発生したパリ同時多発テロ事件を受け、日本選手団の派遣自体が取り止めに。日本卓球協会も議論に議論を重ね、選手の要望も聞いた上で苦渋の決断を下した。渡仏を予定していた記者の私も、手配済みの航空券のキャンセルを余儀なくされたが、そのことよりも、当時のメンバーが十分に優勝を狙えただけに悔しい思いをした。

 しかし、別のメンバーで臨んだ今年、遠く離れた南アフリカの地で、日本のジュニアたちが奮闘。特に女子は中国との直接対決を制して金メダルをつかんだだけに、選手はもちろん、この大会を最後にジュニアの代表監督を退く呉光憲監督の喜びはひとしおだった。

 男子も4人のメンバー全員が世界ジュニア初出場という中、田勢邦史監督のもと力を合わせて厳しい試合をよく乗り切った。キャプテンとしてチームを盛り立てたムードメーカーの龍崎東寅が、「すごくいいチームだった」と語っていたが、連日、側で見ていた印象もその通りだった。

 そんな中、8日間の長丁場に及んだ大会期間中には、さまざまな悲喜こもごもも見られた。とりわけ女子の優勝候補として臨んだ平野美宇、伊藤美誠の「みうみま」コンビには試練の大会になったと言わざるをえない。団体準々決勝のルーマニア戦で不発に終わった平野は、準決勝の香港戦でメンバーから外され、再び起用された決勝の中国戦でも黒星。チームの優勝に貢献できなかったとの思いが募った。

 さらに第1シードで臨んだシングルスとダブルスでも調子が上がらず困惑を隠せない様子だった。その原因を「ワールドツアーでは向かっていく立場が多いのに、ここでは向かって来られる立場になって対応できなかった」と平野。10月のワールドカップで史上最年少優勝を果たし世界ランキングを9位に上げて、長らく目標にしてきたトップ10入りを果たした矢先だっただけに、必要以上の気負いを感じてしまったようだ。

 また、シングルス 1回戦敗退と精彩を欠いた伊藤は、「団体戦で優勝した後、気持ちを切り替えられなかったのか、シングルスは入り込めなかった」と集中力の欠如を敗因に上げている。平野にしても伊藤にしても、この一年でまた成長をしたぶん、今は次のステージへステップアップする過渡期にあるのかもしれない。

 これとは対照的に、まだ随所にミスが出る荒さはあるものの、苦しい展開を一蹴する勝負強さを見せたのは張本。シングルス優勝を決めた後、その秘訣を聞いたところ「気合いです」とはにかむあたりに13歳らしい素顔が垣間見える。

父子二人三脚で念願の栄冠を手にした張本親子|写真:高樹ミナ

 さて、日本の勝利に水をさすわけではないが、強敵の中国は今大会にベストメンバーを送り込んできたわけではなかった。例えば、女子ジュニアの実力ナンバーワンといわれる王曼昱(17歳)は中国超級リーグに参戦中で世界ジュニアには出ていない。そのことを選手たちはよく理解しており、すべての試合が終わった後に早田ひなが語った、「大会前から自分たちが最終日に残るのは当たり前だと、気持ちの準備をしていた」という言葉に、中国の背中を追う日本の課題感がにじんだ。


<上位の結果>
【男子団体】
優勝:日本
準優勝:韓国
3位:中国、台湾

【女子団体】
優勝:日本
準優勝:中国
3位:香港、韓国

【男子シングルス】
優勝:張本智和(日本)
準優勝:趙勝敏(韓国)
3位:楊碩(中国)、呉柏男(香港)

【女子シングルス】
優勝:石洵瑶(中国)
準優勝:麥子詠(香港)
3位:加藤美優(日本)、ディアコヌ(ルーマニア)

【男子ダブルス】
優勝:安宰賢・趙勝敏(韓国)
準優勝:張本智和・龍崎東寅(日本)
3位:カサン・セイフリード(フランス)、黄建都・林昀儒(台湾)

【女子ダブルス】
優勝:ディアコヌ・ドラゴマン(ルーマニア)
準優勝:早田ひな・加藤美優(日本)
3位:劉麒・黄芊柔(香港)、麥子詠・蘇慧音(香港)

【混合ダブルス】
優勝:趙勝敏・金智淏(韓国)
準優勝:松山祐季・早田ひな(日本)
3位:徐海東・袁媛(中国)、ヨルジッチ・ルプレスク(スロベニア・セルビア)

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