2017.09.17
悩める平野美宇、力をつけたがゆえの苦悩を吐露
平野美宇/Miu Hirano (JPN)写真:西村尚己/アフロスポーツ
第30回アジアカップ卓球大会<アーメダバード(インド)>(9月15日~17日)、いまや世界王者中国にもマークされる存在となった平野美宇(JOCエリートアカデミー/大原学園)がアジアカップで精彩を欠いている。予選リーグを通過できずプレーオフから何とか決勝トーナメントの準々決勝に滑り込んだものの、待ち受けていたのは世界ランク3位の強敵、朱雨玲(中国)。予選リーグでも同じグループでストレート負けを喫したが、決勝トーナメントでもやはりストレートで敗れてしまった。
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だが、受け身に回った予選リーグの試合内容に比べると積極的に攻めていく姿勢が戻り、得意のバックハンドやサーブを起点にした3球目攻撃などでポイントを重ねる場面が増えて、本来の平野の持ち味である超攻撃卓球が随所に見られた。実際、本人も「昨日(予選リーグ)よりはいい試合ができたと思う。昨日は気持ちがダメだった。気持ちを切り替えるのは難しかったが、今日は誰に対しても向かっていこうと思い、少しは良くなったのかなと思う」と話している。
気持ちが前向きになれないの理由は何なのか? 平野にたずねてみると、「この1年、成績が良かったから、いつの間にか自分が格上だと思ってしまって、海外の選手に負けちゃいけないという気持ちが大きくなり、ちょっとミスが出ると焦ってしまうことが多くなった」という悩ましい答えが返ってきた。
日本人48年ぶりとなる女子シングルスのメダル(銅)に輝いた世界卓球2017ドイツ(デュッセルドルフ/5月29~6月5日)後はモチベーションを維持するのも容易ではなかったという。その中にあって、今夏はそれまで大会続きで手のつけられなかった反省練習に取り組み、一つひとつのプレーに高い意識を持つよう心がけてきた。その成果を今回のアジアカップで発揮したいと臨んだが、「初日は気持ちが押されて、練習してきたことが全然発揮できなかった。でも、2日目にはだいぶ発揮できたんじゃないか」と話している。
「『勝たなきゃ』という気持ちが大きくなりすぎてしまっている。もっと思い切って、卓球を楽しむぐらいの気持ちで試合に臨みたい」と必死に前を向こうとする平野。大きな試練をまた一つ乗り越えようとしている。
(文=高樹ミナ)
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