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2019.03.29

卓球黄金世代「早田ひな」石田コーチと二人三脚で歩む『東京五輪』への道

早田ひな、伊藤美誠 Photo:Itaru Chiba


そこに秘められたドラマを、あなたはまだ知らない

出場した全試合で負け無し、破竹の11連勝。Tリーグ初代MVPに選ばれた「早田ひな」

早田は、2000年生まれの18歳。同い年の伊藤美誠、平野美宇らと黄金世代と呼ばれている。今年1月の全日本選手権では、あの石川佳純に勝利。さらに先月、元世界ランク1位の劉詩ブン(中国)と対決し見事、優勝を飾った。

早田ひな、伊藤美誠、平野美宇


今年2月、早田の練習場所を訪ねた。そこでラリーの相手を務めていたのは、早田と親子ほど年が離れた石田大輔コーチ。練習を終えると、早田が栄養を切らさないようにフルーツを準備するなど、卓球の指導だけでなく体調管理など早田のことは全て1人で面倒を見ている。早田曰く「父さんとお母さんが一緒になった感じ」だそう。

北九州で産声を上げた早田。卓球との出会いは4歳。姉が通っていた卓球場についていったところ自分からやりたいと言い出したそう。たまたま訪れた近所の小さな卓球場。それが石田コーチの父が代表を務める「石田卓球場」だった。そこで代表はすぐに妹の才能を見抜く。

代表「姉が来た後にすぐ妹がやって、これ妹にさせた方がいいと。見た瞬間に感じたスタートでしたね。プロの目として見た時に、この子はいけそうだなという感覚ですね」

30年の歴史を持つ石田卓球場だが、早田ほど才能を感じさせた子はいなかったという。早田はその期待に応え、著しい成長を遂げる。小学6年生になると、当時すでに同世代のトップだった平野美宇に勝利。中学2年の全国大会では伊藤美誠と対決すると、体格を活かしたパワーで伊藤を圧倒。初の日本一に輝いた。

早田を、北九州から世界へ羽ばたかせる。そんな石田卓球場の夢を託されたのが、息子である石田コーチだった。当時、大手企業に勤めるサラリーマンだった石田コーチは悩みに悩んだ結果、早田の才能に夢をかけると決断し安定を捨てた。石田卓球場の夢を背負って、2人の世界一への挑戦が始まった。

目指しているのは、東京オリンピックのシングルス代表入り。その為に強化しているのは日本語の勉強。一体、卓球にどんな効果があるのか?石田コーチに聞いてみると...

コーチ「ひなも感性豊かで明るいけど、それを言葉にするのは苦手だから。スポーツの勉強もする。漢字の勉強もする。言葉の勉強もするっていうのは、今のひなにとって重要かなって」

この言葉を裏付けるシーンがある。ゲームオールまで追い込まれたピンチ。すると...早田が、独りでしゃべり始めた。身振り手振りを加えて、しきりに自分に何か言い聞かせている。不安やストレスを言葉にして理解し、自分で解決する。早田はこの大会で、優勝をつかみ取った。

松﨑太佑コーチ、伊藤美誠、早田ひな、石田大輔コーチ Photo:Itaru Chiba


さらに早田を成長させているのが、ダブルスを組む伊藤美誠の存在だ。リオオリンピックでは、史上最年少でメダルを獲得。東京オリンピックの代表最右翼であり、早田にとって、先を行かれるライバルだ。

そんな2人が組むダブルスは、世界を席巻している。世界卓球で銅メダル獲得。去年はグランドファイナルに初優勝しダブルス世界ランク1位まで登りつめた。今月2日、世界卓球の日本代表最終選考会。オリンピック出場を目指す早田にとって、夢へのスタートを切る大会だ。

オリンピックのシングルス代表に選ばれるのは、来年1月時点での世界ランク上位2名。そこに入るには、今年の世界卓球で得られるポイントがほぼ必須条件。ライバルたちがすでに出場を決めている中、早田は最後の一枠を掴まなければならない。

大会は8名によるトーナメント形式。早田は危なげのない試合で初戦を突破した。準決勝の相手は世界卓球(2017年ドイツ)ベスト16の加藤美優。早田には格上の強敵だ。試合は早田が得意のフォアハンドも決めるなど、2ゲームを連取。しかし...相手がサービスの形を変えてきた。しゃがみこみながら打ち、ボールに強烈な回転をかける独特のサーブ。このサーブに早田は終始苦戦しついには敗れてしまった。

こうして早田は、今年の世界卓球シングルスの出場を逃した。しかし数日後、早田に笑顔が戻った。実は選考会後、これまでの実績が評価されダブルスでの世界卓球出場が決まったのだ。

早田「卓球って本当に最後は自分との戦いだなっていうのはすごく感じたので、自分らしく、自分を見失わないように、最後は最高の早田ひなっていう感じを作り上げていきたいかなって」

早田と石田コーチが二人三脚で歩む道はきっと"東京"まで続いている。

早田ひな

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