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2019.05.21

伊藤美誠「自分のコピー選手は作れるはずがない」東京五輪に向けてさらなる挑戦の日々

伊藤美誠 Photo:Itaru Chiba

そこに秘められたドラマを、あなたはまだ知らない

去年12月、卓球界のアカデミー賞と言われるビッグイベント「ITTFスターアワード」。世界卓球MVPを受賞したのは、伊藤美誠。

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快進撃の1年だった。世界卓球決勝、相手は対日本人37連勝中だった中国の劉詩ブン。しかしそんな超一流選手との戦いを前に伊藤は「緊張は1個もしてないですよ、楽しみが1000で緊張は0」

伊藤美誠 Photo:Itaru Chiba


その言葉は、ハッタリではなかった。強烈なスマッシュで、次々と得点を奪っていく。そして世界卓球8戦全勝。この活躍でMVPに選ばれた。

11月にもビッグニュースが続く。リオの金メダリスト丁寧に圧倒的勝利をおさめると、さらに(当時)世界ランク1位朱雨玲からも大金星を奪った。主力選手を次々と倒された中国では、伊藤を「大魔王」と呼び恐れている。


卓球選手だった両親の元、2歳から卓球を始めた。世界への扉を開いたのは、11歳で訪れたロンドン。夢舞台の眩しさに、衝撃を受けた。すると、その夜...

伊藤「4年後には、この大きな舞台に立ちたいです。そして8年後には、オリンピックで優勝したいです」

その4年後、有言実行の銅メダルを獲得した。今では、世界中から研究される存在。中でも最も警戒を強めているのが中国だ。卓球選手を国家プロジェクトで強化する中国。リオオリンピックでは、全種目で金メダルを独占した。

トップ選手となれば年収2億円を超すと言われている。その強さの理由が...、コピー選手だ。プレースタイルからラケットまで、ライバルをコピーした選手が練習相手。中国ならではの対策で、これまで多くの日本選手が苦しんできた。

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しかし伊藤は...「たくさんコピー選手をつれてくるけど、違うなと思う。練習してどうぞ」

自分のコピー選手は作れるはずがない。その自信には理由がある。1球1球で変化する伊藤のプレーは誰もマネすることができないから。なぜそんな事ができるのか? ヒントは、取材中に見つかった。

なんと伊藤はラリーの最中に、喋りながらアイデアを出しているのだ。本人と指導する松﨑コーチに聞くと...

松﨑太佑コーチ「試合になったら自分で考えないといけない。タイムアウト、セット間しかコーチとしゃべる時間はないので、自分で考える力が大事」

伊藤「中国選手に、えっ何考えてるのって思わせる。読めない、そこが自分らしさ」

伊藤が規格外なのはそれだけではない。今年3月、カタール。伊藤は世界卓球で3種目に出場、多い時は1日に何試合も戦うという挑戦を始めた。

まずはシングルス。危なげない戦いで、見事勝利。

続いて、早田ひなとコンビを組むダブルスでも... 順調な勝ち上がり。

しかし、喜びもつかの間。続くミックスダブルスまでは、休憩時間はたったの20分。練習をする間もなく、試合に臨んだ。序盤は順調に得点を奪ったが、徐々にミスが出始めフルゲームにもつれ込む接戦に。それでも伊藤は気を落ち着かせ、笑顔を作った。18歳とは思えないたくましい精神力で逆転勝利。

次は同い年の早田ひなと組むダブルス(世界ランク1位)伊藤が得意とする種目だ。ただ準決勝の相手は、中国最強ペア。しかもこの日、4試合目。疲労が募り、考える卓球が出来なくなっている。まさかの、ストレート敗退。自分の卓球ができないもどかしさ。

でも落ち込んでいる暇もなく、次の試合が迫っている。次の対戦相手は、中国の丁寧。結果はストレート負けと完敗だった。試合後、悔しさと不甲斐なさで涙があふれ出す。


伊藤「試合で負けた事より、5試合目で頭が働かず、自分のプレーを発揮できなかったのが悔しい。3種目は体がきついより、頭の疲労が大きい。ひなの為にも勝ちたかった」

3種目への挑戦が甘くないと、痛感した伊藤。ここから東京五輪に向けてさらなる挑戦の日々が続いていく。

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