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2019.06.16

【卓球】張本、伊藤に大波乱も中国トップ選手に2つの大金星<ジャパンOP>

張本智和 伊藤美誠 Photo:Itaru Chiba

14日から決勝トーナメントに突入したITTFワールドツアー・プラチナ「LION卓球ジャパンオープン荻村杯札幌大会」(6月12~16日/北海道立総合体育センター)に激震が走った。昨年の同大会で優勝した張本智和(木下グループ)と伊藤美誠(スターツ)が男女シングルスで1回戦負けという大波乱。

相手はいずれも難敵の中国人選手だが、張本は初対戦の相手から1ゲームも奪えず、まさかのストレート負け。伊藤も先週の香港オープン同様、自分本来のプレーができずゲームカウント2-4で敗れた。

 大会連覇が期待された張本の対戦相手は22歳の孫聞。このジャパンオープンがワールドツアーデビュー戦で、他には今年2月に行われたチャレンジ・プラスのポルトガルオープンに出場したのみ。そのため世界ランクも599位と低いが、それでも侮れないのが中国人選手に見る層の厚さだ。

張本の特長は相手の球威を利用し早い打点で打ち返す高速卓球だが、孫聞は回転量の多いボールで緩急をつけ張本のオーバーミスを誘ったり、チキータについても「回転重視でゆっくり来た。遅いボールでタイミングが取れなかった」と張本は言う。

同じ中国人選手でも先週の香港オープン決勝で張本が負けた林高遠や世界ランク1位の樊振東、世界王者の馬龍らとはまた違うタイプの選手に対し、どう戦っていくか。張本にとって、また新たな課題と直面した一戦となった。

 伊藤も香港オープンに続き不完全燃焼に終わった。「悔しいというか悔いの残る試合だった」と本人。対戦した顧玉テイ(中国)はこれまで勝ったり負けたりの相手だが、今回の試合は「1点を取ることに執着し過ぎて、先を見られなかった」と振り返る。伊藤といえば柔軟な思考と独創的なプレーで知られるが、なぜそこまで頑なになっているのか? それは世界卓球2019ハンガリー(個人戦)女子シングルス3回戦の敗戦に端を発する。「孫穎莎選手と試合をした時に1点を取る難しさを改めて知った」からだと伊藤。

彼女を警戒する中国はその対策に躍起で、ここ最近の伊藤は対中国人戦で自分らしいプレーをさせてもらえなくなっきている。そんな中で試合中も迷いがあるというが、「それでも勝てる実力と自信を持ちたい」とやや目を潤ませながら話した。

 一方で明るい話題もあった。現在16歳で世界ランク39位の長崎美柚(JOCエリートアカデミー/大原学園)が女子シングルス1回戦で世界ランク4位の朱雨玲を撃破。

ゲームカウント4-1で破る大金星を挙げた。「初めて中国のトップ5と試合をして勝てた。自分の技術がトップに通用すると実感した。一番大事にしたのは気持ちの面。精神的に安定してプレーをすることを心がけた」と長崎は大きな勝利を振り返った。

さらに同種目の2回戦では北海道出身のカットマン佐藤瞳(ミキハウス)が3度の世界女王に輝いた丁寧(中国)に逆転勝ち。ゲームカウント4-2で強敵から勝利をもぎ取り、地元ファンを大いに沸かせた。

守備型のカットマンが丁寧のような攻撃型で、しかもカット打ちを苦にしない選手に勝ったことには価値がある。その点について佐藤は、「自分自身、カットマンは勝ち続けるのが難しい戦型だと感じているが、だからこそやりがいがある。歴史を変えていけるよう、カットマンを代表するつもりで頑張っていきたい」と喜びを噛み締めながら話した。

 そしてもうひとり、順調に勝ち進んでいるのが平野美宇(日本生命)だ。世界卓球2019ハンガリー(個人戦)でも加藤美優(日本ペイントホールディングス)とともに日本女子最高のベスト8に入ったが、その後も調子は上向きで、朱雨玲を下し女子シングルス2回戦に勝ち上がってきた長崎をゲームカウント4-1で退けた。

「挽回されたりリードされたりした場面でも、その原因を分析し落ち着いてプレーできた」と平野。さらに「自分のタイミングが掴めるようになって、無駄なミスが減った。試合をコントロールできるようになってきた」と終始表情は明るい。この言葉の背景には高速卓球で成績を伸ばした2017年シーズンのイメージが自分の中で強過ぎ、状況に応じた打球の強弱の判断ができなくなった時期が長引いたことがある。そんな平野の準々決勝の相手は丁寧を倒した佐藤だ。

 そのほか活躍が期待された上位陣では水谷隼(木下グループ)が男子シングルス2回戦、石川佳純(全農)が女子シングルス2回戦、丹羽孝希(スヴェンソン)が男子シングルス1回戦で敗退。また丹羽/伊藤の混合ダブルスも準々決勝敗退に終わった。混合ダブルスでは張本/早田ひな(日本生命)ペアが決勝進出。女子ダブルスは木原美悠(JOCエリートアカデミー)/長崎ペアも準決勝に駒を進めている。

(文=高樹ミナ)

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