2019.11.08
張本智和と吉村真晴が明かすドイツ戦逆転勝利の理由<卓球 W杯団体戦>
張本智和 Photo:Itaru Chiba
メダルのかかった大一番で日本男子が躍動した。大会2日目の「JA全農卓球ワールドカップ団体戦2019TOKYO」<11月6~10日/東京体育館>男子準々決勝。予選グループリーグ2位通過の日本は五輪3大会連続メダルの強敵ドイツと対戦し、マッチカウント3-1で勝利。準決勝進出を決めるとともに銅メダル以上を確定させた。
【LIVE配信】卓球ワールドカップ団体戦 11月6日(水)~10日(日)開催
チームランク2位の日本にとって同3位のドイツは実力伯仲のライバルだ。しかし、個々の選手の力は元世界ランク1位のボルやオフチャロフのいるドイツが一枚上。日本の若きエース・張本智和(木下グループ)も「決勝に行くためには勝たなきゃいけない相手」と警戒する。そのドイツから勝利を奪った立役者は張本と吉村真晴(名古屋ダイハツ)だった。
第2、4試合にエース起用された張本は第1試合のダブルスで丹羽孝希(スヴェンソン)/吉村ペアが敗れる中、過去連敗を喫しているオフチャロフとの対戦で、ゲームカウント3-1の初白星を挙げた。バトンを渡された時の心境を「チームがリードされている状況で一度も勝てたことのない選手と試合をするのは少し不安だった」と振り返るが、メダルのかかった大事な一戦でどうしても勝ちたい気持ちが優った。
「自分はとにかくシングルスに集中しようと決めていた。オフチャロフの多彩なサーブにはどんな選手も手こずるが、少し台から出たり甘くなったりしたところをレシーブで攻めて行った。相手の一番の武器はサーブなので、そこを崩せたのが良かったと思う。(今年4月の)世界選手権以来、ずっと地道に練習を積み重ねてきたフォアドライブもやっとその成果が出てきている」
さらにオフチャロフとの第4ゲームで飛び出した"張パンチ"こと張本のスマッシュについて、「とっさに体が反応した。やろうと思ってやっているのではないので、そういうプレーが出たということは状態が上がってきている証拠」とも話した。
吉村真晴 Photo:Itaru Chiba
この張本の勢いを引き継ぎ、相手チームのエースのボルから初勝利を挙げたのが吉村だった。しかも3-0のストレート勝ちだ。とりわけ得意のサーブからの3球目攻撃は決まりに決まった。吉村は勝因をこう話す。
「前回対戦した(今年6月の)香港オープンで3-1から逆転負けしたが、苦手意識はなかった。終始サーブが効いて、自分の得意なフォアハンドから連打で攻めることができた。終盤になってから逆回転のアップダウンサーブが台から出て狙い打ちされてしまったが、順回転の横回転系や下回転のサービスも効いた。サーブのバリエーションの多さで相手に的を絞らせずに攻め切ることができた」
前日に行われた予選グループリーグのイングランド戦では、ここまでのコンディションの良さを発揮することができず、もどかしさを感じたという。だが一度負けたことで冷静になれた。「自分の弱さを認め、チャレンジャーとしてドイツ戦の舞台に立つことができた」と吉村。そんな気持ちにさせてくれたのは、指揮官の倉嶋洋介監督とチームメンバーの「大丈夫だよ、自信を持って戦っていこう。あとは覚悟を決めて戦うしかない」という言葉だったそうだ。
男子日本代表 Photo:Itaru Chiba
張本も言う。「水谷(隼)さんがいない中で本当にメダルが取れるのかと言われてきた。厳しいドローになっても勝ち上がってメダルが取れたのは、僕たちにとって大きな自信になった。誰を欠いても日本は戦えるんだという強さを見せられた」と。
吉村からバトンを引き継いだ張本は、「ここは絶対に自分が決めるしかない」という強い気持ちで第4試合に臨み、ゲームカウント3-1でドイツの成長株フランツィスカに勝った。強敵ドイツをシングルス3本で下した日本は準決勝で中国を迎え撃つ。最も超えなければならない大きな壁だ。「張本もたくましいエースに育ってきた。中国には団体戦で一度も勝ったことがないが、しっかり準備をして向かって行くだけ」と倉嶋監督。命運を握る大一番は9日(土)17時15分に試合開始予定。
(文=高樹ミナ)
<JA全農卓球ワールドカップ団体戦2019TOKYO>
男子団体準決勝
11月9日(土)17時15分試合開始
日本 VS 中国
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