
張本智和 写真:高樹ミナ
9月20〜28日まで9日間にわたって開催されたアジア競技大会の卓球競技。その全日程を終えた日本男子代表の張本智和(トヨタ自動車)が30日、トヨタスポーツ主催のトークショーに出演した。
前日に急きょ決まったにもかかわらず、大勢の観客が詰めかけ、会場の外にも人だかりができる盛況ぶり。
トヨタ自動車所属の元新体操日本代表・竹中七海さんの司会のもと、約30分間にわたり、張本がアジア競技大会の激闘を振り返った。
(c)SANKEI
最初の話題は、やはり中国を破って金メダルを獲得した団体戦だ。
60年ぶりの快挙達成を祝福され、「いざ取れて、やはり銀メダルよりも価値が違うなと思いました」と答えた張本。
試合直後のインタビューで「この瞬間を10年以上待っていた」というコメントしたときの気持ちを尋ねられると、こう答えた。
「僕が日本代表団体戦でプレーして、ちょうど10年経ったくらい。その前もテレビで中国に負けたり、銀メダルや銅メダルしか取れない姿を見てきました。その中で自分が出て、やっとチームの金メダル獲得に貢献できた。ここまで多くの先輩や僕自身の悔しい思いを積み重ねた上での金メダルで、ただのメダルではなく、いろんな人のいろんな気持ちが詰まった金メダルだという思いでした」

予選ラウンドからチームメートのパフォーマンスも雰囲気も良く、「金メダル、取れそうだな」と予感していたという張本。
「番狂わせではなく、中国に勝てるかもというのは感じていました。まぐれではなく、次やっても多分、日本が勝つ可能性が高いし、またその次もそうだと思うので、今回の金メダルはそのきっかけになる大事な金メダル」と語った。
そして、大きな話題となった名言「勝つから待っとけ」についても、司会の竹中さんが「流行語大賞になるくらい、仲間の心に届く言葉」と絶賛すると、会場から大きな拍手が贈られた。

さらに話題は大会期間中の食事へ。
もともと大の肉好きだった張本は、最近では少し大人になって「魚派になった」と話していたが、そんな彼の胃袋をつかんだのは、厚切りレアとんかつで知られる名古屋発祥の名店だった。
「矢場とんがすごく好きで、毎日食べてました。昼か夜、どっちかは行くっていうくらい。頼むメニューはロースとヒレの合わせた定食。名古屋といえばもう、矢場とんくらいの感覚なので、東京のお店でも食べたいです」
前回の2023年杭州大会はメダルなしに終わった張本。今大会は前半で悲願の団体金メダルに輝き、後半では篠塚大登(東都観光バス)とペアを組んだ男子ダブルスでも、ノーシードから勝ち上がり銀メダルを手にした。
それでも悔やまれるのは、ベスト8にとどまったシングルス。
「悔しい気持ちの方が強いというのが正直なところです。団体と同じくらいシングルスに懸ける思いは強かったので。いい思いも、悔しい思いも、どちらもした大会でした」
「団体の優勝は、初めてということに目を向ければ素晴らしいですけど、僕たちの最近の実力とパフォーマンスを見れば、金メダルを獲ることは不思議ではなかったので、獲った時も獲った後も、『60年ぶりだ!』という浮かれた感覚はなくて。初めてというのは嬉しかったけど、いつか始めなければいけない1枚目の金メダルに過ぎない。そういう中で、今は9対1くらいで悔しい思いの方が強いです」
ようやく手にした悲願の金メダル。その意味は重い。だが、勝ってなお気持ちを引き締めるエースの張本は、すでに次を見据えている。
「この金メダルを継続して取り続けるなければ意味がない。2年後のロス五輪や次のアジア大会(2030年ドーハ大会)も、しっかり金メダルをキープして、日本が一番強い状態を続けていきたいです」
文・写真=高樹ミナ



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