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張本智和「間違っているものは間違っている」準々決勝で世界344位に敗れる波乱 相手選手のサーブに疑問【卓球 アジア競技大会】

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張本智和(c)SANKEI

卓球競技7日目の9月26日。2日前、男子団体で金メダルを獲得し歓喜に沸いた日本のエース・張本智和(トヨタ自動車)が、男子シングルス準々決勝に臨んだ。勝てばメダルが確定する重要な一戦だ。

ところが、思わぬ伏兵に敗れ、メダルを逃す波乱となった。

相手はイランの34歳のベテラン、ノシャド・アラミヤン(以下、アラミヤン)。

過去3回の対戦は張本が全勝。2024年パリ五輪以来、約2年ぶりの顔合わせではあったが、実績や世界ランクを考えれば張本が優勢に違いなかった。

しかし、勝負に絶対はない。勝利の女神は非情にもアラミヤンに微笑んだ。

アラミヤンは張本から第1、2ゲームを連取。第3ゲームは張本がペースを握って奪い返したが、第4ゲームは再びアラミヤン。第5、6ゲームは張本が取り返し、迎えた最終の第7ゲームは張本が追う展開で9オールに追い付いた。

しかし、そこから2連続得点したアラミヤンがゲームカウント4-3のフルゲームを制し、金星を挙げた。

メダルを逃し呆然と立ち尽くす張本。それとは対照的に、喜びのあまり何度もジャンプするアラミヤン。

世界ランク4位の張本に対し、アラミヤンは344位。自己最高ランクは2012年12月の40位で、アジア競技大会では2018年ジャカルタ大会で男子シングルス銅メダルを獲得している。

今大会も3回戦で香港のエース、黃鎮廷(世界ランク・38位)をゲームカウント4-2で破り、準々決勝に駒を進めていた。

そんなアラミヤンの特筆すべきプレーは、ほぼ全てのボールをバックハンドで返球する独特なスタイルだ。

フォアハンドは、かつてイップス(無意識にできていた動作が突然できなくなってしまう心理的・心身的な症状)を発症したのを機に、ドライブは打たず、ブロックやスマッシュで返球するスタイルを確立。

そしてサーブは、強い逆横回転をかけるYGサーブと投げ上げサーブを多用する。

今回、このYGサーブが張本を苦しめた。

一見すると、張本がアラミヤンのサーブの回転を読み切れず、レシーブが守備的になったようにも見えた。

だが、試合が進むに連れて、アラミヤンのYGサーブがしばしばハイドサーブ(サーブを出す際の打球点を体で隠し見えにくくする反則行為)になっているように見えた。

実際、第3ゲームで審判がフォルトを取る場面があったが、それも1度きり。敗戦後、張本は釈然としない表情でこう振り返った。

「今大会、TTR(Table Tennis Review=専用カメラの映像で再確認するビデオ判定システム)がないので、そのルールをうまく利用されたかなと。審判も勇気を出してフォルトを取ってくれたところはありますけど、今回の環境では審判にできる限界かなと思います」

さらに最終ゲームの9オールに追い付いた場面について、こう語った。

「9-9のときに、また思い切り(ハイドサーブを)出されたので、レシーブはちょっと難しかった。違反は違反だし、間違っているものは間違っている。今までもクリーンなサーブの出し方だったわけじゃないですけど、その割合が増えた気はしますね」

一方で、「自分にも弱いところがある」と自戒する張本。

確かにアラミヤンのブロックは鉄壁で、ラリーのミスが少なく、持ち前のバックハンドクロスはまさにカミソリのごとく切れ味鋭かった。

「3ゲームは巻き返しましたけど、内容だけ見れば完敗と言っていいくらい。理由はいろいろありますけど、結果が全てなので、メダルを取れなかった、ただそれだけです。どんな理由であれ、この負けは認めるべきだし、まだまだ卓球の厚みが足りない、実力の厚みが足りないと思います」

悲願の団体金メダル獲得から一転、なんとも後味の悪い結末となってしまった。


文=高樹ミナ

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