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全ての人を幸せにしてしまう。不思議なチョコレートを売る母娘の物語
ショコラ

フランスの小さな村。世襲で代々治めているリーダー、レノ伯爵を中心に伝統と規律を守り、静かに生活を送っていた。住民たちは日曜日となると教会へ行き、神父の説教に耳を傾け、日々戒律を守って暮らしていた。
ある雪の日、北風と共に村に赤いコートに身を包んだ2人のよそ者がやって来た。ヴィアンヌ・ロシェとその娘アヌークの母娘だ。ヴィアンヌはチョコレートの効能を人々に伝えるために世界中を転々と移り暮らしていた。この村でもチョコレート・ショップを開くため、閉店したパン屋の持ち主である老女アルマンドのもとに向う。娘と絶縁して孫にも会えず、教会にもいかず、孤独に暮らしていたアルマンドは母娘に店を貸してくれる。よそ者のヴィアンヌが開店準備を始めた噂は小さな村にすぐに広まった。いったい、何の店が出来るんだろう。子供たちも、奥様たちもショー・ウィンドーから、期待と不安が入り混じった気持ちで飾られていく様を見守った。
 
ヴィアンヌのチョコレート・ショップが開店した。今まで見たこともない美味しそうなチョコレートが溢れた店内に、村人たちは目を輝かせた。しかもヴィアンヌは、それぞれの客の好みのピタリと合ったチョコレートを勧める能力を持っていた。そのチョコレートの効果はてきめんで、一粒のチョコレートで倦怠期の夫婦に愛の炎がよみがえり、老女に恋する老紳士は15年間秘めた恋に踏み出す勇気を得た。唐辛子入りのホット・チョコレートは、偏屈なアルマンドの固く閉ざされた心を解き、少女時代の恋の話に花が咲いた。さらに、厳格な母カロリーヌのもとで窮屈な思いをしている孫リュックと、チョコレートを通じて初めて心を通わせるようになった。
そんなある夜、夫セルジュに殴られ、顔にひどいあざを作ったジョセフィーヌがチョコレート・ショップに逃げ込んできた。セルジュに泣きつかれたレノ伯爵がジョゼフィーヌを説得に訪れたが、彼女の様子をヴィアンヌから見せられ、黙って帰るしかなかった。この村で初めての友達となったジョセフィーヌは夫の暴力から開放された上に、チョコレートを通じて人を幸せにする喜びに触れ、次第に笑顔を取り戻していく。
 
抑圧されていた欲求を開放させてくれるヴィアンヌのチョコレートの力が村の人々を変え、自由な空気が村を包みはじめた。一方、村の戒律を厳格に守ろうとするレノ伯爵は、断食期間である四旬節にも関わらずチョコレートを食べる人々の姿に危険を感じる。伯爵はすべての元凶であるヴィアンヌのチョコレート・ショップへの出入りを禁じた。また、教会の威信を見せつけようと、ジョゼフィーヌとの復縁を願うセルジュを神の力で更正させることに躍起になった。
 
ある晴れた日、河に賑やかな一団がやって来た。ジプシーの舟が停泊したのだ。岸辺に下りていったヴィアンヌは、リーダーのルーという美しい男性に心を奪われる。自分と同じ“流れ者”として心魅かれたヴィアンヌは、彼を店に招き入れる。レノ伯爵は村の平和を脅かす新たなよそ者の出現に頭を悩ませていた。村の議会に、“よそ者”であるジプシーたち、ひいてはヴィアンヌを追放するべく働きかける。村人たちの風当たりは強くなった。はじめての脅威に悩んだヴィアンヌはアルマンドに弱音を吐くのだった。すっかり、ヴィアンヌと心通じているアルマンドは自らの誕生日パーティを開き、ゲストを招待するように提案する。ヴィアンヌは店のお客やルーを招くことを決め、ジョゼフィーヌと誕生日パーティの準備を始める。
アルマンドの誕生日パーティとなった。ルーを含めた親しいゲストは、チョコレート料理に舌鼓を打ち、楽しく語らった。母親の目を盗んでリュックもやって来た。絵が得意なリュックは、祖母アルマンドに肖像画をプレゼントする。アルマンドは孫からもらった初めての贈り物に涙をこらえる。夜になり、パーティはがルーの舟に場を移し、さらに盛り上がって行った。そっこに、リュックを探しにカロリーヌがやって来た。今まで見たこともない息子の生き生きとした姿に心を動かされ、長年絶縁していた母アルマンドに仲直りを申し出る。生涯最高の誕生日を迎えたアルマンドは幸せいっぱいで帰宅した。パーティが続く中、話を聞いたレノ伯爵とセルジュが舟の様子を見に来た。ジョゼフィーヌの楽しそうな姿を見たセルジュは、ルーの舟に放火してしまう。
パーティは散々な終りを迎えて翌日になった。アルマンドの様子を見に行ったリュックは、疲れて眠ったまま静かに息を引き取った祖母を見つけた。舟を放火されたルーの一行も村を出て行った。
アルマンドの葬式が続く中、河岸で舟があった場所にたたずみ、ヴィアンヌは何かを決意する。店に戻ったヴィアンヌは、荷造りをして、次の土地に移るべく、嫌がる娘を引っ張って出て行こうとするのだった・・・

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