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製作発表
  300名を越すマスコミの中、会見の席上で主演の窪塚洋介は「この作品に取り組む上で一番大きな問題は僕がジャパニーズで杉原がコリアンジャパニーズだということ。差別の問題は個人的な問題だと思うので冷静でいられる事がベストだと思う」と約8分間にわたりこの作品との出会いや、杉原が興味をもっていることに自分も興味を持ち、様々なジャンルの本を読破したことなどを熱く語った。今作は韓国のSTARMAX社も製作に参加、初の日韓同時期公開が決定している。プロデューサーの趙裕哲は「『GO』は日本映画でも韓国映画でもない、
国境のない映画になって欲しいと思っている。この映画の成功により、民間の力で日韓の友好が進む形になって欲しい」と語り、様々な意味をもつ作品であることを印象付けた。

クランク・イン&行定組
 5月23日、都内の某小学校の体育館で映画冒頭のバスケシーンの撮影開始。杉原の顔のアップのファーストカットがファーストシーンでもあり、撮影の順番としてはめずらしい。「最も輝いている俳優の顔のアップは力があるね」と撮影の柳島克己も太鼓判を押す。  今回メジャー作品初監督となる行定勲監督は、33歳という若さながら現場の経験が豊富なこともあり、初めて組むベテランのスタッフにも臆することなくコミュニケーションをとる。撮影前に全カット(約1600カット!)の絵コンテを書き上げ、準備万端で撮影に入っただけあり、欲しい画が明確。
北野武作品でおなじみの名コンビ・撮影の柳島&照明の高屋斎の下、スタッフの動きも良く機材のセッティングが早い。とはいえ初日(だけではないが)でもあり監督は粘り、出番待ちしていた桜井のシーンまでいかない。待ちの間、バレーボール部だった柴咲コウは、淡々とバスケットボールでトスの練習をしていた。

スタイリングは窪塚本人
 杉原が元秀と再会するシーンの元秀のセリフ『資本主義の象徴みてえなナリして』『すっかりピヨって腰でジーパンはいて・・・』を読んで「これオレの普段着じゃん」と思ったという窪塚は、素に近いところで演じたいという思いもあり、杉原の衣裳を自前で用意した(制服や民族学校時代を除く)。監督と確認しつつだが、身体に馴染んだ色落ちしたセーターやたっぷりしたシルエットのTシャツだったりする、窪塚本人と等身大なスタイルの杉原が誕生した。

桜井=柴咲
 桜井については、原作の金城一紀が「映画化する際の桜井は柴咲コウ」と最初から柴咲をイメージしており、まさにその通りのキャスティングとなった。映画の中で自然体で演じる柴咲だが「監督が演じる側とコミュニケーションをとりながら意見を取り入れてくれる。提案しやすい」と語る。その言葉どおりさまざまなシーンで柴咲が監督や窪塚とコミュニケーションを頻繁にとる光景が見られた。

宮藤官九郎の脚本の魅力
  焼肉屋で、杉原と元秀たちが話しているところへ大竹ママが登場するシーン。『韓国も朝鮮も日本も無いの、ガキなんだよ!ガキ!』と、キップのいい母ちゃんの味を出している。そんな撮影の様子を柱の陰から見学する脚本の宮藤官九郎。なぜか恥ずかしがって隅っこで小さくなっていた。  役者としての宮藤と共演したことがある大竹しのぶは「展開のスピード感やテーマが重くてもさらりとやってしまうところがいいと思う。母親の愛や家族愛、今の日本に少ない関係が気持ちいい。脚本の才能がすばらしいのでどんどん書いて欲しい」とコメント。  監督は「見せ場、構成ともにうまい。原作から流れをうまくとってキャラクターを強めてる。セリフ回しは宮藤節だけど、ストレートでしっかりとした脚本だと思った」と絶賛。今回の現場は、役者がノッて演じている。窪塚も柴咲も「覚えようとしなくても自然とセリフが入る」と言うくらい、脚本の力は大きい。  
宮藤は「脚本を依頼された時点で窪塚さんの主演は決定していたので、彼の演じる杉原を イメージして書いた。『在日』ということを現実の一つとしてさらっと描こうと思った。国籍の問題ばかり前に立つよりいろんな人達がそこに生きているということを描くことを一番に考えた」と語った。  一方、杉原と正一が憧れるお姉さん、焼肉屋で働くナオミ役に韓国のトップ女優キム・ミンが出演、日本語のセリフに挑戦している。韓国を代表する俳優のミョン・ケナムも山崎努と国籍を韓国に変える交渉をするシーンで日本語を一言話す。民族学校のシーンでは、元秀、金先生、杉原も朝鮮語のセリフがある。まさに国境線を越える脚本である。

対決シーン
  監督の話を聞いて自分の演技プランと近いことを確認した山崎は「原作がいい、脚本がいい、監督がいい、共演者がいい、全ていい」と行定組を大絶賛。「今回の親父像は、息子にとって価値のある壁になっている。もしかしたら、秀吉は世の中への憎悪をエネルギーにして生きてきたのかもしれない。それは悲しいことだけど、結果的には強い親父が成立して素晴らしい家族を構成していると思う。深いところで結ばれている親子というのを大事にしたい」と語る。  親子ゲンカのシーンでは元ボクサーという役柄がリアルに感じる立ち回りで、これぞプロ!と周囲を納得させてしまう。映画のクライマックスでもあり、今までボクシングの練習をしてきた窪塚も気合十分。  製作発表で「スタッフのものすごい熱意を感じ原作を預けることにした」と語った原作の金城氏が、このシーンは外せないと現場訪問へ。
金城曰く「物理的にも哲学的にも軽々と国境線を越えられる、知識もあり、知力もあり、自分を守れる武力もあるバランス感覚のあるキャラクターを意識して描いた」という杉原役に、身も心もなりきっている窪塚は、ボクシング経験のある金城に拳の出し方などを質問してさらに動きに磨きをかける。  監督からカットの声が掛かってもしばらく起き上がらない窪塚。起き上がると真っ先に監督のモニター席へ。ひっくり返った自分から見えてなかった山崎の演技を見るためで、山崎との共演を心から楽しんでいるのが伺える。山崎も「最近若い俳優さんと共演することが多い中、本当に素晴らしいので自分の才能をうまく伸ばして欲しい。期待してます」とエールをおくる。

スーパー・グレート・
チキン・レース

 
オープニングで杉原が“スーパー・グレート・チキン・レース”なる一種の肝だめしをするシーンがある。後方から走る電車を背にしてその進行方向に向かって全力疾走で走り切らなければ、“ダサい奴”としてパシリ人生を歩まなければならないという、この物語上で彼の人生を左右する大事なシーン。この撮影の為に関東近郊沿線の駅に撮影許可を求めたが、実際の線路を使用する撮影は危険が伴うと判断されOKが出ない。そんな折、ロケ誘致等映画製作を支援する神戸フィルムオフィスの協力を得て神戸市営地下鉄での撮影許可がおり、行定組神戸ロケが決定した。
 7月3日、神戸市営地下鉄上沢駅、この日窪塚はクランクアップを迎える。撮影時間は最終電車通 過後の深夜0時頃から始発電車が動き出すまでの約5時間。今日に限っては時間延長が許されない。さぞ現場はピリピリした緊張感が漂っているのかと思いきや、クランクアップ目前のせいか監督、
スタッフの表情は明るくリラックスした雰囲気。そんな中窪塚も現場に現れ、スタッフ・共演者と談笑しながら出番を待つ。
  いよいよ、窪塚本人が線路に降り立ち撮影が開始される。真っ直ぐな線路の先を見据える窪塚。カチンコの音を合図に全速力で走る彼を、キャメラを載せた移動車がホーム上から追いかける。枕木に足を取られないかというスタッフの心配をよそに窪塚は何回も軽やかに駆け抜けた。そして、翌4日午前3時、窪塚の撮影は全編終了しスタッフからの拍手の中、花束が贈られた。スタッフ一人一と握手を交わし労いの言葉を掛けて回る。彼自身「この『GO』との出会いは今までの価値観をも変化させる程大切なもの」と言うように、その笑顔には主演を最後まで務め切った安堵と充実感に満ち溢れていた。

「GO」- HOME PAGE
「GO」のホームページは、ブロードバンド用のページを作っている。これには「ヒプノタイザー」という技術を投入、ストリーミングムービー上でメニューや、静止画、テキスト情報などの表示やハイパーリンクの設定を可能にしたもので、日本はもとよりアジアでも初の技術である。

ホームページアドレス→www.go-toei.com

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