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2018.01.31

3冠の伊藤美誠、「鬼になりなさい」完全復活の裏にあった母の檄とは?

伊藤美誠 Photo:Itaru Chiba

 全日本卓球選手権(1月14~21日)の閉幕以降、連日、あちらこちらで張本智和(JOCエリートアカデミー)と伊藤美誠(スターツSC)の快挙が報じられている。張本は14歳にして男子シングルスとジュニアの部優勝で2冠達成。17歳の伊藤は女子シングルスとダブルス、混合ダブルス優勝で3冠制覇と10代の新王者誕生に日本中が沸くのも無理はないだろう。

【動画】全日本卓球選手権 伊藤美誠 3冠インタビュー

 張本は父、伊藤は母の手厚いサポートを受け、卓球選手としてここまで成長したことはよく知られている。張本の場合は父・宇さんが専属コーチとして所属先のJOCエリートアカデミーで指導にあたり、試合ではベンチコーチに入る。一方、伊藤の母・美乃りさんは、伊藤が幼い頃に卓球指導にあたっていたが、現在は主にメンタル面や体調面をサポート。もともと自身もプレーヤーとしてインターハイに出場した経験や日本体育協会公認スポーツ指導者資格の「卓球上級者コーチ」を持ち国際大会にも帯同する。伊藤をアスリートとして、娘として、必要なことを見極め叱咤激励しながら、きめ細かなバックアップをしているのだ。

伊藤美誠 Photo:Itaru Chiba

 伊藤が今回の全日本選手権優勝で昨シーズンの不振から脱し、完全復活を遂げた背景にも、この美乃りさんの存在があったことは言うまでもない。とりわけ昨年末、伊藤がぶっちぎりで優勝し、「世界卓球2018スウェーデン」(4月29日~5月6日/ハルムスタッド)の出場権を自力獲得した日本代表最終選考会前、伊藤に伝えた言葉があった。それは「鬼になりなさい」というひと言。一見、辛辣なようだが、これが伊藤の闘志に火をつけた。

 伊藤という選手は一旦スイッチが入ると、すさまじいまでの集中力を見せる。平野美宇(JOCエリートアカデミー/大原学園)との全日本選手権女子シングルス決勝で、次々に強打を放ちポイントする姿を見たテレビ中継の解説者が「ゾーンに入った」と表現したが、ひとたび集中が高まり波に乗ると手がつけられなくなる。だがその一方でむらっ気もあり、集中力が持続しないという背中合わせの課題もあった。

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 そこで母の口から出たのが「鬼になりなさい」。鬼のような気迫と執念で是が非でも勝利をもぎ取るのだという強い気持ちで試合に臨みなさいという檄だった。ずば抜けた競技力はもちろん、周囲への気遣いや大人顔負けの言動などで知られる伊藤とて、まだ17歳。陰になり日向になって自身を支えてくれる母の存在がまだまだ必要な年頃なのである。

(文=高樹ミナ)

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