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2017年7月20日 放送
「安い・新鮮・美味い」で主婦殺到!不思議すぎる人気店の秘密!!

- モンテン 社長 髙品 謙一(たかしな けんいち)
「安くて、新鮮で、美味しい」と主婦たちの間で注目を集めている、少し変わった店がある。その名は...「おなかすいた」。
夕方のピーク時ともなると、30メートル近い長蛇の列ができる超人気店だ。昨年4月に1号店をオープンして以来、現在、関東のショッピングモールや駅ビルなどを中心に全国に10店舗を出店。今年も3店舗の新規出店を予定しているという。
客が群がる野菜売場を覗いてみると...確かに、野菜が安く売られている!周辺のスーパーと比べ、2~3割は安いのだとか。しかも、ベテラン主婦が太鼓判を押すほど、新鮮で、かつ、美味しいという。近隣のスーパーマーケットに引けを取らない人気を誇るが、実は、この店には、鮮魚や精肉、冷凍食品などは売られていない。野菜・菓子・調味料のみを扱う専門店だ。品揃えではなく、安さと新鮮さで客を虜にする「とにかく説明しにくい」専門店を運営する髙品謙一社長(43歳)は「日本に無い唯一無二の店を作りたかった」と語る。急成長を実現させた不思議すぎる独自戦略の秘密に迫る!
社長の金言
- 商品の良さを引き出すのが小売りの使命Tweet
RYU’S EYE
座右の銘
放送内容詳細
日本に無かった店。唯一無二の店作り!
「おなかすいた」の看板である、新鮮で安い野菜。それを実現させる秘密は仕入れ力にある。野菜の仕入れをまかされているのは、髙品の相棒であり、仲卸業者の社長でもある国井孝嗣。国井が仕入れで一番こだわるのは「旬」であるかかどうか。
旬まっただ中で、価格が安ければ大量に仕入れ、旬を過ぎて価格が相場よりも高ければ店におかない。品揃え重視のスーパーとは違い、種類が少なくても「その時おいしくて安い野菜」だけを選ぶのが流儀。しかも、市場に来たその日のうちに店に送るため、一般的なスーパーと比べ、3日は早く店頭に並ぶため鮮度は格段に良いという。そして、葉物野菜などは夕方のピーク前に大幅な値下げを敢行し、その日の内に売り切るのが鉄則。そのため店内やバックヤードには、スーパーでは当たり前にある「冷蔵ケース」がない。“商品の見せ方”も一風変わっている。例えば、ブロッコリーやピーマンなどの野菜は、ホームセンターの工具のように吊るし、お客の目線の高さに合わせるなど“楽しく買い物してもらう”ための仕掛けが随所に施されている。そうした商品棚を作るのは、社内の“匠チーム”。資材はホームセンターで購入し、すべて手作り。日々、お客の目を引くためのオリジナルの棚を考案している。
借金90億円の赤字会社から100年企業を目指した波乱万丈の歴史
ホームセンターや書店を展開するチェーン店の創業家の長男として生まれた髙品は、アメリカの大学院でMBAを取得し、1999年、家業を継ぐため父親の経営する会社に入社する。だが、その親の会社が驚くべき実態を抱えていたことが明らかになる。実は、父の経営する、その会社は借金90億円を抱える赤字会社だったのだ。親の後を継ぐことが決まっていた髙品は、そんな家業を立て直そうと「カラオケボックス」や「リサイクル店」「葬儀会社」など、“儲かる”と言われていた事業に相次ぎ参入。しかし、結果は、惨敗の連続。そんな失敗経験の中から、髙品は、あることに気付く。「儲かると思って、マネをして出店しても、“本物”が目の前に出店したら負けてしまう。所詮、モノマネ事業は、すぐにメッキがはがれて潰れてしまうのだ。」と。そんな中で転機が訪れる。それがビジネスを通して知り合った国井との出会い。お互い後継ぎ同士ということもあってすぐに意気投合。「2代目は敷かれたレールを外れることができない…」そんな、後継ぎ同士だからこそ分かり合えた二人は新会社の設立を決意する。価格競争を強いられない100年続くような永続企業を目指した髙品の知られざる歴史を追った!
新たな逸品を探すべく全国を巡る!
新規出店を続々と進める「おなかすいた」が、今年、新たな店をオープンさせた。それが調味料と菓子を専門的に扱う錦糸町店だ。店に並ぶのは、1000点を超える全国の知られざる逸品。実は、その気商品を探し出しているのが、モンテンのベテランバイヤーの2人。普通のスーパーとは一線を画す「おなかすいた」は、この仕入れでも常識破りの手法をとっていた。地元でしか展開していないローカルスーパーをしらみつぶしに周り、少しでも気になった商品を購入しすぐ車内で試食。そして、眼鏡にかなったら、その足で商談に持ち込むという。しかも、仕入れ値は一切値切らず、メーカーと共存しながら、地方に眠る逸品をメーカーと共に育てるモンテン流の商品発掘テクニック!その真髄を取材した!
ゲストプロフィール
髙品 謙一
- 1973年千葉県生まれ
- 1999年アメリカの大学院を卒業
父親の経営する会社に入社 - 2015年モンテン設立
- 2016年Una casita(おなかすいた)1号店オープン
企業プロフィール
- 創業 2015年
- 住所 千葉県千葉市美浜区打瀬2-8 222号
- 従業員 150名(うち社員14名)
- 年商:約8億円 (来期20億円の見込み)

「失敗を糧にする」よく聞くが、たいていの人は、失敗したら一発で沈んでしまい、そこで終わる。髙品さんは過去に関わった事業で、あきれるくらいの失敗を重ねてきたが、生き残った。「モンテン」は、何を売っても儲かった時代はとっくに終わり、何を売ってもほとんど儲からない時代を象徴する新業態を創造した。商品にもサービスにも消費者はすぐに飽きて、「多様化」という言葉では表現できないほど、好みは細かく分かれている。髙品さんは「個人」を想定し、その集合体としての「層」を選ぶ。失敗から、戦略を発見したのだ。