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2023年6月30日 放送 第1070回
ここまで来た!iPS細胞はいま
日本の山中伸弥教授が世界で初めて作成に成功したiPS細胞。皮膚などの細胞に特定の遺伝子を組み込むことで、神経や臓器などのあらゆる細胞に変化する能力を持つ画期的な細胞だ。その2012年の山中教授のノーベル賞受賞から早10年が過ぎた。治療や研究はいまどうなっているのか。番組では、iPS細胞を使って心臓病の治療に挑む医師に6年前から密着。紆余曲折がありながらも、いよいよ全国の患者を治療できる段階へと歩みを進める闘いを追う。さらに、山中教授の研究室出身のベンチャー企業トップは、誰もが自分だけのiPS細胞をつくれるサービスに挑んでいた。細胞を凍結保存しておけば、将来病気になった時にすぐに使えるというのだ。そして、"ミニ肝臓"や"ミニ脳"をつくって、治療や創薬に生かそうという世界最先端の現場も取材。あれから10年経って進化した、知られざるiPS細胞の治療と研究の最前線を追う。
内容詳細
全国の心臓病の人たちを救いたい…闘う大学教授に密着6年
大阪大学の澤芳樹特任教授は、2020年からiPS細胞を使った心臓病の治験を進めてきた。iPS細胞から心臓の筋肉の細胞を作り、シート状にして心臓に移植するという。番組では6年ほど前から密着。その間、何度も紆余曲折があったが、山中教授から直接叱咤激励を受けるなど、新しい治療法を確立するために奮闘してきた姿を追いかけてきた。その後、大阪大学病院での治験は3例を重ね、いよいよ東京や九州などでも治験をスタートすることになった。ただし、iPS細胞を培養しているのは大阪の施設。新幹線などで遠隔地の病院に運搬するが、温度など厳重な管理が求められるため簡単ではない。一方で、この方法が成功すれば、全国の患者を治療できる可能性が広がる。澤教授にとっても大事な正念場だ。今年1月、重い心臓病に苦しむ50代の男性が九州大学病院でiPS細胞を使った治療を受けることになった。男性は薬などを使って治療を続けてきたが病気が徐々に進行。そこで、iPS細胞を使った新たな治療に望みを託すことになった。さっそく大阪の施設からiPS細胞が九州へと運ばれる。患者の運命は・・・。そして全国の心臓病患者を救いたいという澤さんの挑戦は実を結ぶのだろうか。
誰でも自分だけの“iPS細胞”を作れる!?新たなる可能性
「アイ・ピース」というベンチャー企業がいま挑んでいるのが、自分のiPS細胞を作って凍結保存するという新たな事業だ。起業したのは、山中伸弥教授の研究室にいた田邊剛士CEO。iPS細胞を使った治療を誰でも受けられる社会をつくりたいという想いから、一人ひとりに合わせた“マイiPS細胞”の事業に取り組んでいる。利用者は、国内の提携クリニックで採血するだけ。京都市内にあるアイ・ピースの施設で血液中の細胞からiPS細胞を作成し、凍結保存される。将来、病気になった時に自分のiPS細胞を使った治療に使うことを想定している。費用は税込みで220万円から。これまでに100人ほどの申し込みがあったという。「iPS細胞をつくるチャンスを山中先生からいただいた。それをみんなの手に届けたい」と話す田邊さん。しかし、さらに多くの人のiPS細胞を作成するためには、巨大な施設と多くの人手を必要とする。今後、利用者が増えた時にiPS細胞を大量に、しかもコストを下げて作成するにはどうしたらいいか・・・。そこで、田邊さんは新たな装置の開発に乗り出した。世界からも注目される、その驚きの実力とは・・・。
ミニ肝臓にミニ脳?!案内人・松下奈緒が見た“iPSで広がる医療”の未来
iPS細胞を使って、試験管の中で人体の臓器を再現した「ミニ臓器」を作ろうという研究も進んでいる。慶応義塾大学 医学部 岡野栄之教授は、iPS細胞を培養して「ミニ脳」を作成することに成功した。現在、ミニ脳を使って認知症の一種であるアルツハイマー病のメカニズムの解明などに挑んでいる。他にも、東京大学医科学研究所の谷口英樹教授は、iPS細胞から「ミニ肝臓」を作成することに成功。ドナー不足などで臓器移植のハードルが高い中、将来的にiPS細胞からつくった肝臓を移植しようという研究を進めている。案内人・松下奈緒が谷口教授の研究室を訪ね、「ミニ臓器」の可能性に迫る。
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2025年4月28日










