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東京五輪がかかった負けられない戦い 阿部詩インタビュー

2018.11.21
柔道グランドスラム2018 - 東京五輪がかかった負けられない戦い 阿部詩インタビュー

23日(金)に開幕する柔道グランドスラム2018<大阪・丸善インテックアリーナ大阪 11月23日~25日>。女子52kg級に出場する最強女子高生・阿部詩(夙川学院高校三年)にインタビューを行った。

 

今年の世界選手権ではオール一本勝ちで衝撃的な世界選手権デビューを飾り、男子66kg級で優勝した兄の阿部一二三との兄妹アベック優勝の快挙を果たして、その名を世界に轟かせた。インタビューでは世界選手権での金メダルから東京五輪2020への抱負、そして高校生活までまで語ってくれた。

 

 

―世界選手権で金メダルを獲ってから、今の心境はどうですか

 

世界一になった、という実感が湧いてきました。周りの反応や、いっぱい取材があるのでそういうところで実感が湧いてきました。

 

 

―はじめての世界選手権はいかがでしたか

 

もっと緊張して違う空気感なのかな、という風に思っていたけれど、出場してみるといつも出ている国際大会と変わらない、と思いました。だから、世界一になったという実感が最初はあまりなかったです。

 

 

―世界選手権では、兄・阿部一二三(日体大)選手より凄い、オール一本勝ちという結果でしたが、自分ではこの結果をどう捉えていますか

 

お兄ちゃんは「オール一本で優勝する」という目標を言っていたんですけど、自分自身はまず優勝することが目標だったので、お兄ちゃんより先にオール一本で優勝できて良かったです。

 

 

―去年のインタビューでは「お兄ちゃんを必ず超えてやる!」と言っていましたが・・・

 

まだまだ超えていないと思います。やっぱり二連覇という中のプレッシャーであれだけの試合ができるお兄ちゃんは本当に凄いと思ったので、やっぱりまだまだ超せない存在だな、という風に思いました。

 

 

―お兄さんからはよくアドバイスをもらいますか

 

人前でしゃべってくれなくて(笑)。家に帰ってきた時は凄くしゃべってきます(笑)。話すとしたら試合前の会場。「調子どう?」とか聞いてくれると、やる気になります。

 

 

―柔道グランドスラムはどういった大会にしたいですか

 

今年は世界チャンピオンになって去年とは違った立場で出るので、"勝ちきる"というのが難しくなってくると思うんですけど、そこを勝ってこそが本当の強い選手なのかなと思っているのでしっかりグランドスラムで去年のような勝ち方をして来年の世界選手権に繋げたいです。

 

 

―この柔道グランドスラムで優勝すると、来年の世界選手権の代表に内定しますがそのシステムについてはどう感じていますか

 

世界選手権までの準備期間がすごく長くとれるので、そのシステムは凄く良いなと思います。どれだけ厳しい試合でも絶対勝つっていう気持ちを忘れずに試合したいです。

 

 

―日本柔道は全階級強いけど、特に52kgは熾烈な階級となっていますがその中心にいる選手としてはどう思われますか

 

やっている自分でもなんでこんなに強いんだろう、と思うくらい周りが本当に強いのできつい階級にいるなと思います。でも、そこで勝ちを目指そうとするから世界でもチャンピオンになったりできるのかなと思います。周りが強いから気を抜いてられない、という部分があるので凄いプラスになっています。

 

 

―そんな熾烈な代表争いの中で自分が勝ちきっていくためには何がポイントだと思いますか

 

ずっと対戦していく相手ばかりなので一緒のことばかりやっていたら勝てないと思います。相手が逆に驚くようなことを試合でしていかないと勝てないのでそこは練習で考えながらやっています。

 

 

―阿部選手のお母さんに話をきいたら、「詩はその時その時の試合を考えすぎずにその場の空気感を掴みとってやっていったら良い柔道ができる」と言っていましたがそのように感じますか

 

試合前とかに色々考えてしまうと何をやっていいかわからなくなるので、「もういいや!ひとつのことに絞っちゃえ!」と思ってだめになることがあるので自分の柔道を100%出し切れるように練習をして、試合の流れを読んで、自分の動きを変えていく、ということをしています。

 

 

―あえて自分の柔道というものを一言で表すとしたら...

 

"男子みたいな柔道、勢いのある柔道"を目指してやっています。柔道界の人からも柔道をやっていない人からも、"怪物"って言われる選手になりたいです。

 

 

―世界選手権前にも「怪物になりたい!」と言っていましたがまだ怪物ではない?

 

まだ、怪物ではないかなと思います。東京五輪を優勝したら怪物かな、と思います。

 

 

―東京五輪は阿部選手にとってどんな大会ですか

 

日本で開催されるオリンピックって生きている中で絶対ないことだと思っているので自分の人生において一番特別な大会かなと思います。

 

 

―今年のグランドスラムは大阪で開催されるということでどう感じていますか

 

応援してくれる人が来てくれるので楽しみでもあり、応援してくれてる人の期待を裏切らないような柔道を見せたいなと思います。

 

 

―高校生活で思い出に残っていることはありますか

 

今、高校三年生で卒業間近なんですけど振り返ってみると柔道のことしか考えてなかったなと思います。あまり行事も参加できないことが多くて、唯一、体育祭が思い出です。修学旅行は今年の2月にあるので、グランドスラムですべてが決まります!そういう意味でもすごく大切な大会です!(笑)

 

高校生になって女の子らしいことがしたいなと思ったこともあるんですけど、でもやっぱり普通の人とは違ういろんなすごく大きいことを経験させてもらっているので、柔道を選んで良かったなと思います。楽しいことはすべて自分の目標をクリアしてからしたいなと思っています。一旦、東京五輪が終わったら「誰!?」ってくらいはっちゃけたいと思います(笑)。

 

 

―試合中に阿部選手のどこをみたら調子の良し悪しがわかりますか

 

試合のときは調子が悪い時はないです。調子が良いときは普段のスピードが出ていたら・・・ですかね。

 

 

―東京五輪の金メダルから逆算したときに、今回のグランドスラムの金メダルというのはどういう計算になりますか

 

一番大切な金メダルかなと思います。ここで金メダルを獲って、来年の世界選手権に繋げれば、オリンピック争いの中の1歩前に進んだかなと思います。

 

 

今大会で阿部が優勝すれば、全日本柔道連盟(全柔連)が導入した選考方法により来年の世界選手権(東京)の代表に内定し東京五輪出場へ大きく前進するが同階級には、今年のアジア大会を制した角田夏美(了徳寺学園職)、今年の世界選手権決勝で阿部に敗れてリベンジに燃える志々目愛(了徳寺学園職)が出場。東京五輪の行方占う大一番は熾烈を極める。

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